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江戸時代の幼年教育で「灑掃(さいそう)」という教育がありました。
これは何かというと、掃除を徹底的に学ばせることだそうです。
これはなぜかというと、子供が成長し、リーダー・マネージャーになった時に、矢のように降ってくる、大事・難事を整理整頓し、さばいていく力を身につけさせることが目的でした。
私はこの業界に入り、販売員になった時に、当時の店長から徹底的に清掃を指導されました。今思えば、この時代では考えられないくらいの厳しい指導でしたが、その指導のおかげで「広い視野を持つ」ことが鍛えられ、磨かれたように感じます。
当時のショップのライトはLEDではなかったですから、電球の寿命が短く、よく電球が切れることがありました。電球が切れると商品にスポットが当たらないので、商品は見栄えがせず、お客様の反応に影響を与えてしまいます。ただ、広い店の数多くある電球の一つが切れたところで、それに気づくことはものすごく難しい行為です。
ただ、常日頃からの掃除で鍛えられおかげで、電球が切れるのに気づくことが素早くできるようになりました。
ここで話は変わりますが、現在このアパレル企業の組織。そしてそこで仕事に従事する個人は日々多くの仕事を抱え、こなしていることでしょう。来る日も来る日も仕事に追われ、片っ端から仕事をこなす、もしくはちょっと手をつけては次、また次といった状態に陥ってはいないでしょうか?
そのような状態の組織・人はおそらくこういうことを口にするはずです。
「忙しい。」「仕事に忙殺されている。」と・・・
芸人のゴルゴ松本さんは、「忙」という字を分解して、「心を亡くす。」ということを話していました。
だからこそ、そのようなときは立ち止まって落ち着くことが必要だと。ましては、「忙殺」ともなると、「心を亡くして、殺される。」ともとれますから、
そのような精神状態にはなるべくなりたくないものです。
会社や組織の体質自体に問題があり、仕事に忙殺されるというのは、絶対的にあってはならないことです。
しかし、私が長年体験・見てきた中では実は、常日頃から「忙しい。」または忙しそうにしている人は実は「整理整頓する力。」に欠けているように感じます。
そういときはまず一度立ち止まって、広い視野(長いスパン)で自分の仕事を一度抽出し、まとめる。小分けする。そこで、優先順位をつけ、月・週・日の目標設定を行い、実行する。そのようなことを実行するだけでも、自分自身の仕事の管理ができ、心、時には時間に余裕を持つことができ、違うことに時間を向けられる筈です。
昔、料理の鉄人という番組で道場六三郎という鉄人がいました。当時番組を視聴していたときにいつも不思議に感じていたのですが、彼はいつも料理を始める前に、お品書きを作成していました。これは彼の頭の中を可視化し、優先順位をつけることで、アシスタントとの目標の共有。仕事の優先順位をつけていたのでは?ということが今では理解できるようになりました。
現在この業界は厳しい時代とされています。組織においても目の前の目に見えることに忙殺され、組織としての問題・課題を抽出する前になんだか時間だけが過ぎていく、ふと気づくと問題・課題が更に山積みになっている。そんなことになっていないでしょうか?
もし、そのような状態になっているとしたら、まずは問題・課題点を整理整頓し、種別ごとに小分けする。優先順位をつけ、年・月・週等で目標を設定をし問題・課題点を解決していく。そのことが重要です。
最後に、まずは個人の仕事に忙殺されている方がいるとしたら、自分自身のパソコンのデスクトップ画面を確認してみてください。そこがぐちゃぐちゃになっているとしたら、そこからの整理整頓することをお勧めします。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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