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前回までのブログで、ストライプインターナショナルのAIによる在庫削減は、AIでなく人で解決できんだろ!ということを書きました。
今、アパレル・ファッション業界では、在庫過剰問題が盛んに言われる中で、AIに期待されている最たるものは、MDの仕事。とくに数字部分のコントロールであるようです。
このことをマーチャンダイジングの仕事において意識すべきこと。5適で言えば、とくに”適量”になるのでしょうか?
私は、テクノロジーがからっきしダメな”アナログおじさん”になるので、偉そうにAIについてのことは、語れませんが、現状のAIでも、商品の追加発注の数量予測などは、最早簡単に行える筈です。
しかしながら、MDにおける数字面の仕事を全てカバーするのは、現状ではまだまだ難しいですし、ストライプインターナショナルが言っているようなことは、前回ブログでも申しましたが、AIがどうこう言うよりも、そもそも、人で解決できる問題です。
では、何故まだまだMDの数字面の仕事は、すぐにカバーできないと私が感じているのか?を以下。簡単に独断と偏見で纏めると?
・MDの数字面の仕事は、売上予測・粗利コントロール・仕入管理等複雑に絡み合う。とくに、仕入管理は、取引先の多さ。安定しない納期。金額を隠したがるMD・バイヤー等。人為的なイレギュラー要素が多いから。
・AIで発注予測は可能だとしても、実際に店頭で商品を展開するまでに間があり、その間に顧客心理が変わっていれば、売れない。
・AIの特徴はディープラーニング。しかし、UNIQLO等優良企業のデータは自社でしか使わない筈なので、元々の管理が杜撰な組織の場合、AIが自社の杜撰な管理をベースに、ディープラーニングすれば、暴走する可能性さえある。
等が考えられると思います。
では、今MDの部分で言えば、どのようなことがすぐにAIが活用できるのか?というと。。。
例えば、酒井聡さん率いる、ファッションに特化した人工知能を開発・展開するベンチャーの㈱ニューロープは以下のようなサービスを提供しています。
”アパレル廃棄問題に一石を投じる『#CBK forecast』、AIでSNSなどの画像からアイテム50万点以上を分析する – 株式会社ニューロープ ”
このことを簡単に言うと、過去・現在の大量に投稿されるSNSの画像をAIが分析し、定量データとして、小売り・卸等にその情報を提供するサービスです。
昨今、トレンドやスタイルの多様化で、以前のようなコレクション分析等に沿うような、先の需要予測は、中々効果を発揮しにくい時代になってきました。
ということは💡各ブランド・ショップの特性にあった具体的な情報をより求められる時代になった!ということです。
上記のようなサービスは、その組織それぞれに合ったMDにおける”適品”。そして、月・シーズン・年のディレクションMAP作成を数字化する、”適量”の仕事に活かされることになる筈です。
このような情報が気軽にとることのできる時代になれば、こういったサービスは更に拡大するでしょう。
また、私が個人的に。期待できる思っている部分は、
アパレル・ファッション業界では、毎年のように、
”今年は暖冬で冬物アウターが売れなかった。業績が下がった”
との文言が、定型文のように記載されています。
仮に、上記のようなAIのサービスに、更に気温の情報が精度が高く絡まれば、MDの仕事の部分で密接に絡む、”適時””適量”の部分の問題が少なくなり、それこそ過剰な仕入を抑制できる期待が高まります。
そして、AIのディープラーニングの機能を活かせば、自分たちのブランド・ショップコンセプトにあった、”適品”の予測。そして、展開時期を左右する”適時””適温”のタイミングが、具体的に解りやすく。AIが解決してくれる日は近いのでは?と私は思っています。
(ただ、使う側の人間の方こそ、ディープラーニングが必要だが。。。)
そうなれば、私の仕事もかなりの部分が必要なくなってくる!と思いますので、そのときは、腰痛を完治させ、UNIQLOで販売のバイトをしようと考えています。(笑)
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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