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先日、ミウラタクヤさんがShopifyのストア分析で見るべきポイントを挙げられておりまして、
ECサイトの分析って難しい?
実は抑えるポイントは4つしかない。
小規模は4つのポイントをまず抑える。売上を上げるために見るべき指標を
話しましたのでチェックください。▼shopifyで(以外でも)見るべきストア分析https://t.co/5j6nwxBODd pic.twitter.com/rmjjggdwIL
— 三浦卓也@ひとりEC著者 (@miuratakuya_hac) March 5, 2024
仰る通り、Shopifyのストア分析を使えば様々な分析が可能でして、これがもうめっちゃ優秀な訳です。筆者も以前、どのような分析ができるのか?についていくつか記事を書いておりますので、使い方に関しては下記をご覧ください。
今回はこちらの応用編で、分析からどのように課題を抽出→施策立案まで持っていけばいいのか?について、1つ事例を用いて解説したいと思います。
Shopifyのストア分析では、購買ベースで新規・リピーターを判定してくれていまして、これがすぐ見れるというのがとても便利なのですが、更に秀逸なのは「参照元別」(検索からなのか?instagramからなのか?メルマガからなのか?のようなデータの事です。)や「UTMパラメータ別」で確認できる上に、どの商品が何点売れて売上が何円だったか?まで追えるところです。この機能を活用すると、年間計画を立案する際の精度が非常に上がります。この機能を活用すると、
◯WEB広告経由売上 1000万円(新規売上 750万円・リピーター売上 250万円)
◯広告費 400万円
みたいなデータはすぐ出すことが可能です。やり方としては、
ストア分析→(何でも良いのですが)商品別の売上にて
「顧客タイプ」「UTMキャンペーン名」「注文数量(正味数量)」「純売上」「注文管理」などを選択。
これで、どの広告キャンペーン経由で新規が何件・何点・何円購入したか?が追えます。
このデータ、そんな簡単に出せるものでは無いのですが、Shopifyでは広告にパラメータを手動で付けておけば、すぐ出せてしまいます。Googleアナリティクスのユーザー判定は1st Party Cookieがメインなので、Safariユーザーは1週間で削除されてしまいますし、購買ベースではそもそも新規・リピーターの判定はしておりません。BigQueryにデータを送り、Cookie ID or User IDで購買データを抽出。期間中複数の購入があればリピーターとして判定する、というやり方を取るか、カート側が初回購入者を判定するデータを出力している場合はそれをデータレイヤーで拾い、GA4に送信するというやり方も取れる可能性はあります。
また、いつも書いておりますが、注意点としてはGoogle広告をお使いの方はパラメータ付与に自動タグを使うことが多いのですが、Shopifyのストア分析では自動タグを検出しませんのでその点のみご注意ください。(Paid Searchなら全て「search」としてカウントされてしまいます。)
次年度、売上を更に1000万円伸ばしたい。という場合、単純に同じ程度の金額が必要になるという事ですから、上記の事例だと広告予算に+400万円計上する必要があります。もちろん、アパレルECなら雑誌掲載などがあったり、店舗出店があると広告効果は上がりやすいですし、予想以上のヒット商品があっても同様です。しかし、年度がスタートする前からそこまで細かい予測は不可能なので、まずはこれらを材料として計画を立てるのが良いでしょう。その後、月毎に販売施策を立案し、それが前年度とどの程度の差分があるか?を考慮しながら微調整をかけてください。
上記の手法は、instagramのようなSNSでもパラメータさえ付けておけばすべて追跡可能。SNS広告の場合、皆様手動でパラメータ付けているでしょうから、大体追跡できております。
(広告費はどの程度使えば良いか?はこちらをご参考までに。PL管理していないと算出は難しいかと思います。)
現場ではそんなに珍しく無いのですが、上層部から降ってきた売上計画に対して、何となくで予算組みしているケースは実際にあります。しかし、その売上目標を実現しようと思うと、どの程度の経費が必要か?はECこそ定量的に算出できるものです。問題は、その算出方法も過去データをしっかり取得していればこそなので、まずは自店が適切なデータを取得できているのか?は予め確認しておきましょう。新規・リピーターの判定は、もちろん他のサービスでも提供されているのですが、Shopifyの良いところは「そもそも最初からカートに備わっている」という点ですね。参照元別で新規・リピーターのデータが勝手取得できている、という時点で既に予測の精度は格段に上がりますから。次回はこの新規・リピーターの判定を用いて、分析→課題抽出→施策立案の他の事例をご紹介したいと思います。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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