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MDの手法に新しいも古いもない!

★あの温厚な深地さんが。。。(笑)

先日、友人であり私自身の優秀なブレーンでもある深地雅也さんが、以下のツイートをされていました。

あの温厚な深地さんが、強めの言葉で誰かを批判?するような強い口調で、ツイートされていたので、よっぽど腹に据えかねたのか?今となっては知る由もありませんが、どこかの誰ぞやが、専門家でもないのに、あたかも専門家のような口調で知りもしないことを偉そうに語っていたのでしょう(笑)

 

★春夏・秋冬を2分割で考えることの何が悪い!

深地さんが指摘されている。

 

”シーズンのSS/AWでの2分割、確かに古いし、最近では年間を4分割や多ければ8分割でMD組んでるけど、そういう分け方があった事を知らないと応用が理解し辛い。”

 

という件ですが、今でも多くの組織が、SSとAWの2分割で大枠の商品計画。ディレクションを考えています。

 

確かに古くから使われている手法ではありますが、何故未だにそのようなことが行われているのか?というと

 

① 単純に暑い時期と寒い時期で着るものが違うから。

(また気温が上がる時期。下がる時期。と顧客の気分が全く違うから。実は、この気分を読む表現するというのは、とても大事。)

② 未だに多くの組織が年2回の海外コレクションの結果・分析を経てディレクションを行っているから。

③ ②のようなブランドを中心に扱うショップは、それで十分だから。

④ MD予算設計の大枠を4分割・8分割で考えたら、予算設計がややこしくなりすぎるから。

 

他にも様々な理由が考えられます。

ただ、この話をきちんとするのは、実はややこしくて。。。

MDのディレクションや予算設計の大枠をSSとAWしかしていないから適当!というわけではなく、この業界の殆どの組織が、SS・AWの大枠のディレクションを基に、商品計画をシーズン別(3か月単位)・月別。組織によっては週別で商品の投入計画を行っています。

ただ、数字の計画は伴っていない組織が多いのも事実です。

 

また、商品のリードタイム(以下LT)の問題もあります。
発注してから店頭に商品が入荷する期間。このことも大事です。例えば、自分たちで企画し、発注した商品が2週間で入荷するのであれば、年2回のディレクションなどに拘らず、喫緊の結果を受けてからの、きめの細かい商品計画が可能になることでしょう。

(現実そんなことができるアパレル・ファッション小売業は殆どないが)

しかしながら、LTが3か月を要すような組織が、きめの細かいディレクションを行うことは不可能ではありませんが、言うほどの効果は得られないでしょう。

 

また、ブランドコンセプトや顧客にターゲットに基づいた、商品の販売期間・販売終了日の設定というのも大事になります。

例えば、単価が高い商品。レディース。顧客のお得意様率が高いような店になると、顧客に飽きられないように、敢えて販売期間を短縮するようなMD設計が求められます。
ということはSS・AWの2分割だけの商品計画・ディレクションの大枠だけでは、済まないかもしれません。

 

★MDの手法で新しい・古いは全く関係ない

このように、アパレル・ファッション小売業において、大枠のディレクション・商品計画の正解というものはありません。

 

・ブランドコンセプト・顧客ターゲット
・自分たちの持ち駒(商品の調達方法等)

 

によって、組織それぞれの”最適”は、相対的に変わる。ということです。そして、その相対的に変化する”最適”を目指せばいいだけのことです。

 

深地さんが冒頭述べている、

”学校でも、トレンドについて話す時はまず2分割から教えてる。「古い」と切り捨てるのは簡単だけど、順を追わないと理解が深まらない。”

というのは、この業界の多くでとられている手法ということを考えれば当然のことですし、そのことを一概に手法が古いと批判する!というのは、全くのお門違いであり、MD。小売業そのものの本質を理解していない!ということでしょう。

 

MDの手法で大事なのは、新しいとか古いとかではなく、自分たちにとってその手法は”最適”なのか?ということが最も大事なことです。

 

えてして、この業界では手法の古さが批判され、新しいテクノロジーや、上っ面だけの横文字のスローガンが賞賛される傾向にありますが、物事の本質を捉えるという点を忘れた専門家でもない人があたかも、自分は最先端の専門家のように語ることが正しい!といったことに騙されないようにしてほしいものです( 一一)

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