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先日、私が何気にしたツイートが意外に反応がありました。
生地の話って、そもそも単糸と双糸の違いとか、糸の太さを表す単位のこととか、あとカットソーの生地でよく出てくる言葉である天竺という意味が理解出来ていない人が普通に多いので、小学生が理解できるレベルで、生地についての記事(笑)を誰か書いてくれると、アパレル小売の人はすごく助かると思う。
— 佐藤正臣(マサ佐藤)MSMD&CO.,Ltd (@msshouhinkeikak) June 24, 2020
特に素材の知識というものは、MD・バイヤー・デザイナーレベルでも低い人がいる!というのも現状ですし、事実、詳しい素材の知識がなくとも、商品の品揃えはできますし、物も作ることができます。
このような物づくりに関する恵まれた環境を与えられていますから、某有名ファッションブロガーが素材に関する出鱈目を発信したり!ということが起こります。また、MD・バイヤー等に関しても、素材・縫製等の無知から無理難題を吹っ掛け、物づくりの現場と度々トラブルになるようなことがあります。このことは業界にとって良いことなど何もありません。
新型567による厳しい状況だからこそ、売る側も物を作る側も相互理解・協力し、業界全体を盛り上げなければいけません。だからこそ、売る側も素材や縫製のことを、最低限のことくらいは理解する努力が今後必要とされます。
ここで話を変え、私が販売員時代。素材に関することは、先輩の背中を見て覚えろ!もしくは、会社が販売員用に定期的に購入している本を読んで覚えろ!そのような時代でした。ですが、当時の私は素材の本を一生懸命読みましたが、結局、殆ど素材に関する知識が身に付きませんでした。
それは何故か?プロが当たり前のように書いていた、紡ぐ・織る等の言葉や、重さ・太さ等の単位の基礎知識等を、そもそも全く知らなかったからです。また、私の服屋に関することの興味が、素材にあるのではなく、そのスタイルあった!ということもあったでしょう。(事実デザインを表す言葉はすぐに覚えられた)
例えば、最近某有名ファッションブロガーが、その意味をよく取り違えている”デニム”という素材があります。デニムをGoogleで調べると、最初に表示されるデニムの説明の記事には、以下のような記載されています。
”生地は、10番手以上のタテ糸をインディゴによって染色し、ヨコ糸を未晒し糸(染色加工をしていない糸)で綾織りにした、素材が綿の厚地織布。生地の裏側に白いヨコ糸が多く出るのが特徴。ジーンズに使用されることが多いが、鞄などにも使用される。”
と記載されています。
ここで皆様に考えてほしいのですが、服飾専門学校を出でない入社1年目の社員が、”10番手””タテ糸・ヨコ糸””綾織”等の言葉が、いきなり理解できるでしょうか?おそらく理解できていないでしょう。素材のプロの方々には、アパレル小売りの仕事に携わってまもない人たちが、そのような基礎基礎の段階から知識がない!ということを、認識してほしいのです。
私は現在、某専門学校で学生相手にマーチャンダイジングの講義をしています。
実は、学生への講義が、他のどんな仕事よりも時間をかけ前準備しています。それは何故か?そもそも、業界の人であれば当たり前で知っているであろう言葉を、学生は知らないからです。だから、学生が理解できるであろう例え話等を複数準備して講義に臨んでいます。(それでも悩むことが多々あるが。。。)
上述したように、新型567による厳しい状況だからこそ、売る側も物を作る側も相互理解・協力し、業界全体を盛り上げなければいけません。
だからこそ、素材や縫製等物づくりのプロの皆様には、こうしたアパレル小売の現状を理解して頂いて、素材や縫製の基礎・基礎から理解できる情報を、学ぶ人が楽しくなるような方法で、その情報を発信してもらえれば、もっと、真剣に素材や縫製のことを学ぼう!という風潮が、アパレル小売側にも出てくる筈です。そして、そのことが業界全体の発展へと繋がると思います。ですので、是非小学生レベルでも理解でき、学ぶことが楽しくなる!!ような、情報を発信することを検討して頂きたく存じます。
(そんな本や漫画風な読み物や動画を出せば、企業に購入してもらえて儲かる!思うのですが。。。)
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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