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このことは、マーチャンダイザー(以下MD)としてもつべき姿勢である!ということを私は確信しています。とくに、自社で企画・製造などをしている、ブランド・ショップのMDには、この姿勢が必須です。
そして、もっと言い方を悪くすると。
このようなことを書くと、誤解される販売員等実務者の方がいらっしゃると思います。
当然のことながら、販売側の力がなければ、商品は売れません。価格が上がれば上がるほど、その傾向は顕著になります。
ですが何故、マーチャンダイザーは自動販売機で売れる商品を目指すべきなのか?を、今回は以下述べていきます。
ここで、話は変わりますが、今年3度目の巨人の監督に就任した、原監督は以下のようなことを言っています。
”(選手は)信頼するが、信用はしない。”
この姿勢は、原監督の選手起用にも表れていると思いますし、責任をとる立場である監督という立場を考えれば、至極当然のことです。
ですが、私のMDに対する姿勢は、原監督とは言葉が入れ替わります。
という姿勢です。
”信用”と”信頼”。はっきり言って、同じ意味じゃないか!と思いますし、何がどう違うんだよ!と思われる方もいらっしゃると思います。WEB等で色々調べてはみたのですが、とくに皆様に伝えやすい言葉を探すのが難しかったので、私なりに何故?
”信用はしても信頼はしない!”
なのかを、以下独断と偏見で説明します。
”信”という字は、信じるという言葉によく使われます。
仕事をともに従事するメンバーを、人として信用するということは、性格の悪い私でもしますし、とくに過去一緒にMDとして関わったメンバーのことはそうでした。
しかし、MDという立場では、販売側に売上を上げてもらうことを期待しない!頼りにしない!というのが、私が感じている”信頼”しないということになります。
この業界では、売れない理由を本部の人間が、販売側に向ける姿勢が根強い業界です。
販売側が独自に掲げた目標に対して、チェックすべき立場な人が、売れない理由を、売る側視点で指摘することは間違いではありません。
しかし、MD等商品を供給する側が、売れない理由を販売側に求めるのは、それこそお門違いであり、責任放棄ともとれる行為です。
MD等商品供給側の人間が、販売側に売上の責任を求めているようでは、自ブランド・ショップの商品・品揃えの問題の本質を見抜くことなど絶対に出来ません。
マーチャンダイザーというのは、デザイナーブランドのデザイナーという目立つ立場ではなく、あくまでそのブランド・ショップの黒子の存在でしかありません。
組織として目指すべき目的・目標は、販売もMDも同じですから、販売側に対して働きやすい環境や、闊達な意見を言える場の提供をすること等も、MDの重要な仕事です。
そして、店の売上が伸びれば、それは店側の手柄でしかありません。
しかしながら、MDは最重要の権限をもっています。それは。。。
極論でものを言ってしまえば、商品を発注した時点で、1か月先、敷いては半年先の売上の半分以上が、その時点で決まってしまう!ということです。
一度、商品を発注してしまえば、もう後戻りは出来ません。
そのような大きな権限がある!ということは、当然のことながら、売上に対して大きな責任が伴うということにもなります。
だからこそ、販売側に売れない責任を求めるべきではないですし、
逆に販売側は、商品の実力自体が他社と大差はなくとも、その努力・スキルで差別化し、実績を上げることですから、商品を供給するMD側とは、目指すべき目的・目標は同じでも、その仕事の方向性は対極です。
組織としての同じ目的・目標に向けて販売とMDが切磋琢磨し努力し続けることこそが、そのブランド・ショップを強固なものとすることに繋がる筈です。
本部の椅子に座ってばかりだったり、外周りはブランド・メーカーの展示会周りだけ。
そんなマーチャンダイザーに未来はありません。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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