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この業界では、”売れる商品!”の分析に多くの時間を割いている組織が殆どです。他社等の分析も詳細に行っている組織もあります。
このことは”隣の芝生は青く見える”的な商品を増大させる可能性がありますが、
(実際は古くからその傾向にはあるが。。。)
売れる商品を分析を欠かさない!というのは間違いではありません。
何故ならば、多くの顧客が支持してしてくれた商品には、次の商品の品揃え政策を考える上で、ヒントが多く隠されているからです。
しかしながら、売れる商品を分析だけではなく、売れない商品を徹底的に分析している企業・組織がどれだけ多くあるのか?というと、実際には、この業界でそのようなことに、注力している組織は少ないのでは?と私自身は感じています。
MD・バイヤー等の仕事をしていると、売れない商品に関することには、目を背きたい人が多いでしょう。実際、私もそうです。
結果。そのような心理が働くことで、売れない商品の分析の結果は?
という、なんとも薄っぺらい反省のみに終始してしまいます。
ですが、”売れない商品を深く分析すること”こそ、私には、次の商品の品揃え政策のヒント💡となるようなことが、多いように思えてなりませんし、通り一遍の反省だけでは、また同じ過ちを繰り返す?のではないでしょうか?
では、”売れない商品”を分析することで、どのようなことを改善点として見出すべきなのかを、以下私の独断と偏見で語っていきます。
売れない商品を分析するのですから、まずは商品そのものを反省として捉える!ということは、皆さんも同じことだと思います。
例えば??
・トレンドとのずれ
・生地・色等の選定ミス
・パターン・サイズ感
・価格設定
・その他
このようなことが、分析材料になります。
ですが、売れない商品は誰が見ても、そんなのいらねえよ!となります。
重要な点は、売れない商品の中から、次回使える材料はないのか?ということを探すことです。
例えば、パターン・サイズ感がしっかりとしていれば、もっと売れた筈!というようなことを考えた方がいいですし、その場合。本当は、普段から現場に足を運び、そのような顧客の声をスピードをもって拾うべきです。
また、価格を見る場合は、ある価格に値下げしたら、急にその商品がよく売れた!なんてことがよくあると思います。要は、その価格が顧客から見たその商品の評価であり、通常の価格で売れるには、顧客にとってのどのような付加価値が欠けていたのか?というところに重きをおいて分析すべきです。
また、商品面の分析・反省よりも、もっとしなければならない分析はあります。それは、商品に関わる人々の心理面を分析するということです。
アパレル・ファッション小売の多くは、最低でも2か月前。場合によっては、1年前に発注をしなければなりません。私は常々このブログで申しているように、MD・バイヤーが発注した時点で先・未来の売上の半分以上は決まってしまいます。
だからこそ、発注時に発注者は、どのような意識をもって、その売れない商品を発注したのか?という心理こそ分析すべきなのです。例えば。
・仕入原価率を守ることが目的となり、顧客からみて不当に値段の高い商品となった。
・仕入原価率を守ることが目的となり、生地や付属で手を抜いたことが、顧客にばれた。
・発注という行為に重みを感じないメンバー同士のミーティング。
・”鉄板で売れる!”との声が飛びかう、よいしょばかりのミーティング。
・疑問を呈する人を排除する組織の体質。
実は、売れない商品を分析することによって、真に変えなければならないのは、商品だけではなく、その商品に関わる意識の問題の方ではないでしょうか?
このような人の意識の問題を浮き彫りにするには、議事録の作成や。場合によっては録音することが有効な手段となります。
このブログをきっかけに、皆さんが”売れない商品”を深く分析する。ということを意識してもらえれば幸いです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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