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前回のブログでMDの仕事に一番向いているのは、販売員経験者である!
ということを断言しました。
今回は、その理由を記載していきます。
前回の記事で、以下のようなことを記載しました。
”MDという仕事は、決してスーパーマンのような能力が求められる職種ではなく、寧ろ、周囲の職種の方々とのコミュニケーション・マネジメント能力が必要となる職種なのです。”
そういう意味では、販売の仕事が上記のような能力を一番身につけやすい仕事だと言えます。
ここで改めて、アパレル・ファッション小売業でいう販売員の仕事を記載すると。
・接客
・売り場づくり(VMD)
・在庫管理(ストック整理・店間移動・客注対応他)
・顧客からのクレーム対応(顧客の最前線に立っている)
・日々の掃除(これ大事)
その他も含め、その仕事は多岐にわたります。
前述したMDに求められる能力を考えると、常に顧客と向き合い日々コミュニケーションをとり、その技術を向上させる必要が販売員は、多くの職種の人とうまくコミュニケーションをとることのできる可能性が高まります。
また店長職ともなると、スタッフとのコミュニケーション。そして店の業務を円滑に進めるためのマネジメント能力にも磨きがかかります。
更に場合によっては、損益計算等経営に近い仕事も学べます。
また、日々の売り場づくり(VMD)の業務。在庫管理業務に向き合っているということは、現場目線からのMDの強み。弱みを客観的に理解することができます。そして、在庫をデータという視点ではなく、容量を実感することができます。このことはとても大事なことです。
(私は販売員時代。ストック整理ばかりしていた(笑)ただ、そのことで現状のMDに対する疑問・問題点を感じることができた。)
そして、クレーム対応というものは、本来責任者が負うべき業務になりますが、お客様は誰が責任者などということはわかりません。ですから、自分のミスではないいわれのないクレームを前線で受けることになります。
ですが、モンスタークレーマーはさておき、クレームはお客様が組織の問題を直接指摘してくれる!という貴重な機会です。クレームを言われるのは大変つらいことですが、その経験がMDの仕事に活きる!というのは、言うまでもありません。
(ECをしっかり売りたければ、カスタマーサービスを充実させるべきである)
最後に掃除の重要性です。
江戸時代の幼年教育で「灑掃(さいそう)」という教育がありました。これは何かというと、掃除を徹底的に学ばせることです。
何故そのようなことを行っていたのかというと、子供が成長し、リーダー・マネージャーになった時に、矢のように降ってくる、大事・難事を整理整頓し、さばいていく力を身につけさせることが目的でした。
これは、商品面・数字面様々な業務が降りかかるMDにとって重要なことです。
これらのことが、”販売員がMDに一番向いている理由!”とするのならば、顧客分析にたけた優秀なEC担当者にも同じことが言える!という声もあがることでしょう。
ですが、販売員の仕事の中で一番貴重な経験になるのは、顧客から直接お金を頂戴する場にいる!ということです。
私の仕事はお金のやり取りは伝票になりますし、ECもクレジット決済等現金を直接もらえるわけではありません。
自分の貴重なお金を支払うお客様の表情を見られるということは、それだけでも貴重な経験となります。
お客様がその商品を即決で買ったのか?迷って迷いながら2・3回来店をし買ったのか?そのようなことは、データ分析はできません。
MDの仕事において、データを分析し次の商品計画に活かすということは、重要なことではありますが、データだけを鵜呑みにして、データから見えない仮説を立て実践するようなMDでなければ、良い結果を残すことはできません。
そのようなことは、販売の経験がないと簡単にできない!ということになります。そして、MDになっても販売の現場。自分たちにとっての顧客ターゲットに近い人を常に観察することが大事になるのです。
以上が、私が”販売員経験者がMDに一番向いている”という理由になります。
しかしながら、販売の経験がなくとも、常にお客様のことを考え、足を使い販売の現場に近い位置へと真摯に立ち続けることができる人であれば、どんな職種の人にもできる仕事。それがMDという仕事なのです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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