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アパレルMDが押さえるべき顧客視点の重要性と付加価値の見つけ方

★商品の価格と商品の付加価値を考える

先日の記事で、商品の価格に関する記事を執筆いたしました。

原価高騰を乗り切る価格戦略と顧客視点の重要性


先日の記事では、(値上げを含めた)商品の価格設定を行う上で、顧客視点に立ち、商品の付加価値を考慮することの重要性について述べました。その好例として挙げられるのが、ニトリの「お値段以上ニトリ」というキャッチコピーです。この言葉があることで、MD(マーチャンダイザー)は常に顧客にとっての付加価値を意識しながら、商品開発や価格設定を行う必要性が生まれます。

★お客様が商品に付加価値を感じる部分とは?

これまで私は、自身のMD講義の中で、粗利益=付加価値と捉え、顧客は商品のどのような部分に付加価値を感じるのか?を、受講者の皆様方と議論を重ねてきました。これまでの私のMD講義では、「粗利益=付加価値」という考え方を基に、顧客が商品のどのような点に付加価値を感じるのかについて、受講者の皆様と深く議論してまいりました。その議論の中で、アパレル・ファッションの商品において、顧客が付加価値を感じる要素として特に多く挙げられたのが、以下の2点です。
〇トレンド・デザイン性
〇汎用性・利便性
それでは、それぞれの意見の中身を簡単にご説明いたします。

〇トレンド・デザイン性

トレンドやトレンドに基づいたデザインは、ファッションにおいて不可欠な要素であり、特に女性にとっては重要なポイントです。女性には、個人差こそあれ、周囲に可愛らしく、あるいは綺麗に見られたいという願望が多かれ少なかれ存在します。そうした願望を満たす上で、ファッションにおけるトレンドやデザイン性は非常に重要な役割を果たします。しかしながら、トレンドというものは多くのブランドやショップが常に意識しているため、ともすれば付加価値というよりも、もはや商品の基本的な価値の一部となっている場合も少なくありません。だからこそ、単に商品を提供するだけでなく、試着体験を通じて特別な価値を提供したり、ショップの販売員による丁寧な接客といった、人的な付加価値もまた、重要な要素となってくるでしょう。

〇汎用性・利便性

洗濯してもすぐに乾く、素材が伸びて動きやすいといった機能性や、3通りの使い方ができるといった多様性、あるいはどんなコーディネートにも合わせやすいといった着回しやすさ。これらは、お客様が商品の汎用性や利便性に対して付加価値を感じる際に多く挙げられる要素です。別の視点から見れば、お客様が日々の生活の中で感じているちょっとした不便を解消してくれる商品にこそ、付加価値を見出していると言えるかもしれません。しかしながら、現代においては、汎用性や利便性といった要素も、もはや付加価値として特別視されるのではなく、商品の基本的な価値として認識される傾向が強まっています。そのため、そうした基本価値に加えて、さらにプラスアルファの付加価値を商品に与えていく必要性が高まっていると言えるでしょう。

★弊社の付加価値とは?

さて、話題は変わりますが、MD(マーチャンダイジング)アドバイザー業を営む弊社にとって、お客様に提供できる付加価値とは一体何でしょうか?この点について、改めて深く掘り下げて考えてみたいと思います。私自身の仕事における弱みを率直に申し上げますと、「決して頭脳明晰とは言えず、物覚えが悪い」という点です。そのため、販売員として働いていた頃や、MDについて学び直していた時期には、上司によく叱責を受けました。


しかし、この弱みを逆手に取れば、「仕事の飲み込みが遅い人の気持ちが理解できる」という強みになります。だからこそ、現在の仕事においては、専門用語のような難しい言葉を極力避け、誰にでも分かりやすく、そして相手が理解しやすい言葉で説明することを常に心がけています。また、一度でなかなか覚えられない方に対しても、様々な角度から、根気強く丁寧に伝えていくことを意識しています。このような、私自身の経験に基づいた姿勢こそが、弊社のお客様にとっての付加価値の一つになっているのではないかと、考えるようになりました。このことは、私が「弱み」だと思っていたことが、顧客の視点から見れば「強み」に変わる、という例になるのかもしれません。

話を商品の付加価値という点に戻しましょう。その際、最も重要なのは顧客視点を持つということです。さらに、(ブランドやショップの)コンセプトに基づき、どのような顧客をターゲットとするのかを具体的にすることも不可欠です。なぜなら、作り手側の意図する付加価値が、必ずしも顧客にとって価値あるものとは限らず、場合によっては全く不要なものとして認識されてしまう可能性もあるからです。今回の記事が、マーチャンダイザーの皆様が商品の価格設定を行う上で、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。

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