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3月の気温(東京)はどうだったのか?

★今年の3月は寒かった??

先日、私の日常を綴った(笑)記事が、意外に反響がありました。

ロンTは何故売りづらいのか?


ざっくりとした内容は、昨今の温暖化で気温の変化が激しくなってきている中、(メンズショップは)もっとロンTにスポットライトを当てても良いのでは?的な内容でした。しかしながら、今年の3月の東京は、寒かったという印象を持っておられる方が多いでしょう。事実、東京の桜の開花日は3月29日で、平年よりも5日遅れ、昨年よりも15日遅れでした。そこで私は、過去30年の3月の平均気温と今年の3月の気温を調べてました。(以下のグラフをご覧くださいm(__)m)

★今年の3月は寒暖差が激しすぎた??

以下、(3月の)過去30年の平均と今年気温を比べてみての私の所感を、以下お話していきます。

・(今年の3月は)寒い日が多かったのは事実。
→最高気温12℃以下が9日。最低気温3℃以下が11日あった。
(3月1日の平均最高気温12.3℃。平均最低気温3.3℃)
・しかしながら、(今年の3月の)平均気温は平年並みであった。
(東京の3月の平均最低気温は約14℃。最低気温は約5℃。今年の3月はほぼ同じだった)
・(今年の3月は)最高気温20℃越えが5日あった。
→特に3月31日は28.1℃。観測史上最高気温だった。

上記から見えることは、今年の(東京の)3月の気温は、平年並みではあったが、いつも以上に寒暖差が激しく(最高気温の最低が9.1℃。最高が28℃と実に20℃近く気温に差があった)、春を感じさせる天気が少なかった!とみることが出来るでしょう。3月は、4月ほどではないですが、気温の変動が激しい月となります。それでも、今年の3月の寒暖差は激しく、暑いか?寒いか?を感じる気候だったと言えます。

★上場各社の3月の既存店前年比は?

では、そんな寒暖差がかつてないほど激しかったこの3月、上場各社の動向・既存店前年比はどうだったのか?を、以下記載致します。因みにこの3月は、アダストリアの資料に記載がありましたが、昨年に比べ休日が2日多かったことで、アダストリアは既存店前年比に3.4ポイントプラスの影響があったと試算しています。

・ファストリテイリング 98.5%
・しまむら 101.1%
・アダストリア  99.2%
・バロックジャパンリミテッド 90.6%
・三陽商会 96%(全社)
・ユナイテッドアローズ 104.6%
・TOKYO BASE 103.9%

バロックの悪さが際立ちますが、読者の皆様方が思うよりも、3月の売上は悪くなかったようにみえます。しかしながら、上述したように、今年の3月は、昨年よりも休日が2日多いので、やはり思ったよりも売上が伸びなかった_| ̄|○というのが各社の本音でしょう。特に気温の影響は、各社とも大きかったようで、各社以下のように発信しています。

・ファストリテイリング「3月は、月を通して気温が低く推移し、春物商品の販売が伸び悩んだことで、既存店売上高は減収となりました」
・しまむら「当月度は、全国的に気温が低く推移し、春・初夏物が低調でした。一方、夏物は好調で、特に子供アウター衣料で打ち出した”ベビー・キッズフェア”は集客に効果的でした。」
・アダストリア「月を通して平年よりも気温が低く、上旬は販売が伸びませんでしたが、中旬以降に気温が上昇するとともに春夏商品の販売が堅調に推移いたしました。」
・バロック「3月は前年に比べて気温が低かったため、春物商品の稼働が減速し、既存店売上が前年を下回りました。」
・ユナイテッドアローズ「全国的に低気温の日が多かったものの、メンズでは春物アウター、スーツ、ジャケットなどの重衣料に加えてシューズ、バッグなどが、ウィメンズではシャツ、カーディガン、パンツ、スカートなどの中軽衣料に加えてバッグの動きが目立ち、既存店売上高は前年同期を上回りました。」

上記の文言をみると、各社ともに気温の件に触れており、特にこの3月低温傾向だったことが、売上に響いたと発信しています。しかしながら、上述ブログでも述べたように、3月中旬メンズ・レディースのショップ(3月16日に深地さんとレディースのショップを廻った)を拝見する限り、今年は「在庫を残したくない!」という意識が働いたのか?夏でも展開できる商品を多めに品揃えした”守りのMD”に徹しているショップも多かったので、そのことも売上に響いたのかもしれません。ユナイテッドアローズのように3月に売上を伸ばした企業もありますから、従来通りの春の品揃えや守りのMDばかりに徹するのではなく、春商品の在庫の質・品揃えの精度を上げることが、今後の課題になってくるでしょう。

★4月以降は暑い

そして、今後気になることと言えば、4月以降の気温です。長期予報では4月以降は例年よりも高温が続くと予報されています。

長期予報(3か月予報)~日本気象協会~

今年の3月31日の最高気温が28.1℃となったように、長期予報が当たる可能性は高いといえるでしょう。今年の春商戦は”守りのMD”に徹しているところも多く見えたので、気温上昇に対応しやすいのかもしれません。それでも、3月末時点での在庫の精査を具体的に行ったうえで、販売期間が迫っている春物商品等の今後の対応を考えた上で、4月以降の暑さに対応できる品揃えを実現してほしいと存じます。

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