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マーチャンダイザーは(以下MD)は、小売業の経営を左右する権限を持っています。
それは、どんな権限かと言いますと。。。
①(商品の)発注数量決定する権限
②(商品の)価格を決定できる権限
このことです。これらの権限をMDは持っていますから、当然のことですが、結果が求められます。また、売上だけでなく、粗利益を多く獲得することが求められますし、売上・粗利益が多く獲得出来ても、そのことで在庫が増大すれば、MDとしては結果を出せていない!とみなされます。
MDには、このような権限・責任を与えられていますから、努力を怠っていけません。
しかしながら、結果を求められるMDという仕事をしていると、すぐに結果に出ないと焦るようになり、目先の結果を気にしてばかりの行動をとるようになります。しかしながら、この行為は先のことを考えると、寧ろ逆効果になるでしょう。
大事なのは、日々の仕事をコツコツと愚直に積み重ねることです。よく、西川きよしさんが言われる”小さなことからコツコツと”この姿勢が、MDとしての仕事の精度を上げるために重要になりますし、このことが、後の大きな成果に繋がることになります。
とくに、日々の小さいことの積み重ねで、皆様方にオススメしたいのが、”MD日記”を日々つけておくことです。
これだけ、情報が溢れかえっている時代にも拘らず、”なんじゃそりゃ?”と疑問に感じられる方も多いと思います。事実、私は、MDの設計には、自社の宝である(自社)過去データ。またそれ以外にも使えるデータは、フル活用せよ!ということを、このブログでも何度も書いています。
ですが、データには表れない、日常の何気な変化を、常日頃から日記・メモとして残すことは、とても重要なことです。何故に重要なのか?と言いますと、それは。。。
自分自身が感じた日々の記録を残しておくということは、先のMD戦略において、大胆な”仮説”を立て、今までに行ってこなかったような施策を実践することが可能となるだけでなく、成功率も高まります。
では、MD日記をとることで、まず行ってほしいことは、適時に関すること。適品に関すること。というように、項目わけしておくことです。
以下、簡単にどのようなことを記載すれば良いのか?ということをお伝えしますと。
*適時に関すること
・(日々の)気温を必ず記入。これは、必須です。
・気温の変化で自分自身の行動の変化を記載すること。布団・コーヒー
例→夏布団から冬布団に変えた日・気温の確認
→アイスコーヒーからホットコーヒーへと変えた日・気温
・上記のような日に、ターゲットに近い顧客がそのときどんなものを着ているか?を観察・メモする*適品に関すること
・他社の定点観測をした情報。特にVPの商品が何週間おきに変化するか?
・上記のVPの商品の陳列場所が変わったときの商品のサイズ掛けや色掛けの確認
→その商品の発注精度の推測をし、自身の組織の発注に活用
・(店頭に足を運び)試着が多いのに商品が売れないのは何故?ということを考察
→その商品の改善点を考察。すぐに次の商品計画に活かす。
このようなことを日々行っていると、1年後。2年後に、そのことが、下手なデジタルデータよりも、より信憑性の高いデータとして活用することが可能になります。ですが、気温軸の変化による自分の行動パターンと、自社の過去データには、必ずズレがありますから、そのズレの要因を具体的に掴むことで、より精度の高い仮説を立て、商品計画に活かすことができれば、MDの仕事の目的・成果である、売上・粗利益の向上にもつながる筈です。
便利であるデジタルデータの活用は、今後の商品計画において重要であることは、間違いないところですが、そのデータを更に活かすためにも、日々のアナログ的な行動が大事!特に現場に常に足を運び続けることが大事ということを訴えて、今回のブログは終了です。
特別記事もアップしてますので、是非こちらもご覧くださいm(_ _)m
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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