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現場を顧みない改革は必ず失敗する

*繊研新聞社様主催で再度(3回目)”算数でわかるMD講座”を開催いたします。
参加希望の方は下記クリックしてください。面白いですよ(笑)

https://senken.co.jp/posts/masasato-seminer-fall18

 

★千趣会がリストラを発表した

先日。大手通販会社の千趣会が、業績不振による社長の交代とリストラを発表しました。

”千趣会が18年12月期通期予想を最大75億円の赤字に修正、社長交代へ”
https://www.fashionsnap.com/article/2018-10-26/senshukai-1026/

 

実を言いますと。。。

つい先日まで、千趣会さんと関わりがあり、多くの実務者さんに向けてMD講義をさせて頂きました。また、講義以外も相談を受け、お互いに知恵を出し合ったりということもさせて頂きました。

私の場合は経営側ではなく、実務者さんから請われたため、経営側と接する機会はなかったですが、実務者さんとの関わりは、私自身も多くの学びと経験を得たように感じます。

 

私から見た、関わった皆様の印象はとにかく真摯であることでした。
ただ、仕事を取り組む上で唯一気になった点は”実店舗がなく、顧客や商品に対する当事者意識が希薄”という点でしたが、仕事のやり取りを重ねる中で、皆さんの仕事に対する意識が大きく変わっていったように感じました。

 

★何故今までの改革がうまくいかなかったのか?

しかしながら、これまでも様々な改革を試みたにも関わらず、なぜこのような結果になってしまったのか?私は大変残念に思います。では、何故そのような結果になってしまったのか?を私の独断と偏見で考えてみたいと思います。

 

報道でも報じられている通り、大きな要因として変わりゆく時代に対応できなかった。とくに”アマゾンエフェクト”の波。衣料品に絞ってみれば、ZOZO等のEC勢に対応できなかった。というのは、事実でもあるのでしょう。

ですが、長い歴史をもち、ベルメゾンというブランドが顧客に認知されているにも関わらず、本当に報道されたことだけが要因なのかというと、以外にも要因はあるように思えます。

 

私が考える要因は??

①経営陣の手段ありき小手先の改革~自社の長所の無理解~
②経営陣と現場の実務者の意識の乖離。

このことが大きく影響しているように思います。

 

①に関して言いますと、千趣会さんの長所は長年のカタログ通販で培ってきた、販売手法と顧客データ。そしてその歴史に対する信頼です。

 

確かに時代の流れは、ECへの移行は避けられないことです。

ですが、まず熟慮すべき点であったのは、”残存者利益を獲得する”という視点です。

カタログ通販は縮小産業であるととしても、そのことを違う視点で捉え、持ち駒を活用した、顧客が喜ぶ”今までとは違った”施策を、まずは行うべきでした。

しかしながら、某評論家に言われるがまま、”時代の波に乗り遅れるな~”とばかり、通販カタログで培ってきた顧客を見捨てる?かのような”手段ありき”のECへの強引な舵取り。そのことも今回の結果を招いているように感じます。

 

例えば、千趣会さんの衣料品部門は見方を変えるとSPAブランドのショップとみることもできます。
しかしながら、ECへの急な舵を切ったことで、規模に合わない商品品番数投入になってしまい、

(取り扱い商品の増加は検索上位に繋がりやすいからという理由だろう。)
決算書を見る限りでは在庫増加に陥り、損益の足を引っ張っているように見えます。また品揃えの幅を広げたことで、本来のベルメゾンが持ち合わせていた長所が希薄になったとも言えます。

 

衣料品だけに的を絞るのであれば、まずはEC含めた販売チャネルの強化等のことを、全体像として経営計画に具体的に道筋を示し、ベルメゾンコレクションの商品自体の強化とMD体系の改善・構築を具体的に示した上で、優先順位の高いものから、実務者の意見を聞き入れたり、専門家等の力を借りながら、同じ目標に向かいスピードをもって実践すべきでした。

更に言えば、自分たちが持つ顧客データや過去データの分析を買う側の立場で行い、違う視点での自分たちの長所の再確認作業を行うべきでした。

 

②に関して言いますと、改革を実行するには、実務者の理解と協力がなければ成功することはありません。にも拘らず、上と評論家だけで決めた決定事項を、実務者の理解を求めずに、ただダイレクトパスするような状況では、上手くいくものも上手くいかないでしょう。

 

実務者の中にも、“自分たちは上から言われたことだけをしていればいい”と考える人も多くいるのかもしれません。

但し、現場レベルでは多くの改善すべき項目がある!ということを認識し、改善しなければ!と感じていた実務者が多い。というのが私の印象です。

 

ですが、そのようなことに関する意見や実情を深く掘り下げることのないままでのダイレクトパスでは、実務者の”やる気”がそがれます。先述したような有能な人材が揃っているにも関わらず、その能力を引き出そうともしなかった姿勢そのものが問題のように思えます。

 

★現場を顧みない”手段ありき”の改革など成功する筈もない。

時代の変化によって組織の改革が迫られることは、どのような業種にも起こりうることです。

またそのような状況では、会計的思考を駆使して、改革案を練ることも重要です。

しかしながら、現場の実務者や自分たちの現状を無視した、目先のテクノロジー論等だけに乗っかった中身の改革案や実務者の理解と協力が得られないような改革は上手くいく筈もありません。
何よりも、経営陣等上の存在が現場や実務者の実情をまず理解する。そして”顧客から喜ばれるために、自分たちは何を変え、何を残すべきなのか!”を深く考える必要があるのではないでしょうか?

 

最後に、先日まで関わってきた多くの真摯な姿勢の千趣会の実務者の皆さまに、今後光が当たることを祈りつつ、千趣会様の今後の発展を心より願っておりますm(__)m

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