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今一度「春物商品のMD」を考えよう!

★気候変動で難しくなった「春物商品のMD」

新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
1月に入り、早いところでは12月から春物商品の展開が始まっています。近年の気候変動により夏が長期化し、相対的に春が短くなったことで、春物商品は販売期間の短縮や投入時期の判断の難しさが課題となっています。また、春物商品は夏セールでの消化が難しいという側面もあり、MD視点では「在庫を残したくない」という心理が働くため、展開規模はますます縮小傾向にあります。
昨年の3・4月におけるアパレル小売商戦を振り返ると、3月という早い段階から夏物商品を展開するショップが目立ちました。春物に関しても、スプリングコートや肉厚のニット、スウェットなどの展開は抑制され、代わって4月以降も継続して着用できる薄手素材の商品が主流となっていました。この傾向からは、3・4月に最大限の売上を追求するよりも、在庫リスクを最小限に抑えたいという意識が強く働いた、各社の「守りのMD」へのシフトが鮮明に見て取れました。しかしその結果、気温が平年並み(東京の3月の平均最低気温は約14℃。最低気温は約5℃)で推移した昨年の3月は、この「守りのMD」が裏目に出たのか、売上に苦戦する組織が散見されました。

3月の気温(東京)はどうだったのか?


一方で4月に入ると、平年よりも気温が高く推移したことが追い風となり、夏物商材が好調に動いたことで、多くの組織が売上を伸ばす結果となりました。

4月の気温(東京)とアパレル上場各社の売上はどうだったのか?

★「春物商品」の適時分類を改めて考えよう

すでに春物商品の仕込みをほとんど終えられている組織も多いとは思いますが、今回は、非常に舵取りが難しい「春物商品のMD」について掘り下げてみたいと思います。
アパレル小売における多くの組織では、春物商品の販売期間(適時)を表す分類として、(特にレディースでは)「梅春」や「春」といったコードを用いていることと思います。この春物MDの精度を上げるために不可欠なのが、これらコードの定義を現状よりもさらに具体化することです。過去の記事でも言及していますが、まず重要なのは「販売終了日」を明確にすることです。
弊社のこれまでの支援データを勘案すると、スプリングコートやスウェット類は13週(3月末頃)までは活発に動きますが、14週以降は売上が急激に低下します。また、ジャケット類(使っている素材にもよるが)やロンTが動くのも18週(4月末〜GW頃)までが限界です。さらに、例年16週前後で売れ筋商品が大幅に入れ替わります。近年の4月は平均気温が高めで推移しているため、この売れ筋の変化(夏物へのシフト)が前倒しになる傾向にある点にも注意が必要です。
これらの実態を踏まえ、以下のようにコード定義を再設定することをお勧めします。
「梅春」コード: 13週までが商機の商品(コート、スウェット等)。販売終了日を3月31日と定義。*商品の投入時期も紐づける
「春」コード: 18週までが限界の商品(ジャケット、長袖T等)。販売終了日を4月30日と定義。
このように期間を区切って分類を運用することで、これまで曖昧だった「春物」の動きが可視化されます。得られた詳細な実績データをMD予算策定の基盤とすることで、在庫リスクを抑えた論理的な運用が実現します。

★曖昧な記憶でMDを組み立ててはいけない

春物MDを組み立てる上で最も注意すべきは、過去の曖昧な記憶に基づいた「抽象的な計画」を立ててしまうことです。アパレル小売にとって3月・4月は実売期にあたる(特にレディース)極めて重要な時期です。しかし、「昨年は3月が寒かったから、今年はコートやスウェットを増やそう」といった主観的で安易な判断は禁物です。今求められているのは、各商品の売上ピークを正確に見極め、「必要な商品を、必要な量だけ」適時に提供する客観的なMDです。先述したような「守りのMD」に終始しては売上低下を招くだけですし、一方で根拠のない品揃えは過剰在庫の引き金となります。本記事が、春物MDの精度を高めるために「今、何を実践すべきか」を再考するきっかけとなれば幸いです。

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