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前回までは、損益計算書の粗利率から仕入原価率を考察するということを、トウキョウベースの決算書の数字から検証していきました。
最終的には、ユナイテッドトウキョウの仕入原価率は、50%じゃないっすよねー?というオチでしたが(笑)
今回のブログからは、他に、損益計算書の粗利率から読み取ることが出来ること。
それは、以前も申しました。店頭・売場の状態(セールの状態)を見て取れる。ということを複数回に渡って考察していきます。
そのことを調べるには、過去数年の推移を調べる必要があります。
そして、以前も申しました通り、
上記のことが、考察する上で必要となってきますので、ご注意ください。
①の件に関しては、私の繊研新聞社さんから出版されている本の知識さえあれば、充分です。(是非お買い求めくださいm(__)m何回宣伝しとるんや(笑))
では、今回もトウキョウベース(すいません。以前調べた数字のベースがあるもんでm(__)m)の決算書から、損益計算書の数字を簡単に並べたものが下記の図になります。
ここで、皆さんにお伝えしたいことは、粗利率が高い場合は、OFF率が低め(あまりセールをしていない)の可能性が高い。逆に、粗利率が低い場合は、OFF率が高め(結構セールをしている)の可能性が高い!ということを、頭にインプットしてください。
余談になりますが、粗利率が低いと粗利高が下がり、損益計算書の営業黒字に大きな影響を及ぼします。
上記の図は、2016年2月期(2015年3月1日~2016年2月29日)から始まっています。トウキョウベースは、上場したのはこのタイミングになりますので、ここからしか決算関連資料はありません。
上記の図の粗利率。営業利益率を以下纏めると。
数字だけ見ると、営業利益率が常に10%越えという、アパレル小売りでは超のつく優良企業です。
しかし、粗利率の推移だけを追うと、2017年2月期は53.2%と高い水準ですが、2016年・2018年2月期は51%前半です。
たかが、粗利率2%程度下がっただけじゃないか?
とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、100億円の売上の組織で粗利率が2%下がると、2億円の粗利高が吹っ飛ぶことになります。
では、先述したように、2016年2018年の2月期は、セールを多くした?在庫が多かったの?損益計算書は良くても、意外に落とし穴があるの?ということを、決算関連資料から考察していきます。
まずは2016年2月期ですが、この年からユナイテッドトウキョウの出店が本格的にスタートしています。ですから、当初はユナイテッドトウキョウの原価率が、報道されているような原価率と近しいとも推測(店舗数が少ないので、必要仕入数量が少ないと推測される)されるので、2016年の粗利率が低かったといって、主力業態のステュディオスが不調という可能性は低そうです。
事実、その年の決算説明会資料には、以下のように記載されています。
”(UNITED TOKYO)立ち上げに伴う先行投資等が嵩み、利益率は前期比低下”
そして、粗利率が高かった2017年2月期の決算説明会資料には、以下のように記載されています。
”(好調の要因として)業容拡大とUT認知度の向上により売上が拡大、STプロパー消化率(注)上昇で粗利率改善、EC化 率増加で販管費率が減少したことによる”
と書かれています。また、トウキョウベースはEC比率が40%弱とされていて、他社に比べ販管費率が低いのも、実は大きな特徴です。このことが高い営業利益率を支えています。
最後に2018年2月です。この粗利率の低下の要因は何なのでしょうか?流石に、損益計算書を並べただけでは考察ができません。
本来、上場企業であれば、IR情報で、月次の売上報告に既存店の客数・客単価の指数が記載されているのですが、トウキョウベースは公開していません。このことが、わかると現場(店頭)と商品を結び付け考察が出来るのですが。。。
_| ̄|○と落ち込んでいると💡決算説明会資料には、1年単位ですが、トウキョウベースは、なんと💡親切なことに、客単価の金額を記載してくれているじゃないですか!!それも事業部別に丁寧に。。。
次回はこの情報と、粗利率の推移を結び付け考察していきます。
では、また次回m(__)m
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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