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こんにちはこんばんはごきげんよう。地獄のような酷暑もほんの少しだけ和らいできて、幾分涼しくなりました。しかしながら────私はお盆期間中に沸騰するほどの怒りをおぼえる出来事がありました。その正体は「くそクレーム」────。
くそクレーム主から送られるGmailの”ピコン”という音さえ嫌な気になり、暗澹たる感情が常にありました。本日はその一部始終を書いていきます。少々長いですがお付き合いくださいませ。
8月14日
ことが起きたのはついこの前の8月14日です。弊社E-SHOPで、盆栽を複数個購入してくださったお客様(初)がおられました。やったー‼嬉しっ‼とのことで、本来は発送しない(夏季休暇はしない旨、特商法頁・商品説明欄に記載済み)ところですが、即日発送しました。
8月16日
お客様の元に商品が届きました。すると以下のようなメールが届きました。
「台風の影響かもしれないけど、おたくで買った商品が段ボールの中で倒れまくっています(少し大げさかな?)今の時期は暑いから、梱包に気を遣ってもらわなきゃ困ります。商品に傷等の損害はなかったものの、サービス品を送ってください。」(ほぼ原文ママ)
梱包時にミスがあったのは完全にこちらのミスです。しかし、以前に一度梱包のミスがあり、お客様に誠心誠意謝罪させていただき、それからは絶対に倒れない梱包をしています。段ボール上部には二ヵ所に「こちらが上です」のシール、更には手書きでも「うえ」の表記を二ヵ所に記載しています。
とはいえ、偶然何らかの拍子に段ボール内の盆栽が倒れうることもあろう、と思い、即日謝罪文をメール&紙でお送りし、お客様の要望に従いサービス品を二つお送りしました。
8月18日
お客様の元にサービス品が届きました。すると再び以下のようなメールが届きました。
「おたくはどういう商売をしているのか?今回送られたものはサービスと呼べないゴミのような酷い代物です。現在SHOPに並んでいる新しい商品を鉢付きで2.3個送ってください。今回は絶対に8月19日の昼までに到着させるように。昼以降は受け取れないので」(ほぼ原文ママ)
あれ?あれれ?これ、クレームつけていい感じのサービス貰いたいだけじゃね?という私の疑念が沸々と沸きあがりました。
しかしながら、この方のお住まいになっている場所にお届けするには、どう頑張っても二日かかってしまうこと、加えて上述した内容の商品をお客様に送るのは流石に難しく、その旨を丁寧な口調でしっかりとご説明させていただきました。
8月18日同日
すると、再びそのお客様からメールが届きました。
「そうですか、非常に残念です。こっちはそちらで買い物をしてやっているのに、送られたのはゴミばかりです。今の若い人はみんな礼儀を知らないので、こういう風にすれば商売がうまくいく、というのを教えてあげているだけなのです。もういいので、二度とそちらで買い物はしません」(原文ママ)
え?こんなクソじじい(ちなみにこの方のご職業も年齢も分かっています。)実在すんねや。ほんま、なめとんなこいつ。もうええわ、お前はうちで買わんでええわ、なんやねん腹立つわ。と、喋ったこともない関西弁で早口にまくしたてたい気分になり、私の脳裏にはありとあらゆる罵詈雑言が浮かび上がり、実際にiPhoneのメモ機能とTwitter(X)の下書きに、そういった文言を並べ、本気でこのおっさんに送ってやろうか、と思いました。
で・す・が、さすがにそんなことできるはずもなく、再び丁寧な文章で、謝罪文とご要望に沿えない旨をお送りしました。
また、このお客様は盆栽のことをあまり知らないのではないか、と思い、弊社がこれまで書いてきた盆栽の仕立て方の記事と画像を添付しておきました。
このストレスフルな状況は耐え難く、周囲の人に「こんなことがあってさ~」という話をしました。しかし、大抵かけられるのは「まぁ、とりあえず金になるなら良いんじゃない?」というようなもので、私もそのことを強く強く理解しています。
企業にとっては、売上が極めて重要なもので、特に弊社における”商品での売上”は貴重です。分かっているのです。どんなお客様でもお金を落としてくれることはありがたく、こちらが頭を下げなければいけないことも。しかし「ゴミ」呼ばわりされる盆栽を何年もかけて育ててきた私の気持ち。(そんなことはお客様に関係ないことは重々承知です)しかし本当に悔しくて悔しくて、怒りと悲しみの感情が常に私を支配していました。
8月19日
ピコン!
あの忌まわしきGmailの音が鳴るたびに、アイツだ───と、びくつきながら過ごしていると、幾つかのデザイン仕事のメールに混じり、とうとうホンモノのアイツからメールが届きました。オワタ───。
しかし、送られたメールのタイトルには、
「今までの御無礼お許しください」
と書かれています。恐る恐る本文を読むと、これまでのクレームを全て侘びる文章が書いてありました。梱包に問題はまったくなかったらしく、本来サービス品を受け取る必要はないとのことでした。
え?どういう風の吹き回し?娘とか息子が注意してくれた?「お父さん、そんなことやったら駄目やんか」とか。あるいは奥様?それとも盆栽仲間が「これは良い樹だから、そんなこと言うたらあかん」とか言ってくれた?
いずれにせよ良かったー!!!と心底思いました。更には、このお客様は再び商品をご購入してくださり、つい先日リリースした樹も購入してくださいました。
もし私が感情的になり(お客様に分からない形で十分なっているけど)、怒りのままにメールを送っていたら、このお客様は弊社で二度と買い物をしてくれなかったはずです。そして私も私を恥じました。この方は本当に盆栽のことを何も知らず、だからこそ想像よりも遥かに小さい豆盆栽をゴミと思ったのかもしれない、と考えました。故に、育て方や剪定などを記したウェブコンテンツをお送りしておいてよかった、と思いました。
そして現在。
弊社の盆栽をご購入されるお客様の年齢層はめちゃくちゃ広く、10代~70代までいます。中にははじめて手を出す方もいるかもしれません。だからこそ、弊社では「育て方ペーパー」を初回ご購入のお客様に同梱するようになりました。これはまぎれもなく、このくそクレーマーもとい今では太客の方のおかげです。これを以て、本当の一件落着というところです。
そして、毎日のようにくそクレームを受け続けている様々な職業の方に、本当に優しくしよう、と思い直しました。この文章をお読みの皆様も、是非、前面に立たされる方の気持ちを考慮して、優しく、とは言いませんが普通に接したいところです。
盆栽、是非買ってください。最後までお読みいただきありがとうございました(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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