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最近見かけた面白い販促

普段からアパレルECのウォッチが趣味の筆者ですが、ブランドやショップの規模感が大きくなってくると悩ましいのが「販促」でしょうか。規模感が小さい時は雑誌に掲載されるだけで指名検索の伸びがあり、売上インパクトが出やすいのですが、規模が大きくなるにつれ効果が見えにくくなり、WEB広告に逃げがちです。もちろん、それで効果が無いこともないのですが、ブランドの認知度を高める・新規獲得を促進するという目的に対して、抜本的な対策にはなりにくいことが多いです。そんな訳で普段から、大手アパレルはどのような施策を打っているかを参考にしているのですが、最近見かけました大きめの面白い販促をいくつか抜粋してみたいと思います。

◯ブランド×WEBメディア&雑誌×エディターor モデル

Oggi連動企画 | 月曜の朝にワクワクできる服、持っていますか?

Demi-Luxe BEAMS(デミルクス ビームス)と雑誌「Oggi」の連動企画。BEAMSのスタッフと著名ファッションエディターが通勤スタイルを組み、それを自社ECとOggiのWEB版・本誌にて連動して掲載するという内容ですね。

月曜の朝にワクワクできる服、持っていますか? エディター・三尋木奈保と考える、30代からの「働くおしゃれ」新基準

OggiのWEB版からは、紹介しているアイテムを一覧にした商品一覧ページへの導線を設置。

Oggi12月号掲載アイテム

最近、ブランド・ショップの自社EC上で雑誌名が登場し、連動して記事がアップされるケースが相当増えてきたように思います。同時に雑誌掲載することで、指名検索増加→LPに流入→購買という導線でしょうか。課題としてはこういう時、雑誌のWEB版からの流入があまり強くないので、雑誌社側とインスタライブを同時に配信しながら流入を促進。可能であれば専属モデルに紹介してもらう、のような流入アップ施策と絡ませるのが望ましいでしょう。(お金めっちゃかかりそうですが…)

今回の取り組みでは、本誌での取り上げられ方もやや弱い印象がありましたので、ちょっと勿体無いですね。最近は雑誌側に自社ECのQRを設置している場合もあり、ECへの導線が徹底されている印象があります。店頭集客がメイン、という場合もあるのでしょうが、ECで商品をよく見て頂いてから店頭へ足を運んで頂く事にデメリットはありません。

SNIDEL × YUKO ARAKI × sweet Collaboration FRILL LONG DRESS

スナイデルが中長期でやっている販促もこれと似ていますね。スナイデル自社EC・ウサギオンライン上でLPを公開し、SWEET本誌でも紹介するというケース。雑誌の一番最初のページで見開きで掲載されていましたので、多くの方の目につく可能性が高いと思われます。(こちらも紙面を確認しましたが、ECへの導線はほぼ皆無)

Dマガジンのようなサブスクサービスだと、これらのコラボのページが見れないのがやや難点ですね。

◯ブランド×雑誌×スタイリスト or エディター

【VERY×BAYCREW’S STORE】SLOBE|11/12 名古屋パルコ店限定イベントご紹介

こちらは雑誌「VERY」とベイクルーズの取り組み。VERY×BAYCREW’S STOREのコラボと称し、ベイクルーズのブランドをいくつかピックアップしてコラボ商品を展開。

ブランド別で人気スタイリストや人気エディターをアサインしたトリプルコラボの展開ですね。(安西こずえさん、ここ最近一番のコラボ女王なのでは…)

この取り組みは本誌だけの紹介ではなく、名古屋パルコで限定イベントを同時に開催しております。当然、アサインしている著名人がゲストで参加。トークショーを用意して当日の集客も担保。

イベントの前日と当日は、ブランドのIGアカウントと著名人のIGアカウントを活用してインスタライブを実施。店頭を起点に、インフルエンサーの拡散力と雑誌媒体の力を活用したインパクトのある企画。「BAYCREW’S STORE」の店舗を持つことによって、店頭にて複数ブランドで一気に雑誌コラボを展開できるのは効率が良さそうですね。コラボアイテムを一箇所でプッシュできるのは、ブランドを横断したファン獲得につながりそう。

【名古屋で】最近お買い物を控えていたアパレル女子が本気で爆買いする回。【買い物】(SLOBE IENA)

普段から更新しているブランド別のYouTubeでも中の人が名古屋出張にでかけており、店頭で販売されている商品を紹介(というより普通にお買い物を楽しんでいるようにも見えますが笑)しています。店頭・SNS・インフルエンサー・雑誌媒体など、全てを連動している面白い内容ではないでしょうか。

 

直近で見かけました雑誌を絡めた販促を2つほどご紹介しましたが、プレスルームに依頼して商品を貸し出してもらうだけですと雑誌に掲載される事は実現しますが、このような大きめの販促を組むのは難しいでしょう。初期フェーズは簡単な掲載だけでも指名検索が増え、売上に跳ね返ってきますが、ブランドが大きくなるにつれ求められる売上も同時に大きくなってくるものです。このような販促は相当な費用を求められてしまいますが、WEB広告のみに偏重するようでしたら検討しても良いかとは思います。

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