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EC限定MDは是か?非か?

★EC限定MDとは?

ここ最近、様々な企業の方々の話す機会が増えているのですが、その際にチラホラ耳にする話があります。それは、EC限定のマーチャンダイジング(以下MD)が必要か?という話です。実際に、既にそのような試みを始めている企業も数多くあります。ECが発達する前から店舗限定商品のような試みも多くありましたし、実店舗の坪数をベースに、広さごとにMDを分類?している組織もあります。


しかしながら、今回取り上げるEC限定のMDというのは、通常ラインのMDが店舗限定商品を開発するのとは別に、EC限定専用のMDが着任し、その他必要な人材を揃える!ということになります。同じ屋号のブランドの中でも新たなブランドを立ち上げる等のことも、これまで多く行われてきていますから、EC限定MDは、そのことと同義だと捉えてもよいかもしれません。

★EC限定MDのメリットとデメリット

では何故、EC限定MDを立ち上げる必要があるのでしょうか?その理由で一番大きいと考えられるのは?”ECプラットフォーム側の要望”ではないでしょうか?昨今、ECの売上が頭打ちになっている組織が多くなってきているという理由から、ECプラットフォーム側も売上の起爆剤としたい!という思惑があるのでしょう。ECプラットフォーム側は、基本在庫リスクを負う必要がありませんから、ECプラットフォーム側から見れば、このような要望は真っ当とも捉えることができます。

では、MDアドバイザーという私からの視点で、EC限定MDを発足させるメリット・デメリットを考えてみます。先ずはメリットです。

〇メリット

・ECでしか購入できてないというプレミアム感。
・受注予約商品を増やす等の実験的な試みを増やすことができる。
・上記で得られたデータを、先の商品計画に活用することが可能となる。
・若手のMD・バイヤー職への登用→メンバーの硬直化を防ぐ。

他にあるとは存じますが、上記のことがメリットして考えられます。特にこの中で、私が個人的に重要だと考えるのが、若手のMD・バイヤー職への登用です。先日、弊社のブログで転職コンサルタントの働くMAMEくんが、アパレル企業から若手が去っていくことが常態化しているとのことが、記事に纏められていました。

アパレル転職/若者が去っていく企業


そのようなことを防ぐ為にも、ある程度のお膳立てがある中での、EC専業MDの立上げは、若手の人材登用に関しては、メリットが大きいと考えます。次はデメリットです。

〇デメリット

・商品品番数の増加による在庫管理の難しさ。
・ミニマムロットの問題からの在庫増加の恐れ。
・(同じ屋号にも拘らず)そもそものショップ・ブランドコンセプトがブレる恐れ。
・人員増による販管費の増加。
・意思決定機関が増えることで、組織間でのいらぬ軋轢が生じる恐れ。
・特に人間関係における問題が増えると想定される。

以上のようなデメリット考えられます。デメリットを大きく分類すると、在庫問題と対人問題が増加するということになると推測することができるでしょう。

★メリットとデメリットを鑑みた上で判断しよう

EC限定MDを、MDアドバイザーである私の立場から言わせて頂くと、メリット以上にデメリットが多くリスクが高いと感じています。特に在庫の部分でのリスクは大きいです。例えば、売上50億円。EC売上構成比が25%の事業部があったとします。すると、ECの売上は12.5億円となります。当然のことながら、EC限定MDでその分の売上を全て担保するわけではありませんから、仮にEC限定の売上構成比を30%に設定した場合での売上目標は、3.5億円にしかならない!ということになります。このことを他社仕入商品で補えば、在庫リスクは減りますが、高い粗利率は期待できません。また、自社商品でも賄うと、かなり投入アイテム数を絞らない限りは、ミニマムロットをこなすことは出来ない可能性が高いですし、ミニマムを無視して発注を行えば、在庫リスクが増大します。しかしながら、メリットとして若手の登用に繋がるので、リスクを負う余裕がある企業は、チャレンジしてみるのも良いでしょう。但し、若手の人材登用という部分だけで捉えれば、新規事業案をコンペするなどの試みも有効です。現在、私は文化服装学院IMD科で、自身のブランドを立ち上げるという前提で、MDを教えていますが、かなり精度が高いと個人的にも感じているので、興味のある方は、いつでもご連絡くださいm(__)m。(以下の図は、卒業制作発表会プレゼン資料表紙)

話を戻しまして、EC限定MD自体を否定するわけではありませんし、上述したようにメリットも多くあります。だからこそ、EC限定を発足させる際は、メリットとデメリットを机上に乗せた上で、数字計画を含めた事前シミュレーションを、具体的に行うこと!このことが重要なのではないでしょうか?
マーチャンダイジング関連のサービスは、以下のリンクをクリックしてご確認くださいm(__)m

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