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アパレル・ファッション小売業界に限らず、KPIという言葉をよく耳にすることがあります。
KPIの言葉の意味とは。。。
・KPI(key performance indicater)の略で、企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標のことを言います。
個人的には、この業界でよく見られるイキッタ感じで”KPI KPI”と連呼するような輩は、私は大嫌いなのですが、ただ企業。そして組織において、それぞれに見合った目標数値をたて、そのことを評価基準とすることは、重要なことなのは間違いありません。
アパレル・ファッション小売業界で代表なKPIと言えば、”売上”になります。ある意味、売上至上主義が蔓延っている業界とも言え、そのことによる弊害も多くあります。代表的な弊害は、売上至上主義によるパワハラです。
私は、MDは売上だけでなく、粗利益が重要。寧ろ、売上以上に重要だと、よく言っています。売上だけ良くても、粗利益が低ければ、場合によっては組織は、赤字になります。
本来、組織の本業の良し悪しは、経営的には、営業利益を重視します。
この業界における予算。そして、予算運用は稚拙な組織が多いのが現状です。しかしながら、その予算の考え方の大元が理解できれば、そのことから、各事業部・課等の組織のKPIの設定がしやすくなるはずです。
例えば、前年の売上を100として、粗利を43。販管費が40。営業利益が3の組織があったとします。そして、経営者は今年の営業利益率を5ポイントアップの8%を目指したとします。
売上・粗利益・販管費それぞれの目標数値を立て、営業利益率8%を目指すと以下のようになります。
・売上は前年の108%。
・粗利率は前年の2ポイントアップ。
・販管費は前年と同金額。
上記のような目標設定(予算)となります。
(上記の図は、単位百万円になっていますが、単位千円です。間違ってしまい申し訳ありません🙇♂️)
売上の8%を実現するには、店頭含めた販売側はどのような目標数値を掲げればいいのか?
例えば、SET率アップによる客単価等などが考えられます。客数アップも目標数値に入れてもよいでしょうが、外的要因に左右されることも多いため、その際は慎重な設定が必要です。
他に集客をアップさせるPRの仕事や、商品そのものが売れるか?売れないか?のMDは、売上を分解し、その組織にあったKPIを設定すべきです。
粗利2ポイントアップの目標は、当然のことながら、MDの目標数値になります。粗利アップの方法は?
・値入を良くする
・セールの抑制です。
この2つを更に分解して考え、どのような目標数値を掲げ、チェック・運用していくのかも、重要なこととなります。
(しかし、前期に多くの在庫を残していると、粗利率の目標達成は難しい)
最後に販売管理費キープ。
これは、一見簡単なように見えますが、売上の目標が大幅アップしていますから、簡単ではありません。
このことに対して、経営企画や経理等バッグオフィスはどのようなKPIを掲げて、目標達成を目指すのかも具体的に考えなければならないですし、エリアマネージャーとも密接に連携し、目標数値を掲げ、作業の効率化・仕事の生産性アップを目指さなければなりません。
また、MDは無駄な店舗間移動を多く強いられるようなMD設計だと、物流費の増大にも繋がりますし、在庫を多く残すことも同義です。このことに対しても目標数値を掲げる必要があるでしょう。
KPIという言葉だけ聞くと、”なんか、いけす好かねえ野郎だ!”ということになりますが、組織の仕事の成果を図る指標。そして、目指すべき身近な目標として、この業界もこのこと対して真摯に取り組む必要があるのではないでしょうか?
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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