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MD設計はブランド指名検索にも影響する

「(ファッション・アパレルECで)SEO対策ってどこまで必要でしょうか?」

「SEO対策した後、どの箇所を確認すれば良いでしょうか?」

上記は弊社の新規のお客様からよく質問を受ける項目です。(本当に多い…。)たまにSEO対策すら必要無い、と考えられているブランドさんもいらっしゃいますね。場合によってはそれが正解なこともあるのですが、過去からの経験上、これで機会損失しているケースをよく見かけます。

筆者はSEOの専門家ではありませんし、細かい技術的な要素を含むとキリがありませんので、ファッション・アパレルECで比較的簡単にできるSEO対策について、ここで改めて書いておきたいと思います。まだ手を付けられていないと感じる方は参考にして頂ければ幸いです。

ブランドの指名検索はどのように生まれる?

ファッション・アパレルECの検索流入で、売上に直結しやすいのは当然「ブランド指名検索」です。なので、いかにここを増やすか?が検索対策の肝になりやすいのですが、指名検索にもいくつかパターンがございます。

①「ブランド名 アイテムカテゴリー名」

②「ブランド名 商品名」

③「ブランド名 店舗」

④「ブランド名 地域名」

⑤「ブランド名 取り扱い店舗名」

と、上記のような感じでしょうか。その中で特にMD設計と密接に結びついているのが①のカテゴリー名ですね。(①②が特に売上に直結しやすく、③〜⑤店頭送客ですね。)ではこの「カテゴリー名」での指名検索はどのように生まれるのでしょうか?当然、当該商品の露出が増えれば検索は伸びるのですが、そこはMD設計に沿って実行されなければなりません。

ECサイトの商品カテゴリーはどうやって決めるのか?

ECサイトの商品カテゴリーはどうやって決めるのか?

上記の記事でも軽く書いたのですが、ファッション・アパレルECで多くのケースにおいて手を付けていないのがこの「カテゴリーの整備」に当たります。MD設計の段階からつまずいている可能性が大いにあるので、順を追って見ていきたいと思います。

アイコンの設定

まず、一番最初の出発点はアイコンの設定。自社ブランドは何が一番得意アイテムなのか?という事ですが、ブランドコンセプトの根幹にも関わってくるポイントです。

Burrow

こちらは筆者のお知り合いのブランドですが、一目ですぐ「ニット」がアイコンだとわかりますね。この時点で「ブランド名 ニット」の検索クエリが増えるというのが容易に想像出来ます。ブランドにはこのように、それぞれアイコンが設定されているはずなのですが、それが「デニム」のように生地の場合もあれば「カーディガン」のようにざっくりとアイテム名の場合もあります。はたまた「ワイドパンツ」や「フリルブラウス」のように細かいアイテムを指定する場合もありますが、これらは全てブランド指名検索に関わってきます。当然ながら、アイコンに設定しているという事はそれだけそのアイテムの発注量も多くなります。MDを設計する際、アイコンの設定は必須ですから、まずはここが何かを確認し、その上でSEO対策を考えなければなりません。

逆に、自社では意識していなかったのに、ユーザーの検索クエリを見るとそのカテゴリーが多く見られる場合、それがアイコンだと認識されている可能性があるという事ですね。ユーザーのニーズに沿ってコンセプト自体を修正していくのも良いでしょうし、そこはブランドの方針次第です。

カテゴリーページの整備

ブランドの戦略として、型数や発注量を増やしているアイテムカテゴリーは、「カテゴリーページ」がある方がユーザーにとって利便性が高いでしょう。お目当てのカテゴリーが一覧表示されますのでサイト内検索で絞り込む必要もありませんし、Google検索で一覧ページがヒットしてくれると、それだけコンバージョンする確率も上がります。フーディが得意なブランドが「TOPS」というカテゴリーしか無いのは利便性が低いですし、同じアイテムを取り扱っている他社ECモールが「フーディ」のカテゴリーページを作成している場合検索で負けやすく、機会損失に繋がります。ですから、アイコンや得意アイテムのカテゴリーを見直し、ECではそれらをページとして予め用意しておく必要があるという事ですね。対策としては上記の記事にも記載しておりますが、検索されると予想されるキーワードをページの「タイトル」と「ディスクリプション」にしっかりと設定しておきましょう。

「通販」やアイテムの別の呼称(この場合は「セーター」)は網羅しておきたいですね。プッシュしたい会員特典があるなら差し込んでも良いでしょうし、コモディティ品なら「おしゃれ・かわいい・人気」など、アイテム名と合わせて検索されやすいキーワードも差し込んでおくのも良いかと。つまり手順としては、

「アイコン・得意アイテムの確認/見直し」→「それぞれのカテゴリーページ作成」→「タイトル/ディスクリプション整備」

といった流れでしょうか。

効果検証

次に効果検証ですが、これはSearch ConsoleとGoogleアナリティクスのランディングページにて検証できます。まずSearch Consoleですが、

検索パフォーマンスの「検索結果」をクリックし、

こちらの「+」ボタンをクリック。

検索キーワードを選択し、ブランド名を入力すると指名検索を絞り込む事ができます。あとはそのクリック数やクリック率が伸びたかどうかを確認するだけですね。(特定のクエリをクリックした後「ページ」タブを選択すると、当該クエリでどのページに遷移したかがわかります。)

Googleアナリティクス側では、

行動→サイトコンテンツ→ランディングページ ※セグメント機能で「自然検索トラフィック」のみに絞り込み

こちらを確認しますと、検索流入からランディングしたページ別のコンバージョン状況が確認できます。つまりSearch Consoleを確認して検索流入が上がったページが、しっかりとコンバージョンに貢献しているかをこちらで確認できるという訳ですね。

乱暴にまとめますと、まずは「ブランド指名検索」に関わる箇所をチェックし、カテゴリーごとの対策を施す。検証はSearch ConsoleGoogleアナリティクスのランディングページをメインに検証、という流れですね。ブランド属性によっては指名検索以外でもコンバージョンするケースはありますし、指名検索でランディングしたからと言って必ずしもCVR(買い上げ率)が高いという訳ではありませんが、最初に見る項目としてはこちらで良いのではないでしょうか。MDがどれだけECに影響を与えているかはこちらでおわかり頂けるかと思いますので、手が付けられていない場合は入念にチェックされる事をお勧めします。

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