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ショップの店長は、ショップの売上予算に達する為に、週・月単位等で目標を設定をし、その目標を達成させる為の、具体的な施策を立案し検証を行っていることだと思います。
今回の記事では、ショップの目標立案に商品を活用する際に、どのようなことを意識して目標立案・設定した良いのか?ということを、MDの視点で記事に致します。このことが、少しでもショップで販売の仕事に従事されている方々に届けば幸いです。
前回、私が書いた記事で、日々のショップのVMD・レイアウトを実践する場合に、カテゴリー単位での売上構成比と在庫構成比の現状の数字を把握し、利用したら良い!ということをお伝えしました。
ショップの店長ともなると、カテゴリー単位での数字は、月・週単位でチェックされている方々も多いことだと思います。ですが、商品単品での売上構成比をチェック・意識されている店長は、意外に少ないのが現状ではないでしょうか?
ショップで勤務される皆様方の中で、事業部の週・月単位等での、ベストセラーレポート(売上ランキング)をチェックできる環境におられる方は、多いことだと思います。ですので、その帳票を是非活用してもらいたいのです。その際に、チェックしてほしいことは、売上上位ベスト5・10でも良いので、その売上上位の品番の売上構成比は何%になっているか?ということに着眼してほしいのです。
先述したように、カテゴリー単位での売上構成比は、皆様方にとっても身近な存在な筈です。私も色んな会社のMD支援を行いましたが、そのほとんどが、カテゴリーは10~15単位で構成されています。カテゴリーが15あると、平均で6.7%になります。当然、売上構成比が20%を超えるカテゴリーも存在しますから、2~3%というカテゴリーも普通に存在しています。
ですが、ブランドやショップの売上が好調なときには、1つの商品だけで複数のカテゴリーの売上構成比よりも高いということがあります。寧ろ、そのような商品がない場合は、商品が薄く満遍なく売れているということですから、言い換えれば、売れ筋商品がない。そのような場合は、ショップ自体の売上が低迷している場合が殆どなのです。その数字の出方は、そのブランド・ショップの特徴によって変わってきますが、その単品ベースでの売上上位の売上構成比。特に好調時の売上構成比を把握し、そのことを店舗の月・週単位での商品の売上目標を立案する際に、活用することを心がけましょう。
以下、活用例をお伝えします。
(例)
1か月単位の店の売上予算1,200万円。店が売れているときの売上上位ベスト3の商品の売上構成比が15%だったので、強化商品3品番の売上構成比目標15%と設定した。強化商品の3品番の平均単価は12,000円。
とした場合。
→1,200万円×15%(目標の売上構成比)=180万円(強化商品の目標売上)
→180万円÷12,000円(商品の平均単価)=150点(強化商品の目標売上点数)
となります。
更に、上位3商品を分類し、それぞれの売上目標点数を設定します。
・A商品 70点(売上構成比7%)
・B商品 50点(売上構成比5%)
・C商品 30点(売上構成比3%)
すると、1週間単位での売上目標数は
・A商品 15.8点
・B商品 11.3点
・C商品 6.8点
と設定できます。
この目標を店舗スタッフの皆様に、よりわかりやすく理解してもらう為に、ショップの曜日別売上構成比を活用します。この店の曜日別売上構成比は、平日5日で50%。土日で50%(このような店はたくさんある)だとすると。。。
・A商品の平日目標売上数1.6点。土日1日あたりの目標売上数4点。
・B商品の平日目標売上数1.1点。土日1日あたりの目標売上数2.8点。
・C商品の平日目標売上数0.7点。土日1日あたりの目標売上数1.7点。
という数字が算出されます。
この数字を見て皆様どう思いますか?A商品は、さすがに結構売られねばならないな~と感じるかもですが、C商品は至っては、平日に関しては、3日で2点商品が売れれば良いだけ?土日でも、1日あたり2点弱売れれば、それだけのショップの売上予算の3%は確保できる!と考えると、なんだが、意外に目標達成させるのは、そう難しいことではないな。。。と思いませんか?
目標設定を行う際に重要なことは、実務者に対して”やる気”を促すことができるような、目標設定をすることが重要です。
そして、この商品の売上目標を達成させる為に、VMDやSNSの施策を具体的に考えれば、そのこと自体が実践すべき行動計画となります。そして、週単位等での結果を検証し、次へ繋いでいくことが大事です。
そして、ショップが上記のような具体的な目標設定を店長が行えるようなる為には、やはり本部業務の人。特にMDが大事になってきます。MDは、店長会議等の場を活用し、店長に先の商品計画を丁寧に説明し、(店長からの)質問に対して応対することを欠かしてはいけません。その際に。
・翌月以降の商品の発注数量の説明。
・発注数量の大小の意図と販売期間の説明。
・主力商品が1店舗あたりどのくらい行き届くのか?
・主力商品の売上構成比の見込み
・発注数量決定前段階商品(サンプル段階)の説明
他にもありますが、このようなことをショップの店長に、丁寧かつ具体的な数字をくっつけて説明することが最低限の仕事です。
また、私自身が経験したことですが、ショップの状況が良くないときに、その局面を打開するための一番の施策は、ヒット商品を産み出すことです。ですから、発注数量を決定前段階までのことの仕事の精度を上げねばなりませんが、商品の発注数量を決定してしまえば、先の売上の幅は決まったも同然ですから、良い結果になるように、販売の現場が、お客様に向き合える仕事が出来るように、徹底的にサポートしなければなりません。
MDの仕事は、主役ではなく、販売の現場をサポートする黒子の仕事です。このような意識をもつことで、本部と現場が一体になって、共通の目標に向かっていく!最後にこのことを訴えて、今回のブログは終了です。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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