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Shopifyのストア分析を使った課題解決方法②

Shopifyのストア分析を使った課題解決方法

前回はShopifyのストア分析を活用して、分析からどのような課題解決が可能か?を事例を用いて解説しました。本日はその続き。現場で求められる分析手法から、施策をどう立案するのか?について他の事例を見てみましょう。

■OMOの評価方法

店頭とECの融合、という事でO2OなのかオムニチャネルなのかOMOなのかよくわかりませんが、EC界隈ではよく使われております。そんな小難しい言葉の定義はどっちでも良いのですが、現場におりますと「ECの売上を伸ばしたい」という要望に当然ながら収斂されていきます。そこから前回のように新規・リピーターのどちらを伸ばすのか?というお話になりやすいのですが、新規の入口はどこになっているのか?を確認したい時に、「店舗」の初回購入はどう確認したら良いのでしょうか?

その場合、ストア分析にて「顧客タイプ」「販売チャネル」「顧客名」を選択すると店舗(販売チャネル)での新規・リピーター(顧客タイプ)が抽出可能です。これはスマレジ連携などで店頭売上のデータがShopifyに取り込まれている事が前提となります。

Omni Hub スマレジ会員連携アプリ

それさえ出来ていれば、上記のようなデータはとても簡単に抽出可能…、ではあるのですが問題はここからです。先述しましたように、「新規の入口が店舗」であった顧客にECも使って頂きたいという思いは、EC担当であれば誰しもが考える事でしょう。では現時点でどの程度の人が店頭で購入された後、ECで購入しているのか?そしてその数字をもっと高めたい場合はどうしたら良いか?について書いておきたいと思います。(このままでも確認できますが、めちゃくちゃ時間かかります。)

■どう計測したら良い?

まず、初回購入が店舗のお客様の2回目以降の購買がどのチャネルなのか?を抽出する方法から。まずは先ほどのストア分析のデータをエクスポートして、BigQueryに取り込みます。その後の手順は下記になります。

①顧客タイプが「First-time」且つ、販売チャネルが「Omni Hub スマレジ会員連携アプリ」の顧客名と売上データを仮想テーブルで抽出

②顧客タイプが「Returning」の顧客名・販売チャネル・売上データを仮想テーブルで抽出

③ ①と②で顧客名が共通のデータだけをJOIN

こちらを実行すると、初回購入が店舗だったユーザーがリピーターになった際にどのチャネルを使い、どの程度の購買行動を起こしたか?がわかります。(商品名も抽出可能です。)

あとは上記データをスプレッドシートに移して、フィルター使いながら活用するとOK。では、次にこのデータを使ってどう施策立案したら良いのでしょうか?

■店舗のお客様にECを使って頂くにはどうしたら良い?

こちらに関しては皆様、普段から施策立案はしているが実行力が無いというケースが多いのではないでしょうか?よく使われる事例を見てみましょう。

◯店舗で購入されたお客様に、

・モバイルアプリのインストール推奨(会員証の機能・ポイント管理)
・LINEの登録
・メールアドレス取得(その後、メルマガ配信)
・スタッフ用のチャネルトークのURLをお知らせ(ショップカードを活用)

※登録して頂くとECで使えるクーポンを進呈する事が多い

というものが多いでしょうか。(チャネルトークの活用はあまり無いかもですね)要は、店舗で購入されたお客様に次の提案をする為、個人情報の取得を徹底しましょうという流れです。これは購入される際のレジでのオペレーションをどれだけ徹底するか?にもよりますし、その前段階の接客レベルにも結果が左右されてしまうでしょう。商品や接客に満足して頂ければ、その後のプッシュで購買して頂ける可能性は当然ながら高くなります。そんな訳なので、EC担当者だけの力ではどうしようもない事があります。

チャネルトークは店頭スタッフとのやり取りになりますが、既にサイズや好みを把握している販売スタッフからのオススメであれば、ECのURLで商品を推奨されても比較的買いやすいでしょう。チャット用のURLを店頭でお知らせしつつ、スマートフォンの画面にブックマークして頂ければ最高ですね。Appifyとチャネルトークの連携なら、スタッフからのチャットをモバイルアプリのプッシュ通知でお知らせする事も可能なので、信頼関係があるならそちらも使えそうです。

店頭とECの連動は、このようにデータをしっかり取得していれば効果検証もやりやすいのですが、そうでないショップもまだまだ多いです。Shopifyはそれを比較的安価で実現してくれるので、データを計測する側としては非常にありがたいでですね。OMOのような横文字は上層部の方々が大好きだから、具体的な施策が何かわかっていないままに指令が出てしまい、何となく手をつけているケースもあるでしょう。そんな時に上記の方法を活用して頂けましたら、効果検証は簡単にできます。まだ検証していない方々はぜひ参考にして頂ければ幸いです。(ご相談はこちらから。)

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