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梅雨真っ只中で雨が続き、気分が落ち込みがちな日々。今日は、私の店長時代の話を記事にしてみました。
(サムネイル画像は、店長の頃の写真ではなく、自分の能力を過信し、天狗になっていた35歳前後の写真です(笑))
19年くらい前の春ごろ。私は、都心ではない郊外店の店長に着任することになりました。当時、私が在籍していた店の両隣が、販売員の個人ノルマや、声出し等の厳しさで有名だったあの企業の店でした。(その厳しさは今も変わらない?との噂)
私がいた会社は、販売員の個人ノルマなどなかったので、そのとき初めて「販売員に売上の個人ノルマがある」ことを知りました。そんなある日。私が朝出勤すると、隣の店のメンバーが大きな声で挨拶訓練をしている光景を目の当たりにした時は、「自分だったら1日で辞めるな~」なんてことを感じたことを、鮮明に覚えています。
そんなこんなで1か月もすると、隣の店の同世代の店長と仲良くなり、良く話をするようになったのですが、当時よく言われたのは、「マサさんは金髪だし、いつも自由そうで羨ましいです。」(当時の自分は金髪でした。ディベロッパーの責任者がビックリしていましたが笑)と言われていました。ですが、どちらかというと「どうしたら、もっと売れるんですかね??」という業務的なことを話すことが、多かったように思います。
当時、私のいた店が出店していた郊外店は、都心に比べると入店数も少なかったので、どの店も大した売上にならず、とくに両隣の店は1週間に1回くらい、必ず本部のSVが来て、私がバックヤードでストック整理をしていると、店長を詰めているのか?よく大声が聞こえてきていました。ですが、そのようなことがあっても、その店長は周囲につらい顔を見せず、スタッフを良くまとめ店を運営していました。(休みの日も出勤していたようですが・・・)
私がいた店に比べ、その店長の店の売上は芳しくなかったのですが、売上が厳しそうな日に、その店を覗いてみると、仲の良かった店長は、まだ売上が0の段階で、売上が喉から手が出るほど欲しくても、決して無礼なふるまいをするわけではなく、お客様にタメ口を訊くのではなく、たとえお客様が商品を購入しなくても、笑顔でお客様をお送り出していました。(SVのプレッシャーは猛烈だったので、本当は喉から手が出るほど売上が欲しかったでしょうが。。。)
しかしながら、いつの日から店長の姿が見えなくなりました。そのことを、若手スタッフの質問したら、店長は胃に穴が開き入院したのち、そのまま退社されたとのことでした。
今もその店長のことをたまに思い出したりします。
ここで話は変わりますが、昨今「売れたもん勝ち!」「売れれば何をしても許される!」的な風潮があります。また、私のようなアドバイザー・コンサル的な仕事でも、目先のお金ばかりに目が眩み、出来もしないことを出来るように振舞ったり、噓のきれいごとを並びたてる人がいます。また、さほど効果が出そうにないであろう、システム屋と協働し、無駄な費用をお客様に負担させている!等のこともおきています。ですが、お金の稼ぎ方というのは、人それぞれであって、私もこのことを否定しきれません。
現在、コロナ禍の厳しい状況の中で、アパレル小売業の仕事に従事される方々で、お客様に対して、真摯に向き合い一生懸命に仕事をしていても、全く結果が出ない場合が多々あります。そして、そのことで、周囲に評価されず、組織に認められないケースも多々あるでしょう。前述した店長などは、まさしくこのタイプでした。そのくらい世の中というものは、不条理なものです。
ですが、上述した店長のように、真摯に一生懸命に仕事をしても報われない!そのような不条理な状況でも、アパレルやファッションの仕事を諦めないで欲しいのです。
私が出来ることは微力でしかないですが、少しでもこのような状況がなくなるよう尽力する所存です。
この先の遠くない未来に、アパレル小売業界の仕事に従事されている方々で、”お客様に役立つことをする!”。という真摯な姿勢で仕事に取り組んでいる方々に光が当たることを、私は願ってやみません。
今回のポエムは終わりですm(__)m。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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