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販売現場の店間移動に関する不満を解消するには?

★店間移動が多いのはMDの責任

”(DBは)売れる商品をうちの店から持っていかないでくれ!”

販売の現場に勤務されている方々で、このような経験を持ち不満に思う方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?上記のような行為を、アパレル・ファッション小売業の現場では”店間移動(店舗間商品移動)”と呼んでいます。本部のMDやディストリビューター(以下DB)は、常に在庫消化の進捗を気にしていますから、店間移動は、多くのアパレル・ファッション小売業の組織で多く行われています。

店間移動に関しての、私の所見を先に言っておきますと。。。

”(MDにとっては)店間移動を全くせずに売り切るのが理想!”

このことになります。

MDやDBやSVの中には、月曜日に店間移動の指示を、虫眼鏡で見ないとわからないくらいの資料を作成し、店舗に指示をすることで満足している人もいますが(DBならば当然だが)、MD視点でこのことを考えると、(MDの)商品の初回発注のミスが多いとも言え、あまりよろしくない傾向でもあります。特に店間移動が増えることでの物流費の増額(細かく商品を店間移動していると想像以上に物流費が嵩みます。)や、店間移動するということは、店舗から一時的に商品がなくなっているということにまりますから、売り逃しによる売上の低下も少なからず起こります。

 

★売上規模の小さい店ほど売れる商品を!

ここで現役MD時代の、私が独断で決めていた店舗移動の優先順位を、皆様に以下お知らせしますと。。。

① 売れる商品ほど、売上規模の小さい店を優先する
② まあまあな売れ行きの商品は、その商品の得意なところへ
③ 販売終了日が迫っている商品は、売上規模の大きい店へ

基本。このような優先順位で業務を実践していました。この優先順位で行っていた理由としては、私が販売員時代に売上規模の小さい店で多く勤務した経験から、①のことに不満を抱いていた他なりません。来店数が少ないほど、確実に売れる商品が必要だ!というのが、私の考えです。但し、例外もあり、ブランド・ショップコンセプトに合わない場所に出店している場合は、①の件をあまり考慮せずに、②だけを意識していました。

特に、現在販売の現場で仕事で従事されている方々が不満に思うのは、私が抱いた不満と同じ①のことがなされておらず、売れる商品をすぐに、売上規模の大きい店に持っていかれる!という不満でしょう。このことを解消するには、先ず店間移動に関する優先順位を可視化することであるのは間違いのないところなのですが、根本的な要因は、やはりMDの初回発注が下手くそ。そして、その先にMDの予算設定をする際に、販売期間の設定等が明確になされていない!というところに起因します。

 

★店間移動が少なくなるように発注精度を上げるには?

その解決策としては、可能であるならばMDがDBを兼務することが解決方法の一つとなりえます。
(流石に100店舗以上あるような規模の組織で、MDがDBを兼務するのは難しい。また、そのような規模のDBの仕事は専門職になり、そんじょそこらのMDに出来る仕事ではない!ということも同時に理解して頂ければ幸いですm(__)m)

MDがDBの仕事を兼務する利点は、自分自身の商品発注の精度の良し悪しが、すぐに理解できる点です。ですから、DBの仕事をしながらMDとしての未熟さに気づき、以降の商品発注を改善していくことに繋がります。そして、感覚でしか行っていなかった商品の発注を、算盤からはじき出した数字で捉えることができ、発注数量と商品の立ち位置というものを、ある程度結び付けることが可能になる!ということです。

 

★感覚だけではなく、数字で商品の位置づけを知っておく

以下、ちょっとした例を挙げます。

・100店舗展開の事業部
・販売期間2か月の商品
・この事業部の売れ筋商品の位置づけで、初回発注数量6,000点

となると?
この商品は、1店舗当たり2か月で60点売れれば良い商品という位置づけになります。これは、1日1点商品を売ればよい!ということにもなり、この事業部においては、このような商品が売れ筋商品と位置づけされているということです。次に、店舗の売上規模ランク分けをしてみます。

・売上規模の大きい店(以下Aグループ)30店舗
・売上規模のまあまあの店(以下Bグループ)50店舗
・売上規模の小さい店(以下Cグループ)20店舗

更に、過去のデータを鑑みて、この商品のグループ別の売上構成比を作成します。

・Aグループ 40%
・Bグループ 45%
・Cグループ    15%

とします。この場合の各グループ別の1店舗当たりの売上数量を算出すると。

・Aグループ
→(6,000点×40%)÷30店舗=80点(2か月での売上数量)
・Bグループ
→(3,000点×45%)÷50店舗=54点(2か月での売上数量)
・Cグループ
→(3,000点×15%)÷20店舗=45点(2か月のでの売上数量)

となります。Aグループの場合は、1日に約1.3点。Cグループの場合は、3日で約2点の商品を売ることが求められます。この感覚をMDにも店長にも持ってもらうことが重要です。また、MDはこのような情報を嚙み砕いて、店長会議等で店長にわかりやすく説明することが有効となります。

また店長側の視点で話すと、上記のペースよりも速いペースで商品が売れている場合は、DBと相談し、早めにその商品の店舗の基礎在庫を増やすこと。そして、その商品が販売期間を超えても、売れ続けるのか?ということを見極めて、本部のMDやSVに意見具申する際の、材料として利用すれば良いでしょう。

 

★今後も店間移動がなくなることはないが。。。

今後も、アパレル・ファッション小売業の現場で、店間移動がなくなることはありません。MDは、自分の発注に疑いを持たず、店間移動に対して、その先にいるショップ。そしてお客様が見えておらず、在庫消化さえできればという姿勢で仕事に臨むことは、論外です。ですが、店舗で販売の仕事に従事されている方々も、感覚だけで本部の不満ばかり言っても、自分たちのショップ・ブランド。そして、組織そのものが良くなることはありません。ですから、お客様にとって不利益な悪い店間移動を減らすためにも、商品そのものの位置づけを感覚だけではなく、数字で具体的に把握すること。そして、MDやDBと販売の現場が同じ目的・目標に向かって、仕事を行うことの重要性を訴えて、今回のブログは終了です。

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