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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますm(__)m。
今年1発目の記事は、秋冬商品の最終消化に関することをお話していきます。昨年の12月13日に、繊研新聞社様主催で、私の無料セミナーを開催致しました。その際に、お話させて頂いたのは、商品分類の重要性に関する内容でした。その際に、適時における分類の重用性をお話したのですが、基本的に、アパレル・ファッション小売業の商品には、”賞味期限”があると考えた方が良い!という話を、私はよくさせて頂いています。今シーズンは”超”のつく暖冬で、秋冬商品の在庫がだぶついている組織が多くあるのでは?と推測されますが、例えば、秋冬商品の販売終了日を2月28日(1月31日でも良い)と設定しておけば、具体的にどのくらいの在庫がだぶついているのか?ということを、数字で表現することができます。
話を少し変え、私は基本的に、MDにおける数値管理(OTB管理)は、月次ベースで行った方が良いと考えています。商品分析等は、毎日行うべきですが、OTB管理等を週ベースで行った場合、作業量の増大というデメリット以上のメリットが得られることがないからです。しかしながら、秋冬商品の在庫が多く残っているからといって、むやみやたらにセールを拡大することで、必要以上の粗利を喪失したり、見栄を張りセール施策を抑制することで、多くの在庫を残してしまわない為にも、最終消化の計画は週単位で作成し、数字の推移を追い、素早く行動することこそが、売上・粗利の最大化と在庫消化の促進に繋がります。ということで、今回の記事はある架空の組織を例に、秋冬商品の在庫消化計画を作成し、週ごとに推移を追い対策を立てることが重要だ!ということを、以下お伝えします。
以下、架空の組織Aの防寒アウターを例に、その現状を記載致します。
【架空の組織A】
・防寒アウター(2月28日販売終了日)の1月の期首在庫は2000万円(原価)
・値入率65%(原価率35%)
・今シーズンは暖冬で在庫がだぶついている
・2月末での残しても良い在庫は200万円
先ず、上記の設定をみて考えなければいけないのは、売上・粗利・在庫消化の全体のグランドデザインです。
今回の設定では、1月の期首在庫が2000万円となっています。残して良い在庫が200万円となっていますから、在庫消化に必要な売上原価は1800万円となります。今回は暖冬で在庫がだぶついているとのことですから、強めのOFF施策が必要そうです。しかしながら、最低限の粗利は確保したいところです。ということで、今回は粗利率の設定を45%に設定致します。値入率65%で粗利率45%の設定となりますと、OFF率設定は36.4%となります。(OFF率の算出方法は、私の過去記事をご覧くださいm(__)m。)このことで、防寒アウターの売上目標が決まります。
→1800万円(売上原価目標)÷55%(売上原価率)≒3273万円(売上目標)
(*粗利率45%設定なので、売上原価率設定は55%になります)
となります。この売上目標が予算や過去データと乖離しすぎている場合は、修正が必要ですので、MDの方々はその点を考慮しておきましょう。以上のことで、防寒アウターの売上・粗利・在庫消化のグランドデザインが出来ました。この目標を、過去データ等を参照し、週ごとに目標設定したのが以下の図になります。
今回は粗利率の週目標をざっくりと作成していますが、過去データ等を参照し、詳細に目標設定できるのらば、そのように目標設定すると良いでしょう。上記の図①は、1週の実績が売上・粗利・在庫ともに目標数値を上回っています。このような場合は、先の見通しをアップさせ、目標以上の売上。特に粗利益の獲得を目指す必要があります。スケジュールありきのMORESALE施策や無意味な2バイ10%施策等を予定している場合は、中止する等のことが必要となってきます。
上記の図②は、1週の実績が売上・粗利・在庫ともに目標値を下回っています。このような場合は、先ずは売上の先の見通しを下方修正し、在庫が目標値を達成できるように、粗利率の先の見通しを下方修正します。そのことで、先のMORESALE等の施策やOFF率のアップ等、早めに打ち手を構築し、現場(店頭)との共有が必要となります。その際に、注意しなければならないことは、必要以上の頻度で、値下げ指示を行うと、現場(店頭)が疲弊してしまいますから、そのようなことにならないように注意することが必要です。
今シーズンは、超のつく暖冬で多くの組織が、秋冬商品の在庫増加に悩まされていると推測されますが、今回の記事が読者の皆様方に対して、少しでもお役に立てれば嬉しく存じます。
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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