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販売側の色・サイズ展開に関する不満を解消するには?

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★色・サイズに関する現場の不満とは?

レディースの実売期等に入ると、販売の現場から以下のような声が上がることがあります。

”トレンドカラーが売れているのに、全然商品が足りない!”

このことは、特にレディースに見られる現象です。確かに、私が現役MD時代にもこのような声はよくあがりましたし、事実であることも間違いないでしょう。ですが、逆に下記のケースではどうでしょうか??

”2月3月にかわいく見えた色・柄が、4月に入ると急に邪魔に見えた。かわいく思えなかった。”

販売の現場の仕事に従事していると、このように感じることはなかったですか?レディースの販売の仕事に従事されていた方は、このような経験を多くされていたのではないでしょうか?

また上記の件以外にも、サイズの件があります。

”SやXL・XXLのサイズがもっとあれば売れた!”

等という声も、販売の現場から多く上がります。実際、その声が通りサイズを作ったとしても、意外にもそのサイズが思ったように売れないことが良くあります。また、発注数量がある程度多いアイテムならばいざ知らず、発注数量の少ない商品も含めて、杓子定規に、サイズ展開を拡げてしまっては、売れるサイズはすぐになくなり、端々の売れにくいサイズが、いつまで経っても残っている。更に言えばアウトレットでも全く売れない!等ということが起こります。

 

★店の意見を良く取り入れるような、一見性格が良さそうなMDはダメ

上記のようなことで、

”店の意見を取り入れた結果、在庫が残ったから自分の責任ではない!”

ということを言ったMDを、私は過去に何人かみてきました。しかしながら、MDの仕事は商品発注の最終ジャッジをするのが仕事であり、当然のことながらその責任を負っています。自分が責任逃れをするために、あたかも販売の現場の声をよく聞く、良い人柄のMDを装うような人は、MDとして失格ですし、即刻その職を辞するべきでしょう。
(一見、性格が良く回りの意見をよく聞くMDというのは、意外に信用ならないし、実務がポンコツのケースが多い)

では、上記のようなケースに対応する為に、MDはどのようなことを常日頃から行うべきなのでしょうか?
以下、私の独断と偏見でお伝えいたします。

① ブランド・ショップコンセプトを具体的に作成しておく
② 適時・適量を表現するMDディレクションMAPや商品投入計画表を具体的作成しておく
③ ①②の件で、常に現場(店頭)とコミュニケーションをとれるようにする
④ 残っても売りやすい色・サイズが残るように商品発注をすること

 

 

① ブランド・ショップコンセプトを具体的に作成しておく

これは、常々私が申し上げているように、コンセプトから見える、具体的な顧客像。価格戦略。商品計画のアウトラインをしっかり作成しておけ!ということになります。また、そのことが抽象的な表現だと、店頭で販売の仕事に従事する方々に、理解されない場合があります。そうならないように、販売の現場のアルバイトさんまでが、理解できるようなコンセプトを作っておく!というのが理想です。特に、色に関することや(メインカラー)や、顧客ターゲットから見えるサイズ展開のことも具体的に触れておくべきでしょう。

② 適時・適量を表現するMDディレクションMAPや商品投入計画表を具体的に作成しておく

これも①と同じです。シーズン・月等の商品の展開計画を具体的に作成し、アルバイトでも今シーズンのMDはこうなんだ!ということが、良く理解できるようにすることが理想です。特に商品の適時の表現をする際には、今年のトレンドを表現するキーカラーの色・柄の変遷を表現すること。そして、主力商品と提案?商品のサイズ展開の違い。そして、数量の表現を1店舗当たり、その商品のSKU単位でどのくらいの数量が行く渡るのか?ということも、わかりやすく伝える必要があるでしょう。

③ ①②の件で、常に現場(店頭)とコミュニケーションをとれるようにすること

①②をしっかり行うことで、初めて店頭と密なコミュニケーションをとることが可能となります。

”(商品を購入することで)多くのお客様に喜んでもらう!”という仕事の目的は、MDも販売員も同じなのですから、目的・目標を共有できるよう、MDは(販売の)黒子の存在だということを認識して、販売の現場が仕事をしやすい環境作りを欠かすことがあってはいけません。

 

④ 残っても売りやすい色・サイズが残るように商品発注をすること

販売の現場が言う意見というものは、具体的であるわけではありません。どちらかというと抽象的な意見が多い筈です。ですから、店頭から出た意見をすぐに取り入れる御用聞きの存在にMDがなってはいけません。MDは広い視野をもつことが重要です。それは、徹底的にデータ分析を行う!ということも重要ですが、それと同時に現場に足を運ぶことが、特に重要になります。そのことで、販売の現場よりも半歩先・一歩先を読んで、仕事に当たらなければなりません。

商品を全部プロパーで売り切る!等ということは、不可能なわけですから、セールになった際に、店が売りやすい色・柄・サイズが残るように、商品発注を心掛けなければなりません。その際に、参考になるのはアウトレットの売り場に立つことです。アウトレットでは、どのような商品が残っているのか?特に、アウトレットでも売りにくい色・サイズは、どのようなものだろうか?ということを具体的に掴むことが、商品の発注精度を上げるのに役立ちます。是非、MDはアウトレットの店頭に足を運ぶということを、仕事のルーティンに入れてほしいものです。

 

上記のことで、販売の現場の仕事に従事する方々の不満が全部がなくなるわけではありませんが、MDは常日頃から、販売の現場の仕事する方々が、どのようなことをすれば、常にお客様に真摯に向き合える環境が作ることができるのか?ということを、常に念頭に置いて仕事に打ち込むきっかけに、このブログがなったとしたら嬉しく存じます。

 

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