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プロパー消化率という指標は、MDの実務には使えない

★ディスられた?(笑)

先日、以下の記事を見つけた。

《視点》プロパー強化の理由

更に以下のような文章が記載されており。。。

”「プロパー消化率は無意味」という専門家やコンサルタントもいるが、果たしてそうか。”

これは、自分のことを言ってるの?と勘繰った(笑)そもそも、専門家界隈で”プロパー消化率”を真っ向から否定しているのは、自分以外にみたことも聞いたこともない。(中には、考え方を改めた方もいるかもしれないが。。。)この仕事を始めた7年前からずっと訴え続けている。味方がいるとすれば、そのことに、共感してもらった友人の南充浩さんが、記事にして発信してくれているだけだ。

数字の操作が可能な「プロパー消化率」を絶対的な指標に据えるとミスリードを引き起こす

★商品のプロパー販売の強化を誰も否定していない!

ここで、改めて強調して言っておくと、この業界の仕事に従事している人で、商品のプロパー販売の強化を否定している人など誰もいない。このことを誤解されても困る。自分が訴えて続けているのは、”プロパー消化率”という定義出来ない指標を使うことに意味がない”と言っている。よって、その指標は、MDにおける実務には、全くの使いものにならない。

これは、南充浩さんも記事に書いておられる通り、割引クーポン等を販管費にて計上している組織は、その最たる例だ。クーポン割引等を販管費に計上することによって、販管費が増大し、営業利益が圧迫されれば、プロパー消化率がいくら高かろうとも全く意味をなさない。(一部上場企業が、そういうしょうもないことをしている)プロパーという言葉がもつ意味は、”元々の“や”従来の”等という意味だ。巷で良く言われる”プロパー社員”という言葉は、生え抜きの社員という意味になる。このことから考えても、割引クーポンを使って販売した商品が、プロパー売りにカウントされてしまう!というのも、本末転倒な話だ。これでは、自分の成績をあげたがい為のインチキがいくらでもできる。更に言えば、ポイント活用等による値引き販売も同じことだ。割引・値下げ等に魅力を感じた商品を、購入してもらうことでプロパー売りになる等ということは、プロパーという言葉が持つ、本来の意味からかけ離れているし、最初につけた価格で、お客様に購入されなければ、それは、プロパー消化ではない!ということを認識すべきだ!更にしつこく言うと、仮にプロパー消化率が良くて売上予算が達成されたとしても、期間中の仕入原価が高騰すれば、想定よりも原価率が上がり、粗利率の低下を招く。そのことで、営業利益が赤字になれば、いくらプロパー消化率など良くても、全く意味がない。

 

★セールしない組織の事例をあげてみる

ここで話を変え、以下、セールをしないでプロパー売りに拘る組織の例を挙げる。

・売上予算 100億円 ・粗利率予算52% ・営業利益率予算6%

を目標に掲げるアパレル小売業の組織があったとする。このケースでは、売上原価は48億円となる。

自分のMD講義でも良く言っているが、仕入の基本は”売れる分だけ仕入れる!”というのが、基本だ。その前提に基づくと、仕入原価予算は、売上原価と同じ金額の48億円となる。(会計学では、売上原価は仕入原価のことになる。但し、小売業では、売上原価と仕入原価は分けて考える必要がある)

仮に、この組織は”絶対にセールしない!””プロパー消化率100%だあ!”というポリシー・決まり事があったとすると、値入率のターゲットは52%(仕入原価率48%)と、必然的になる。このケースで仕入原価予算を仕入元売価金額に置き換えると、当然のことながら、仕入元売価予算は、売上予算の100億円となる!ということだ。

しかしながら、売上予算=仕入元売価予算では、この組織の売上予算は、達成できる筈がない!”ということは、アパレル・ファッション小売業の仕事に従事している人ならば、間違いなく理解できる筈だ。こんなことを達成出来る組織があるとすれば、ある意味、神がかっていると言える。だからこそ、この業界の組織は、売上予算の120~140%程度の仕入元売価金額を仕入れるのである。商品が良くセールして売る必要が少なければ、売上予算以上の数字を獲得することは可能になる。

仮に、上記の組織が売上予算の120%の仕入元売価金額を仕入れて、売上・粗利予算を100%で達成できたとなると、20億円の元売価在庫金額。9.6億円の在庫原価金額が余ってしまうことになる。これは、セールをしない!と決めているのだから、当然のことだ。因みに、商品を余らせないで100%消化となると、(売上100億円の場合)年間OFF率16.7%程度のセールが必要になる。話しを戻し、余った在庫のセール売りによるブランドイメージの棄損が怖いのであれば、身内だけのファミリーセールで消化しなければならないが、上記のような残在庫金額を身内だけで消化できる筈がないのだから、その場合は、商品を廃棄せざるえない。これは、一時期商品廃棄がクローズアップされたバーバリーの構図に近いのでは?と推測される。実は、商品をセールしない!組織の方が、商品廃棄の可能性が高まるのだ。また。長くおける定番商品をいっぱい開発すればよいではないか!という意見もあるが、これも、メリット以上にデメリットも多いという認識をした方が良い。(このことは、後日記事にして発信しようと思う)

大事なのは。

○売れる分だけ仕入れる(消化率100%)というルールで仕入予算設計すること

○値入率・粗利率のターゲットを定め、ブランド・ショップコンセプトに応じた、OFF率の設定すること(仕入元売価金額は、売上予算何%になるのかを把握しておく。あまりセールをしたくないブランドは、粗利率と値入率の幅を狭くすれば良い)

○上記のように、余るであろう在庫をどのようにして消化していくのか?ということを、事前に(組織として)ルール設定をしておくこと

このことだ。

(仕入予算設計の考え方は、以下の記事をご覧ください。連載になっとります。)

仕入予算は適当に考えたらダメ①

★インチキできない指標を使い目標を掲げ・実務を実践することこそ、MDがすべきこと

この業界で商品のプロパー販売の強化ということを否定する人は誰もいない。寧ろ、業界全体の課題として考えるべきことだ。しかし、プロパー消化率アップという目標を掲げるのは、間違でしかない。そのような定義出来ない指標をKPIに掲げても、自分の成績を上げたいがための、インチキが蔓延るだけで、状況が良くなる筈がない。プロパー消化率と言う指標を使用することで喜ぶのは、MDの本質を理解していない役員達だけでしかない。大事なことは、インチキできない指標を使い目標を立て、実務を遂行することだ。だからこそ。MDにおける数字・指標は、基本会計学に基づくべきというのが、自分の考えだ。
更に言えば、その数字の基本をしっかりと身に着けた上で、自分たちの組織に応じた目標・ルール設定をし、MD等の実務に臨むことが大事なのであり、そのことが、商品のプロパー販売の強化へと繋がるということを意識して貰えると幸いだ。

今後、”プロパー消化率”等という不要な指標について論じることは、一切する気がない!ということを、この場で訴えて、今回のブログは閉じる。

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