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こんにちは。いよいよ春めいてきまして、私は既に半袖を着ています。さて、そんな本日は、私が前々から「面白いな~」と思っているマーケティング戦略(主にPR戦略)について、少しだけ掘り下げて書いてみたいと思います。
最後まで宜しくお願いいたします。
ご存知日本が世界に誇る輸送機器メーカー・ホンダ。オートバイの売上と販売台数は世界首位で、日本人のみならず、海外の方にも名前の通じる日本企業の一つです。
このHondaのマーケティング戦略において、ユーザー目線で捉えた凄みの一つは「コンテンツの充実度」です。ダイレクトに車に関係しないコンテンツをウェブ内に充実させることによって、より広く自社の商品を認知させることに成功しています。例えば、
・キャンプ
・ゴルフ
・釣り
・わんこ
などのコンテンツを設け、”趣味を本気で楽しみたい人が集まる秘密基地”と称し、わざわざHondaのページにアクセスしようとしなくても、強力なSEOによって、Hondaのページに誘導されます。
勿論、会社の規模的に、これほどのコンテンツを充実させるリソースを持っていることが大きなメリットではありますが、知らない間に調べたページからHondaのサイトに飛ばされている方も多いと推察します。
因みに私はSUZUKIとTOYOTAに乗っています。
品川にあるショップ「Hand To Match」が展開するオンラインショップは、いわゆる”ジャケ買い”の感覚をオンラインに反映させた作りになっています。
このオンラインショップで商品画像に掲載されているのは、写真家による一枚の写真のみであり、それがどのように利用できるのか、用途は一体なんなのか、商品説明欄にも書かれていません。
99%のオンラインショップでは、商品の全体図に加え、細部までもを明瞭に撮った商品画像が利用されていますが、このHand To Matchはそれと逆転の発想で、E-SHOPを構築しています。
ただ、今回のBLOGはあくまでも「面白い」だけですので、これを参考にすべきだとは思いませんし、販売する商材(雑貨と服では違う)に左右されるものです。
こちらは植物好きの方に知られるアプリケーションの一つで、花や植物などに関わるコミュニティサイトの一つといえます。謂わば植物系SNSの一つで、他のユーザーの投稿した花や植物にコメントすることができるものです。
また「名前を教えて!」というページでは、自分が撮影した(見つけた)花や植物の名前を、他のユーザーに教えてもらうことが可能で、AIによる植物判別よりも遥かに的確で、明確な答えを得ることが出来ます。
例えば、自分が撮った名前の分からない花を、Twitterに掲載したところで、その名前を知っているユーザーが教えてくれることは稀です。しかし「植物好き」という大前提のもとに集合しているこのアプリのユーザーであれば、ほぼ確実に名前を知ることが可能です。
また、季節に沿ったコンテンツを「読みもの」として提供することで、そこを入口にGreenSnap自体のE-SHOPに誘導するベーシックなウェブマーケティングも行っています。
私は本屋が好きでよく行くのですが、そこで買ってしまう雑誌があります。それがBRUTUSです。面白そうな小説を買うついでに、なぜか読んでしまい、レジに持っていってしまうのです。
上図には、様々なBRUTUSを並べてみましたが、表紙にはそれぞれ
・新珍奇植物
・サウナ、その先の楽園へ
・なにしろ映画好きなもので
・死ぬまでにこの目で見たい日本の絵100
・通いたくなる動物園
・珍奇昆虫
・棚は、生きざま
・机は、聖域
などと書かれています。これは全て私が購入したものですが、当然「棚」にも「机」にもまったく興味がありません。
ご存知の通り、紙媒体は瀕死の状態で、アパレル関係者でさえファッション雑誌を買うということをしていない方の方が多いはずです。例にもれず、私もファッション誌をまったく買っていません。しかし、私がBRUTUSを買ってしまう理由は、その「少し先の興味の行先を提示する」的なコンセプトに惹かれるからです。
加えて、ほとんどの書店には、必ずといっていいほど「バックナンバー」が置かれ、ある意味ではトレンド的な最新性と乖離しています。また、BRUTUSがウェブ上でのプラットフォーム拡張に踏み出したのは2018年と遅めだったのですが、そこで行われたのは単なる電子版ではなく、これまでの記事を解体したうえでアーカイヴ化し、ランダムに記事が表れる仕組みになっています。
いかがだったでしょうか。スマートフォンの登場によって、様々な興味の対象が細分化・多様化された現代。ファッションにおいても、キムタクが起こしたような大きなトレンドは生まれにくくなっています。その為、ビジネス書通りのマーケティングでは、大手競合に勝つことは大変難しいと考えます。従って、様々なアイディアを参考に、自社なりの戦略を考える必要があるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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