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以前、上記のような記事を書いた事があるのですが、昨今MAの普及やメルマガサービスの充実から、さらに細かい分析を求められるようになってきました。そこで今回は前回の補足と、新たに細かく分析するならどうしたら良いか?について書いておきたいと思います。
前回はここに触れていないのですが、一番最初に確認するならこちらになるのでしょうか。サービスによっては取れない数字もありますし、開封率に関してはiOSの影響を相当受けるので個人的にはそこまで重視はしていません。傾向はつかめると思いますので見ておいた方が良いのでしょうけど、経由セッションやエンゲージメント率でも傾向がわかるのでそちらを見ておくだけでも問題ないかとは思います。
また、Dotdigitalのようなサービスをお使いの場合、メルマガ内のヒートマップも確認できますので、そのような機能が備わっているなら重宝するでしょう。
メルマガを自動化する際、シナリオごとの効果検証をする事になるのですが、これに関してはutmパラメータの付け方次第でGA4で簡単に検証可能です。campaign sourceにシナリオ名を、campaign mediumにemailという文字列を設定しておくと、デフォルトチャネルではEmailにデータが格納されつつ、参照元メディアではシナリオ別の効果を確認する事が可能です。配信する順番はcampaign nameなどで識別しておくと個別での検証も可能ですね。klaviyoならサービスに紐づいている分析ツールに既に検証用の画面がありますので、サービス側で確認しても良いでしょう。
アパレルだとよく使われているのがメルマガ新規登録者へのシナリオでしょうか。
会員特典をお知らせしたり、どんな商品展開やサイトコンテンツがあるのか?のご紹介などなど。めちゃくちゃ経由売上増えるか?と言われますとそうでもないのですが、なるべくユーザーに興味関心を持ってもらったり、再訪を促進するなら自動化しておくに越した事はないでしょう。
Emailの細かい運用を実行すると必ず出てくるのがセグメント配信。顧客データにタグを付与してセグメントし、共通のセグメントに対して効果的な配信を実行する事で運用の効率や精度を高める事ができます。Shopify FlowのようなMAを導入している場合、顧客へのタグの付与からメールの配信までを自動化する事も可能なので、担当者の手を煩わせずとも最初の設定さえしっかり練っておけば勝手に成果が上がる事もあるでしょう。
問題はそのセグメントの顧客数が増えているか?セグメントの売上が伸びているか?を検証する事ですが、これもklaviyoをお使いなら既に分析用のカードがありますね。Shopifyなら注文データにタグが付いていますので、手動でやや手間がかかりますが一定期間の注文データをBigQueryにアップロードし、タグ別での売上データを出せばセグメントの成長は確認可能です。
とあるセレクトショップでは、特定のブランド群を購入しているユーザーが自社オリジナルを購入してくれる確率が高い、というデータがあるようなので、その場合セグメントの成長は非常に重要なKPIになりますね。(重要な重要業績評価指標ってなんやねん)
これは以前の記事にも記載しておりますが、「新作入荷」「再入荷」「セール/クーポン」「ランキング」「レコメンド」など、普段配信するメールの種別によって検証する方法。結局、無難な提案・訴求が効果高かったりしますので、普段計測していても記載した通りの訴求内容で経由売上が増える事が多いです。
これらの内容はサービス側で自動生成するケースも多いので配信の際は何もする必要がない事があるのですが、検証する際はGA4でutmパラメータのルール設定が必要になります。(もちろんサービス側で検証できる事も多いです。)
結局、一番効果を見たいのがこちら。再訪は促進できたのか?と顧客育成はできているのか?ですね。これの検証方法ですが、累計訪問に関してはGA4で検証可能です。事前準備としては、ga_session_numberをカスタムディメンションに登録。これで累計訪問回数別にユーザーをセグメントできます。(もちろんITPの影響は受けます。)
また、メルマガ経由でどの程度累計購入回数が増えたか?も見たいところですね。筆者はこれに関してはShopifyでしか検証した事がありませんが、ストア分析のデータから参照元別での購入回数の推移は確認が可能です。
(以前にそんな感じの記事書いてますね。)
こちらでメルマガ経由の累計購入が検証できますし、utmパラメータのルールさえしっかり設定しておけば、細かいセグメントでも効果検証が可能です。
いくつかメルマガの効果検証方法を書いてみましたが、サービス側が分析用のデータを出してくれるのは運用者にとって非常にありがたいですね。確かにGA4やBigQueryで検証は可能ではあるのですが、使い方がわからないとそちらを覚えるのに時間がかかりますから、忙しい担当者からするとそんな事やってられないでしょう。注意点としては、サービス側で出すデータとGA4で出すデータは、計測のロジックが違う事もありますので数字が全く同じになる事はほぼありません。なので、併用している場合はその前提でデータを見る事をお勧めいたします。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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