メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
今回は私の仕事でも携わることの多い、POSシステムについての話です。
技術革新は日進月歩です。そんな中POSシステム(時点在庫管理システム)も日々進化しています。
すでにAI機能を生かした売上予測機能を備えたものも登場してきてますし、電子タグの登場により、在庫管理・棚卸等のロジスティックの部分のコスト削減も期待されています。また、販売等現場の負担も、この技術革新により今後大幅に減るだろうと期待されています。
ただ現状では、そのような最新のシステム導入はコストはまだまだ高く、大手企業ならばともかく、この業界の多くを占める中小企業が導入をするのはまだ難しいことでしょう。
このような現状最新と言われるシステムも時間が経つにつれ、広く普及すれば、おそらくコストも下がるとは思います。しかしながら、最新システムを導入したからといって、現状の自分たちのショップ・ブランドに「何か良いことが起こるのか?」というと、意外にそうでもないのが現状です。
むしろ、立派なPOSが導入されたからといって、売上が予測精度が売上が飛躍的に伸びたなんて話は聞かないですし、むしろ更に在庫が増えたなんて企業も実際多くある筈です。
仮に売上予測機能をPOSが兼ね備えていたとしても、そのショップ・ブランドに商品・ショップ・ブランドそのものの魅力がなければ、AIが売上を下方修正する予測を出すだけでしょう。
また、そのような状況で3か月先までの仕入が確定していたとしたら、在庫が残ることは確定です。
更に言えば、変にPOS機能が増えたがために、会社で独自ルールや少数にしか理解できない事項を増やせば増やすほど、むしろそのPOS・敷いてはシステムそのものが「ガラパゴス状態」に陥り、一部の人にしか使いこなせない。そんな代物になってしまいます。
POSシステム等の技術進歩は、現状の経費を削減するために効力を発揮することはあるでしょうが、ショップ・ブランド自体を正しい方向に導き、幸せにするものではありません。
では、最新でなくてもPOSシステムをよりよく使いこなすためには、どういうことを意識したらいいのか?
・見え方の簡素化と情報共有
→POSシステムには、様々な機能がついています。これは機能が増えれば増えれほど、色んなことがわかり理解できるようになります。
しかしながら、すべて機能を使う必要がある人はほとんどいないでしょう。
仕事の役割によって使う機能は変わってきます。
だからこそ、役割によってどのような情報が必要なのかを、組織として明確にすることが必要です。また、すべて人が共通でみるべき情報・帳票を明確にし、
各役割間によって情報の共有行う。これがもっと大事なことです。
また出来る限り、「見やすい・解り易い」見え方を意識することも大事なことです。(情報はありすぎても、人によっては見る気がなくなる。)
・売上・粗利・在庫を連動した見え方にする
→古いPOSでは、売上が売上の部屋。在庫は在庫の部屋。粗利は粗利の部屋。分かれて管理されてるなんてこともよくある筈です。
しかしながら、このような管理状態になると、売上だけをみてあとはほったらかし。なんてことになりかねません。
もし、POSがExcelに数値を落とせる機能がついてあるとしたら、Excelのテクニックでなんとかそれを繋げることができます。
とくに、MDは売上・粗利・在庫・仕入を連動して、様々な対策をとらねばならないので、常に売上・粗利・在庫・仕入をくっつけてみることに慣れなけばなりません。
(Excel化できない場合は何らかの別の方法を考える。)
システムの進化は、問題点を浮き彫りにすることはできても解決することは、現状出来ません。であるからこそ、システムのことをどうこう言う前に、使う側の組織・人が目的を明確にし、よりよいPOSの活用方法を考える。このことが重要なのではないでしょうか。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。