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先日、弊社のブログで、服飾専門学校の仕事の元教え子であるワダアサトくんが、以下のブログを寄稿してくれました。
特に、この中で気になったのは、学生に対しての講義の場で、終始自分自身が書いた本を宣伝するばかりか、Amazonレビューまで強要する外部講師がいるということです。実は、このような話は、私も複数の現役服飾専門学校の先生からも聞いており、こんな外部講師には、二度と服飾専門学校の教壇に立つんじゃねえ!!と、強く言いたいです。。
(私自身も襟を正さなければなりません)
ですが、このようなことが起こる原因というのも、服飾専門学校側にもあると思います。
よく、服飾専門学校では世に名前が知られた有名人が教壇に立つことがあります。しかしながら、自分自身の仕事の実績と学生に対する教育というものは、全く別物である!という認識が、服飾専門学校側の先生たちに足りないように感じます。
前述したような有名人は、単発の特別講義ならば、その実力を発揮することができるでしょう。(大半が自慢話に終始するケースが多いようだが。)しかしながら、ゴールを設定した上で、年間の講義スケジュールを組み、年に30回弱の講義を行うことは、自分自身の仕事の実績とは全く別物になります。サッカー選手が野球を教えるほどの違いがあるのです。年間で講義を行うということに関しては、私のような外部講師よりも、当然のことですが、現役の服飾専門学校の先生の方が上です。
ですから、服飾専門学校の先生方には、その人の肩書・実績。知名度の高さだけで外部講師を選ぶのではなく、その人自身が”教育”を行うスキルがあるのか?熱意はあるのか?ということを見極めた上で、外部講師を招聘して頂ければと強く願います。
ここからは、私が独断と偏見で感じる、現状の服飾専門学校の問題点を述べさせて頂きます。私が、特に問題だと感じているのは。
私のような外部講師は、自分の知識を学生に押し付けるだけではダメで、その学科・クラスの方針に従って講義を行わねばならない存在です。ですが、学科の長。クラス担任の先生方の育てたい学生像が、抽象的すぎると、外部講師は大変な戸惑いを感じてしまいます。
先日、私の友人であるリテールコンサルタントのヨツモトさんが、下記の本を出版しました。
その本の中で、販売・接客の精度を上げるには、顧客の具体的なペルソナを設定し、接客を体系的に考え、戦術として落とし込む!と言ったような内容が書かれていました。私は、このことにとても関心しましたが、これは、私の専門であるマーチャンダイジングでも同じことが言えます。
顧客像が具体的に設定されていれば、ヨツモトさんが仰るように接客も、また私の専門であるMDも具体的な戦略・戦術が立てやすいのです。
これは、学校教育にも通じることがあるのではないでしょうか?育てたい学生像が具体的に設定されていれば、そのことに応じたカリキュラム作成の精度がより上がる筈です。
更に言えば、このことに準じた問題点として、各授業間の連携が少ないように思います。全ての講義が連携を行う必要はないですが、学科の長やクラス担任の間で授業カリキュラムを設計する際に、この連携を意識して、私たち外部講師に接して頂ければ、先生間によって全く違うことを言う!等ということや、自分自身の私利私欲を満たすことが目的の、変な外部講師を招聘することも少なくなり、学生に戸惑いを感じさせるというようなことも減少するのではないでしょうか。
服飾専門学校には、学生教育に対して情熱・熱意を持たれたいる先生が、多くおられます。
10万人に一人でるか?出ないか?天才デザイナーを輩出することも、学校運営には大事だと思います。ですが、大半の学生は、アパレル関連をはじめとする企業に社会人として就職します。しかも、アパレル小売企業の場合。その多くの学生は販売の仕事がスタート地点です。ですから、この事実を踏まえた上で、学生の将来が豊かになるような取り組みを進んで行って頂ければと感じております。その為に必要なことが有れば、私はいくらでも協力を惜しまない所存です。
最後に、現在服飾専門学校の教壇に立たせて頂けるきっかけを作って頂いた、ドレスメーカー学院の佐藤由利子先生。様々な場面で講義の相談にのって頂いた小嶋洋子先生。そして、現在お世話になっている文化服装学院の花田先生に感謝を申し上げ、このブログは終わりにします。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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