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アパレルECの運用においてポップアップショップを活用するのはよくある事例なのですが、集客で困られている方が多いように思います。集客力のある館で開催が可能になったものの、ショップの前で立ち止まってもらえずに、蓋を開けてみたら目標売上に到達せず、という結果になることも多いでしょう。もちろん、ブランドの初期フェーズであるならお客様に「直に手に取って見てもらう」や「試着して頂く」ことに意味があり、最終的なクロージングはECで、というケースもあるでしょう。
いずれにせよ、ECへの導線をどう作るか?は予め考えておいた方が良いので、本日は簡単なタスクリストを記載しておきたいと思います。
オンライン専業ブランドを運営している方ならよくおわかりでしょうが、ブランド初期フェーズは商品を手にとって見てもらえる機会が少なく、中価格帯以上だとオンラインのみで注文獲得まで至るのはハードルが非常に高いです。事前にSNS等で興味関心を引けたとしても、「送料無料キャンペーン」等が購買のトリガーになりやすく、「直接商品を見たい」という需要が顕著に見られます。
つまりポップアップショップの開催は、
「事前に興味関心が引けている」
状態で無いとあまり意味がありません。館の集客で購買に繋がるというケースも確かにありますが、筆者の経験上は多くありません。ここを期待していると失敗するケースが多発しますので、事前に集客は徹底しておきましょう。活用しやすいのはSNS広告ですね。出店するエリアでターゲティングが可能ですので、比較的精度が高く出稿が可能です。再現性が無いのはターゲットの設定でしょうか。ブランドの提案するコンセプトやスタイル等で大きく変わりますので、ここを外すとそもそも集客につながりません。過去、購入してくださったお客様や既存のエンゲージメントが高い顧客の動向を細かくチェックしながら精度を上げていくしか方法は無いでしょう。
来店された方にブランド名をしっかり覚えてもらう、来店後もECサイトに流入してもらう為に、事前にショップカードを作成し、接客後にお渡ししましょう。意外と正確にブランド名を覚えていない方はいらっしゃいますし、その場合、ブランド指名検索にも影響がでます。
ポップアップのスケジュールは、開催前に予定が決まっているものは一覧でまとめて告知しましょう。地方を含めてシーズンに複数回出店するようなケースもあるでしょう。記事コンテンツでまとめて記載しておき、instagramのストーリーズで定期的に配信→ハイライトに追加しておきましょう。メルマガでのプッシュも必要ですね。
スマートフォンのマップを使うと、たまに違う方向を示されることがありますので、ショートムービーでわかりやすく道をお知らせしておきましょう。(IGストーリーズ→ハイライトへ追加)商業施設内の場合、フロアガイドの中のどの場所なのかも明示しておくと良いでしょう。場所がわからない、という理由で機会損失してしまうのは勿体なさ過ぎますから。
ライブ配信にて、どのような商品が並んでいるのか?をお客様にお見せして期待感を煽りましょう。陳列しているアイテムを見せながら店内を回るのが望ましいです。目玉商品の在庫の数をお知らせしておき、当日早めに来店しないと無くなってしまう旨もお伝えしておきましょう。
インフルエンサーブランドの場合、ご友人もインフルエンサーが多くいらっしゃいますので、なるべく来店を促進してもらうようにしておきましょう。来店されますと高確率でSNSにてシェアをして頂けます。
ブランド属性によって現場から発信する内容は違うのですが、以前スタイリストがディレクターを務めるブランドでは、現場からスタイリングのtips等をライブにて発信されていました。このように、ブランド属性に合った内容のライブを実行すると、よりブランドのコンセプトを理解してもらいやすいでしょうし、来店できなかった方にも興味関心を持ってもらいやすいです。また、次回は現場に行きたいと思ってもらうのにも活用できるでしょう。
ポップアップ期間中にもなるべく集客の手を止めないようにしましょう。「人気アイテム」や「在庫わずかなアイテム」「在庫の追加」などをSNS等でプッシュすることで、展開アイテムのリマインドにもなります。お客様が見落としていた欲しかった商品があるかもしれませんので、運営中も徹底しておきたいですね。
ECサイトにてスナップページが実装されている場合、可能であれば店頭でもページを表示しておくと現場で着こなしの参考にして頂きやすいでしょう。(画面横にQRを設置)中にはページの存在を知らなかった方もいらっしゃるかもしれませんので、後日スナップを閲覧してもらえるお客様を増やせるかもしれません。
直近で開催予定のイベントや販売スケジュール等があれば、フィッティングルームでプッシュしておきましょう。事前に記事を作成しておき、QRで飛ばすのが良いかと。狭い空間なので、高確率で目に留めて頂きやすいです。
店頭でご購入頂いたお客様にはレジにてメルマガ会員登録を促進しましょう。カスタマーカードを書いて頂くだけでも対応可能です。また、事前にメルマガ登録してくださったお客様には特典をレジでお渡しする、という施策でも良いでしょう。
フィッティングルームでも訴求しました別のイベントや商品入荷情報は、リーフレットを作成しておき、ご購入後にお渡しするようにしましょう。
来店されたお客様が再訪後、可能であれば見やすいようにポップアップショップの展開アイテムは一覧ページを作成しておくと便利です。こちらは期間限定で結構です。店頭で気になった商品を後で見返しやすくする方法ですね。商品ごとにQRを設置してブックマークしてもらう、という方法もあるのですが、こちらの方が手間はかかりません。
現場からトークショーやスタイリングのtips等をライブで配信した場合、アーカイブ動画を記事に埋め込み、レポートを作成しましょう。今回、来店できなかったお客様が来たくなるように当日の様子をできるだけわかりやすく作成。SNSにて特定ハッシュタグ付きで投稿されたお客様や、フォトブースで撮影されたお客様の掲載も、許可をもらいながら掲載していくのも良いでしょう。
最後に、設置するQRにはパラメータをしっかり付けておき、どこから流入があったのかをしっかりカウントしておきましょう。
大体はこんな感じでしょうか。当然ながら一番重要且つ難易度が高いのは「集客」ですが、その後のECへの流入は事前準備で促進可能ですので、やれることはしっかりやっておきましょう。館によって不可な施策もあるでしょうから、そのあたりも事前確認して進めていきましょう。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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