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転職トラブル【これって経歴詐称?】

こんにちは、働くMAMEです。
暑い日が続いておりますが、皆さんお元気でしょうか。
例年お盆を過ぎると転職を希望される方が増える傾向がありますので、今回は転職活動上のトラブルについて書いていきたいと思います。
コロナ渦以降は経歴詐称や、悪意がなく法的に経歴詐称でなくてもそう捉えられたことで内定取り消しになる事例が急増しております。皆さんの安全な転職活動のためにも一度読んでいただけると幸いです。

◯経歴詐称と捉えられるケース

故意に経歴詐称をすることは言語道断なのですが、上記のように「悪意がなくても経歴詐称と捉えられる」ケースがあります。特にコロナ渦で増えたのは以下3つのケースです。

1、年収情報と実際の年収にギャップがある
厳密には経歴とはやや違いますが、3つの中でも最もトラブル件数が多いケースです。状況がイメージしづらいと思いますので、以下具体例で説明したいと思います。

2019年以前は年収が約500万円だったが、コロナ による業績不振で現在は年収が約450万円まで低下してしまった。
転職するにあたって現職の年収が「転職時の年収」に影響するという認識がなんとなくあったため、希望年収と現職の年収を500万円とキャリアシートに記載して転職活動を開始。
500万円もらっていたことは事実としてあったため、特段悪いことをしている気もなかった。
しかし、内定通知直前で企業から「最新の源泉徴収票の提出」を求められ、金額に50万円のギャップがあることが発覚。ギャップの金額に加えて、なぜ最新の年収情報を伝えなかったのか、なぜ現在までそれを共有しなかったのかを企業は追求。
第一志望の企業だったので可能な限り真摯に対応したが、最終的にこれらの一件から企業側は疑惑の念が拭えず、内定通知を出す予定を取り消すことに、、、。

ここまで読んでみて、そんなことをする人いるの?と思ったかもしれませんが、超がつくほどの頻発事例です。上記以外にも、ざっくり大体の記憶で年収を記載していて実際の金額とことなっていた、、、なんて方もいらっしゃいますので、最新の源泉徴収票に基づく「根拠ある正確な年収情報」を正しく記載いただいている方はエージェント感覚でいうと10人に1人くらいです。
入社前に源泉徴収票の提出を求められなければ問題にならないかもしれませんが、近年は提出を求める企業が増えておりますので、正確な情報をお伝えするのが得策(と言うよりマスト!)です。

2、休業期間について情報を伝えていない
こちらもコロナ渦で増えたケースです。
例えば、経営不振による就業環境の悪化で精神疾患を発症し、休業していたがそれを伏せて転職活動をしていた等の事例がこれにあたります。
バレなさそうですし、言いたくない方がほとんどなのですが、こちらについても大体が「源泉徴収票」がきっかけで発覚します。なので、背景説明をどうするかは一旦置いておくとして、一旦は休業期間があることについては応募先へ事前に伝えておく方が良いでしょう。

3、伝えていない職歴がある
職歴を省いて記載し、転職回数を少なく見せる。という言わずもがな転職回数が多い方によくあるケースです。
しかし、これは当人だけが悪いと言うわけでなく、一部の(モラルの低い)転職エージェントが「試用期間での退職は経歴に記載しなくてもいいよ」という提案しているというケースもあります。※担当顧客を軽視し、転職支援決定数だけ上げるための悪しき提案です。
これらはリファレンスチェックを行っている企業に対してはもちろん通用しないですし、雇用保険などの履歴から発覚しますので、必ず漏れなくに伝えるようにしましょう。

◯きちんと説明すれば大丈夫

一方で、全て馬鹿正直に伝えて選考上ネガティブな印象を持たれたらどうするの!?そもそも転職できないんじゃないの!?なんて不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、ご安心ください。きちんと説明すればすべて大丈夫です。

例えば、1については「希望年収で転職する」というのが本質なので、以下のように状況をきちんと説明し、企業の採用基準をクリアしていれば、正々堂々と希望額での内定をいただくことができるはずです。

コロナによる主要取引先の倒産等の事情から会社の経営が厳しく、直近の年収も正直50万円ほど低下している状況です。一方、生活の面で家族を安心させてあげたいという思いがありますので、今回の転職では以前の年収である500万円を希望しております。

また、2や3についても不正でクビになったとかは別として、理由や状況を説明すれば、選考上不利にならずに済むことが多く、内定採用まで至ったケースも数多く存在します。
要するに、企業が一番嫌なのは「不明瞭、よくわからない点がある」ってことなのです。
(まぁ、逆もまた然りですがね、、、)

一方で、2で言及した精神疾患(うつ病など)については機微情報になりますので、こちらは企業に伝える義務はありません。しかし、後々状況が複雑になる可能性もありますので、エージェントを利用している場合は担当のキャリアアドバイザーには伝えた方が良いでしょう。真っ当なエージェントであれば、企業に対して「良きに計らう」対応をしてくれるはずです。
誰にも伝えないと、誰も弁護も対応もできないので、それだけは避けた方がいいと思います。

そして最後になりますが、アパレルの転職マーケットはようやくコロナ以前の状態にまで戻りつつあります。転職活動において、厳しくも悩ましい状況は個別あると思いますが、個人と企業の双方が正直に話し合い、一つでも多くより良い出会いが生まれる事を切に願っております。
来月もよろしくお願い致します。

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