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大手アパレル上場企業EC売上推移まとめ②(2024年2月期上期)

先日、大手アパレル上場企業4社の決算を確認しまして、24年度上期のEC売上の推移を記事にしておりましたが、

大手アパレル上場企業EC売上推移まとめ(2024年2月期上期)

大手アパレル上場企業EC売上推移まとめ(2024年2月期上期)

今回はその続きになります。TOKYO BASE・しまむら・ユナイテッドアローズの上期決算から、現在の状況(主にEC関連について)を確認してみたいと思います。

■TOKYO BASE

24年1月期上期

売上:96億5600万円(23年上期:88億9600万円)

EC売上:24億5900万円(23年上期:24億3500万円)

EC売上内訳:自社EC 8億7300万円・他社モール 15億8600万円(23年上期:自社EC 7億8600万円・他社モール 16億4900万円)

前年同期比で売上・利益共に改善。海外店舗の一部撤退報道がありましたが、店舗数は期首から9店舗減少、内訳は国内1店舗・海外8店舗閉鎖。店舗を減らしつつもトップラインを伸ばし、営業利益も改善しています。EC売上はほぼ横ばいで、自社ECが微増・モールが微減という状況ですね。EC比率は25%強まで下がっており、自社EC比率は35%程度。徐々にZOZO依存度は低くなりつつも、自社ECがいつまでも大きく伸びない状況ではあります。

在庫状況はやや悪化していますが、キャッシュもやや増えております。負債は大きく減っておりますのでトータルで見ると改善していると言えるかと。元々、キャッシュフローの良い企業なのでこのあたりは特に問題は無さそうですね。海外店舗の早期撤退が功を奏した感はあります。まぁTOKYO BASEは業績云々より、人材流出が喫緊の課題でしょう。

ブランドの内訳では、UT以外は咋対を超えております。UTは海外店舗が5店舗減と大きく減らしておりますが、売上減少の要因としてはECですね。こちらはモール・自社EC共に減少。AT・TTなどの比較的新しいショップに関しては店舗・EC共に売上が増加。こちらの店舗数は増やしておらず、23年1月期の業績悪化から国内でも出店攻勢はやや控えている様子。業績が安定してきた事、インバウンド効果もあり店頭回帰が見られる事から、次のシーズンはまた国内の出店は増やしてくる可能性はありそうですね。EC比率は元々高い企業なので、EC売上に関しては適正と言えば適正な感はありますが、できれば自社ECは伸ばしていきたいところでしょう。側から見ておりますと、評価制度や販売手法が要因で売上が店頭に偏りやすくなっている気はしますが。直近の話題は北米事業の立ち上げでしょうか。一部の国内デザイナーズブランドの中には、海外からの需要もありますので、品揃えをどうしていくのか?は気になるところですね。現状でも、ECにて北米からの受注もあるのではないかと思います。

■しまむら

24年2月期上期

売上:3168億3800万円(23年上期:3013億4800万円)

EC売上:31億円(23年上期:16億円)※自社ECのみ

引き続き売上・営業利益共に前年同期比を超えているしまむらは相変わらず絶好調な様子。売上を伸ばしつつ在庫は減少。キャッシュも大幅に増えており、キャッシュフローは盤石ですね。上期だけで店舗は15店舗ほど増えておりますが、しまむらやアベイルは店舗数をやや減らしており、バースデイで11店舗増、シャンブルで2店舗増とこちらが要因ですね。

全ブランドにて売上で昨対を超えており、粗利率もほぼ変わらない状況。EC売上もやや増えておりまして、半期で31億円の売上との報道。店舗受け取りの比率は88%と、まだまだ高い比率を維持しており、店舗に来店されたお客様が別の商品を購入される確率は4割とのこと。しまむらの売上からするとEC比率は1%にも満たないので、まだ店舗受け取りの比率は維持できそうですが、EC売上が高くなればなるほどこちらの率は維持し辛くなるでしょう。ブランドの展開は相変わらず近藤千尋さんや星玲奈さんなどプチプラ系で有名なインフルエンサーを活用。

しまむら ブランド

(オリジナルブランドこんなにあったんか…。)

https://www.instagram.com/_flash_blue/

mysa closet

SEASON REASON

インレッド・リンネルという宝島社がっつりのコラボも。(しかもモデルには高橋あいさんを起用)

田中里奈さんや高橋あいさんを見ると、初期のWEARのランキングのようですね。(田中里奈さん、isn’t sheはまだ継続しているようで凄いっすね)

https://www.instagram.com/rafraf_official/

こちらのブランドはRiliともコラボしてますね…。D2Cブームで一時期盛り上がっていたブランドが、しまむらとコラボしているのはなんか不思議な感じします。しまむらの店舗数考えたら、1発のコラボでも結構な流通量にはなりそうですが。しかしプチプラで出てくるインフルエンサーの顔ぶれ、どのショップでもそこそこ共通してますな…。

SNSのフォロワーが多い方をメインに起用はしているものの、LINEのチラシ然り、まずは店頭に送客しようとする運用も変わらずですね。(直接、ECのURLへ飛ばさず、公式サイトのチラシのページに遷移)オリジナルブランド公式のInstagramにすらオンラインショップのURLは貼られておりません。トラフィックをむやみに増やすと、店舗受け取りの比率はちょっと減りそうな気もしますからね。

型数の展開に関しても運用が大きく変わっておらずで、まだまだ絞った状態でしょうか。型数が大幅に増えてこない限り、そこまで大きくEC売上が伸びることも無さそうです。

■ユナイテッドアローズ

24年月3期上期

売上:610億1400万円(23年上期:574億5300万円)

EC売上:137億5000万円(23年上期:131億1300万円)

EC売上内訳:自社EC 49億3600万円・他社モール 88億1400万円(23年上期:自社EC 45億6300万円・他社モール 85億5000万円)

23年通期で大幅な改善を見せたユナイテッドアローズですが、この上期も増収増益を達成。インバウンド効果もあり、主に都心部で回復。会員向けプログラムの刷新による費用が嵩んだ為、やや利益は削られたとのこと。(約4億円程度)確かに販管費率が昨年通期(46.7% → 49.5%)から大きく悪化していますね。

その他、UAの利益率減少の要因としては、クロムハーツ事業の除外があったようですが、それ以降での粗利率では最高水準とのこと。時系列で見ると、2018・2019年の粗利率は51.5%程度あったのですが、 この上期は52.4%と、2016年(52.6%)の水準にまで戻しております。

ECに関しては前年同期比で105%の成長。今年度は内訳も出ておりますね。自社ECの比率は徐々に高くなっており、モール依存から脱却中でしょうか。(コロナ前の2020年2月期決算時は自社EC比率が21%程度) 成長エンジンであるCITENに関しては現在5店舗+ECと、まだそこまでの出店攻勢はかけておらず慎重に動いている様子。引き続き調子が良くないcoenですが、こちらはMDを改善中とのこと。 この9、10月は平均気温も高く、各社業績を落としているでしょうからその成果が見えてくるのは春夏が終わった1年後くらいでしょうか。昨年から全体的にMDの改善には着手しているようで、在庫やキャッシュフローを見る限りは改善が進んでいる様子。直近でもキャッシュフローはさらに改善されていますので、coenがどこまで改善されるのか?とCITENの成長が注目ですね。

会員プログラム

注目は冒頭でも言及しております会員プログラムでしょうか。ポイントを「マイル」に変更し、購買以外の活動でもマイルが貯まるよう改善。ポイントもクーポンに交換できるなど、最近流行りのリワードプログラム の導入を進めていく感じでしょうか。アパレルでは過去から店頭で会員ランクを設定して、ランク別に施策を分ける、というような取り組みはよくされていたかと思います。(百貨店だと館側が売上管理していますから、 ランク別の顧客名簿はすぐに出してくれていました。)それがWEB上でも更に改善が進み、ここに来てややトレンドになっている印象を受けますね。

 

今回は3社ピックアップしておりますが、こちらも前回と傾向は大きく変わらず。インバウンド含む店頭の売上改善により、どの企業も業績は回復。(TOKYO BASEは海外店舗撤退、しまむらはそもそもずっと好調、UAはMD改善とそれぞれ改善に向かった方向性はやや違いますが)ECはコロナ禍で上がり過ぎたEC比率が徐々に下がっているものの、自社ECの比率は高めている様子。出店は抑制しておりますが、成長の余地があるブランドだけは積極的な出店が見られます。秋冬は気温の推移が異常だったこともあり、どの企業も業績が落ちたのではないかと思います。11月中旬以降、気温がグッと下がってはいるものの、前半の負けを取り返せるか?はかなりハードルが高いでしょう。余った在庫を値引きして消化スピードを上げるしかない企業も出てくるでしょうから、昨年より粗利が削られる可能性はおおいにあるかと。次年度のMDに頭を悩ませる方も多いでしょうから、お困りの際はマサ佐藤氏にご相談されることをお勧めします。(12月13日(水)に渋谷にてマサ佐藤氏の無料セミナーが開催されます。聴講希望の方は、下記リンクよりお申し込みください)

12月13日渋谷にて、繊研新聞社様主催無料セミナーを開催致します。

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