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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。毎朝、管理している盆栽の土がガリッガリに凍っているほど、寒い日が続きますが、ご自愛ください。
さて、本記事は新年一発目ということになりますが、これまで私が運営するOMOTE TO URAがセールを行わない理由と、それらのメリット・デメリットをまとめてみました。是非最後までお読みください。
まず、OMOTE TO URAではこれまで一度もセールを行ってきませんでした。その理由は以下となります。
・プロパーで売りたいから
・セールする程大量生産できないから
・アパレルだけで食っていけないから
です。
「プロパーで売りたいから」は、要するに「粗利益(率)を高くしたい」という当たり前の話なのですが、「セール」とは、つまるところ「=売れない商品を現金化する方法」となります。これは何もアパレルに限った話ではなく、スーパーマーケットもこの理論に即しています。夕方~夜にスーパーに行けば、牛肉が10~20%OFFで販売されていますが、これは「そこで売り切らないとその商品がゴミになる」という、アパレルよりもより悲惨な現実がそこにはあります。
「セールするほど大量生産できないから」においては、OMOTE TO URAの構造上の問題が関わってきます。というのも私は一人だけで運営しておりますので、そもそもデザインを含め大量の洋服を生産できない、ということです。
「アパレルだけで食っていけないから」というのは、その言葉通りで、洋服を販売することのみにおいて私が生活していくことはまず無理だろう、という諦観のもとにあるものです。セールを行わないことにより、赤字が出てくる時もありますが、都度都度、ロゴなどのデザインを行い何とか凌いでいるのが現状です。
以上が消極的にセールを行わない要因です。
ちなみに上図は昨年デザインさせていただいたものの一部です。本年もご依頼お待ちしております♪
まず、私が肌で感じるセールを行わないことによるメリットは、
・お客様に損をさせない
・時間が奪われない
「お客様に損をさせない」においては、”商品を定価で買ったのに…”と落胆させることが絶対にない、ということです。デザインやクオリティの問題は別ですが、価格の面に関しては起き得ないことです。と同時に某GAPのように「いつもセールをしている、セールこそプロパーなんじゃね?」と思わせることも起き得ません。
「時間が奪われない」に関して言えば、私は一人で洋服のデザインを行い、E-SHOPの管理をし、記事を書き、同時進行的に上述のグラフィックデザインを行っています。そのため、セールを行うための前準備を省くことが出来る、というのも現実的なメリットの一つです。
そして、セールを行わないことによるデメリットは、
・キャッシュが不足する
・集客の機会を損失する
・在庫を圧迫する
となります。
「キャッシュが不足する」というのは、先述したように、旬の過ぎた商品をお金に換えることができなかった、というわけですから、当然のことです。OMOTE TO URAのような小さな会社では、商品を現金に換えることができなかったら、次のシーズンはないと考えたほうが自然です。あるいは、他の現金を手に入れる方法を探る、ということも選択としてはあります。
「集客の機会を損失する」に関しては「=値下げすることで買ってくれるかもしれないお客様」を逃す、ということです。これは弊社のような小さな会社においては、かなりの損失となります。ブランディング的には「顧客獲得コストが低い状態」にもかかわらず「セールスターゲット」を逃している状態ですので、相当大きなデメリットとなります。
「在庫を圧迫する」においては、マーチャンダイジングの理想とする「売れる分だけ仕入れる」ことが出来れば良いのですが、自由民主主義的な市場経済を行う日本においては、理想的な一つの形でしかありません。そのため、セールを行うことで在庫を消化する必要があります。これが行えないとなると、やはり企業にとっては大きな痛手となってしまいます。
OMOTE TO URAでは必ずしも「セールを行わないことが正しい」と考えているわけではありませんし、今後も行わないということは断言できません。重要なのは自社の状況を冷静に観察し、メリットとデメリットの双方を比較し、”最適”な戦略をとっていくことではないかと考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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