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セット販売されたアイテムをShopifyで抽出する方法

Shopifyのストア分析で出せないデータ第三弾。今回は「セット販売されやすいアイテム」を抽出する方法です。ストア分析から出したデータをエクセルで加工すれば出せるデータではあるのですが、セット販売されたアイテムが何点販売されたか?を計算するのはちょっと面倒なので、またBigQueryを使って出してみました。

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(過去二回はこちら)

◯セット販売されたアイテムはどれ?

ではいつものごとく、注文管理から任意の期間のデータをエクスポートし、BigQueryに取り込みます。ここでセット販売されたアイテムなのですが、Nameという注文ナンバーが複数あるものはセット販売されている注文になりますから、

①注文ナンバーごとにグループ化し、2回以上出てきた注文ナンバーだけをリストアップ

します。次に、

②注文ナンバー(Name)とそれに対応する商品名(Lineitem_name)を元のテーブルから抜き出し、先ほどの「複数点注文があった注文ナンバー」にだけデータを突合します。

これで、複数点注文のあった「注文ナンバー」ごとに販売されたアイテムが並ぶ、という表が完成します。このままでもいいのですが、ここからさらに手を加えるなら、

③②のデータのアイテムを点数ごとにグールプ化し、点数が多い順番に並び替え。

と、してあげると「セット販売されたアイテムでよく売れたアイテム」順に商品が並びます。これで、「何がセット販売されやすかったのか?」がわかるようになりました。

◯どう活用するのか?

問題はどのように活用するのか?ですが、個人的には結果として出てきたものというよりは、セット販売を狙ったものがしっかり売れたのか?を検証する際に使いますね。いくつか例を出してみましょう。

■コーディネート提案

意外とセット販売に効果が無いのですが、一応記載しておきます。1週間コーデやスナップコンテンツなど、アパレルなら当然のようにあるコーディネート提案。店頭であればセット販売強化・客単価アップ時に使われる手法ですね。セット販売を狙ったコンテンツが効果があったのか?を検証したい場合、この施策後に一度確認してみましょう。買い上げ率アップには効果を発揮しやすいのですが、セット販売となるとやや効果が弱い印象です。

また、MDを設計する時点で展開アイテム・強化品番・スタイリングは確定しているはずなので、付け焼き刃でセット販売しても更に効果が弱くなるので、シーズン前の設計が重要になりますね。

■バンドル販売

わかりやすくセット販売するなら、「セットでお得に購入」的なやり方が王道でしょうか。2buy10%OFFなどの施策もこれに該当するでしょうけど、MD的には悪手なので、高確率でマサ佐藤氏に怒られます。マサ佐藤氏のクライアント様はこの手法は遠慮しておきましょう。

■カラーバリエーションが豊富である事をアピール

商材にもよるのですが、大人買いを誘発するならカラーバリエーションの多いものは比較的効果があります。色ごとの着こなしをしっかり見せる事で、セット販売を狙っていきましょう。

■クロスセルのアプリを導入

Shopifyならアップセル・クロスセルを実現してくれるアプリは多数あります。

allbirds

これらのアプリを導入した後、セット販売が促進されたかどうか?費用対効果を測るのも良いでしょう。

■キャンペーン・クーポン・ポイントアップ施策

まとめ買いが一番起こりやすいのは、ECだとこちらでしょうか。ある一定周期でこのような施策を実行しておりますと顧客側もわかってきますので、そのタイミングで一度に購入するという行動パターンが発生しやすいです。値引き施策には変わらないのですが、価格弾力性が強く、購買が大きく伸びるなら意外と利益は残りやすかったりします。送料無料キャンペーンなどでもトリガーになったりするので、こちらでセット販売が促進されたか?も見ておきましょう。

 

いくつかセット販売促進の手法を見てきましたが、身も蓋もない話をしますと、一番効果的なのは「商品力を高める」事、プロダクトが強ければ、リピートもセット販売も広告施策も促進されるという当たり前のお話…、なのですが、いつも言っておりますように、やるかやらないかで言うと「やった方がいいに決まっている」事なので、EC担当者の方々におかれましてはしっかり対策しておきましょう。そして、5%でも10%でも効果が上がったならそれはめちゃくちゃ誇るべき事ですから、今回の手法でしっかり検証しておきましょう。

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