メールマガジンを登録していただくと、セミナー・イベント開催のお知らせやブログの更新通知をお届けします
ある程度の店舗数になってくると、本部からVMDの指示が来ている組織は多いと存じます。細かいディスプレイの指示まで出している組織もあるようですが、基本的にはVP(一番売れる場所)に、どの商品をどのような感じで展開して欲しい!という指示が、本部からきている筈です。
では、何故このような指示が本部から店に出るのか?と言いますと。
“適品・適時・適量等の売上を大きく左右する権限を有するMDは、それらの商品が売れれば店の売上予算達成の可能性が上がる!ということを把握しているからです。”
また、基本的にVMDはMDと一体であるので、(適品・適量・適所等の関係)VMDを通じて、店頭に指示を出しているということになります。ですから、MD・VMD等の本部は、MDの頭にあることを可視化し、そのことを具体的に表現することで、常日頃から店(特にSVや店長)とコミュニケーションをとらなければなりません。
ですが、これも業界あるあるですが、上記のような本部の指示を無視して営業を行う店も散見されます。基本的には商品の売る時期や数量を完全に把握している筈の本部の指示を無視しないで聞いた方が良いよ!というのが、私の考え方になります。
何故ならば、仮に指示を無視して売上が伸びたとしても、結果的に商品の発注数量数の少ないものを一生懸命に売っても長続きしない!ということが明白だからです。しかしながら、MDが主力商品として考えていた商品が売れなければ、元も子もないだろう!という、現場(店頭)の意見・声はその通りであり、決して無視してよいものではありません。
MDを含めた本部の側の人と店頭で仕事で従事している現場の方々の目的は、”(少しでも)多くのお客様を獲得する!”ということは同じです。
にも拘らず、MDを含めた本部の方々は、自分たちの指示を店頭に守らせることが目的となって、仕事を行っている人が多くいるのではないでしょうか?そのような状態になってしまうと、本部と現場の溝が大きくなるばかりか、組織全体の売上・粗利も下がり、良いことなど全くなくなってしまいます。
MDという仕事を完璧にこなせる人などこの世にはいません。自分の行った仕事の誤りを誰よりも早く見つけ修正する能力は、MDにとって必須なものです。ということは?現場(店頭)からの声に耳を傾ける必要が、常になければダメだということです。
特に、仮に売上が良くても、事業部全体の客数が下がり始めたときにこそ、自分たちの非に目を向け、店頭からの声、特に本部の指示を守らない店の声や行動に耳を傾けるべきでしょう。仮に事業部全体の売上は良いけれど、客数が低下している状況の中、本部の指示を守らない店が何店舗があった場合、特に声を聞くべき店を、私の独断と偏見で掲げてみますと。。。
① 売上が好調で特に客数が伸びている店。(客数が下がり、客単価が伸びて売れている店は後)
② ①の店の商品売上上位10~20品番と事業部全体の上位10品番の違いやズレを見る。
③ ②が全く違えば、寧ろ店が行っていることが正しいという仮説を立てる。
このことです。
上記のような状態は、現場(店)の方が行っているVMD等の施策が正しいと考えられますので、その場合にMDを含めた本部は、その店の情報を掴んだうえで、他の店舗にも情報を共有し、更に自分たちの行った仕事のミスを認め、具体的な修正案を店舗に情報として流さなければなりません。
当然、その中には、自分たちのが多く商品発注した商品を、あまりVPで展開するな!場合によっては、MDとしては頭が痛い、商品の店頭下げ指示も出さねばならない状況になるかもしれません。しかしながら、アパレル・ファッション小売で仕事を行うものの目的は。。。
ことですから、躊躇してはいけません。更に言えば、その多く発注したが売れないであろう商品を、どのように消化していくのか?ということを具体的に考え、実践しなければなりません。結果的に少しでもその判断が遅れれば、組織にとって害しかもたさない!ということになります。
最後に、MD等本部の仕事に従事する人は、その仕事の権限・責任は大きいかもしれませんが、エライ存在ではありません。寧ろ、現場(店頭)の方々が頑張ってくれてこその存在で、ある意味の黒子の存在です。そのことを、今回のブログで認識して頂ければ嬉しく思います。ということで、今回のブログは終了です。
繊研新聞社様主催で、私のMDウェビナーを開催致します。ご興味のある方は、下記リンクよりお申し込みください。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。