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”異端児”の活用が組織を良くするのか?

★組織改革がうまくいかないのは何故か?

昨今、企業が業績が悪化すると、「改革」の声が上がり、実際に実行に移すことでしょう。
この業界の多くの企業も、多分に漏れず、「改革」を実行しようとしているところは、多くある筈です。

しかしながら、一度業績が下がってしまうと、V字回復を遂げる企業・組織はごく少数で、「改革」がうまくケースは少ないように見えます。

経営陣や幹部が立派な「中期経営計画」を作成しても、変わらないのは何故か?
それは、8割以上を占める、経営陣・幹部のようなエリートではない、実際の現場でリアルに仕事する人たちに、その声が伝わっていないからです。

 

★現場の声は何故本部に届かないの?

では、なぜその声が届かないのか、理由はいくつか考えられますが、要因としては、その「改革」や「中期経営計画」の言葉、施策等にリアルを感じないからでしょう。

何故リアルに感じないのか?頭のよさそうな難しい横文字、言葉を多用していて、理解出来なかったりすることで当事者意識が持ちづらいということが要因の一つです。

そして、更にその言葉・施策が具体的でなく、「フワッと」していて抽象的であれば、より当事者意識を持つことが難しくなります。具体的でわかりやすい目標でなければ、実際に改革を実行する、8割以上の人は動かないでしょうし、ときに目標でない、抽象的なスローガンは、周囲の雰囲気を台無しにしてしまいます。

 

★現場の実務者の”やる気”を引き出すには?

では、どのようにしたら、「改革」に繋がるよう、8割以上の人をやる気にさせることができるのでしょうか?以下、私の独断と偏見で考察してみると。

・問題点がどこにあるのかを徹底的に解明する。

→実は「改革」の声を上げる上層部に属する人は、本当の問題の本質が見えていないことが多いのです。

例えば、なぜ在庫がいつも多く残ってしまうのか?

 

①商品そのものの問題で売れない。
②売上に対して、仕入が多すぎる。
③適切な売変セール施策が打てていない。
等の問題があります。更に、②の問題だけを更に分解すると、

 

②-1ミニマムの問題
②-2仕入計画等MD計画の問題・杜撰さ
②-3発注体系の杜撰さ

 

等があります。これを更に分解(例②-2-1等)すると、様々な問題が浮上する筈です。

そして、問題を更に分解し、具体的にできれば、その対応策も立てやすいことでしょう。

このように、問題の解明を言葉の使い方はダメですが、「ネズミ講」方式で徹底的に洗い出す。このことが重要です。

しかしながら、このような問題を当事者自身だけで洗い出すことは実は至難の業ということも同時に認識しておくべきでしょう。

 

★異端の存在を活用を

会社・組織が「改革」を迫れられるとき、それは「平時」ではなく「非常時」です。

歴史的みても平和な時代の「平時」と激動の時代「非常時」では、求められる人材は変わってきます。例えば、幕末の高杉晋作などは、まさに「非常時」でしか活躍できそうにない人材とも言えます。

前述のように、問題点の詳細が「可視化」できたら、その項目ごとの、新しい手段・手法はむしろ、幹部で考えるのではなく、当事者である人材に考えさせ、任せるべきです。
旧態依然としたメンバーにそのことを任せても何もうまくいかないことでしょう。なぜならば、彼らは個人としての仕事に既得権益があると考えられるからです。

そういったときに一番の力を発揮するのが、組織で「異端」と言われ続けた存在の人ではないでしょうか?今までスポットライトを浴びて来なかった、「異端」の存在に「仕事」「挑戦」「機会」そして「責任」を与えることで、彼ら「改革」の旗手となってくれる筈です。

 

★異端児の活用には注意が必要

しかしながら、この「異端」の活用にも注意すべき点があります。
そもそも、彼らは組織の中のある意味はぐれ者の存在です。当然のことながら、組織内部にも”敵”がうじゃうじゃいる筈です。そして、常にその異端児の揚げ足取りを狙っている存在がつきものです。

だからこそ、「異端児」に求められることは、自己変革が必要となります。
仕事は嫌なことから率先して行い、自分のミスは自分のミスと認めるのは当然のこととして、部下。そして、他人のミスもすべて自分のミスである!というような他者に対しての寛容な態度が求められます。

そして、今まで自分が対立してきた人との接し方も変える必要があります。
その人たちの”強み”に目を向け、持っている能力を最大限に引き出すような姿勢が求められます。

経営者が「異端児」を抜擢する際には、その「異端児」が部下の方々に、背中を見せ手本となるような仕事をしているのか?ということを常にチェックする必要があるということです。

組織が非常時という事態に置かれたとき、「異端児」の活用こそが、その組織を救う起爆剤となる!かもしれない!ということで、今回のブログは終わります。

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