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vol.17 服飾専門学校 V.S 四年制大学

 

皆さま、こんにちは。暑い日が続いていますね。各地で熱中症患者も多くなっていますので、お気を付けください。

さて、本日は「服飾専門学校 V.S 四年制大学」と題して、それぞれのメリット・デメリットを考慮し、結果どっちがいいのん?ということについて、僕の実体験を交えながら書いていこうと思います。

マサさんのフォロワーにも、私のフォロワーにも高校生はほとんどいないように思えますが(笑)、これから進路を決めるであろう方々の役に立つと幸いです。

 

①服飾専門学校のメリット・デメリット

②四年制大学のメリット・デメリット

本人次第?

 

まずお伝えしておきたいのは、僕は服飾専門学校(四年制学科)を卒業しているということです。それゆえに、大学のことを事細かに知っているわけではありません。ですが、仕事を始めてから繋がった方々や、四年制大学を卒業した方との会話の中で見つけた知識を生かして書いていきます。また、この記事は何となく「アパレル系の仕事に就きたい」と考えておられる方に向けたものです。

 

①服飾専門学校のメリット・デメリット


最初に結論から述べますと、服飾専門学校の最大のメリット

・専門教育が受けられる

という一点です。当たり前のことじゃないか、というツッコミがありそうですが、これはいわば過去の膨大なアーカイブなどによって、本当にありとあらゆるファッション的教育が受けられるということです。普通の大学では触ることのできない珍しい素材や、70年代~80年代のコレクション映像、時に原始時代まで遡った服装史なども受けることができます。

また、多くの服飾専門学校では、ファッションにおける多角的教育というよりも、「服を縫う」ということに主眼を置いた教育がなされています。これは、ある面ではデメリットになる部分もありますが、洋服の構造を知ることはとても大切なことです。

そして、もう一つ決定的なのは、

・各企業にコネクションがある

ということです。もちろん、大学にもコネはあるのですが、その服飾専門学校の人が入社した会社であれば、多くの人が知っているハイブランドなどにも入り口が用意されています。特にパターンナーやデザイナー、テキスタイルデザイナー、ソーイングスタッフなどは優遇される傾向が強いと個人的には思います。なぜなら、四年制大学を卒業しても服を作れないからです。

 

逆にデメリットも多くあります。それは、

・ファッションをビジネスとして捉えるのが極めて難しい

・仕事の方向性を転換するのが困難

ということです。一つずつ説明していきます。

まず「ファッションをビジネスとして捉えるのが極めて難しい」というのは、上述したように「服を縫う」ということがメインとなる中で、売上と粗利がどうとか、B/S・P/Lがどうとか、そういったことは二の次、三の次になってしまうことが否めないからです。故に、社会に出た時に持っていた方が便利なもの、つまりPCのスキルやネット環境のことは疎かにされる傾向があります。

次に「仕事の方向性を転換するのは困難」というのは、学校全体に「アパレル業界を目指す人」のみが集まるため、どうしてもその他の職種の選択肢が回って来づらいのです。専門学校はあくまでも専門教育を受ける場ですから、入学した後に「やっぱり料理屋さんになろうかな…」というのは、なかなか難しいかと思います。

 

②四年制大学のメリット・デメリット


一方で、四年制大学のメリット

・仕事の方向性を転換させることができる

・俯瞰して様々な物事を見ることができる

などです。基本的に多くの学科が集う大学においては、隣の教室ではまったく別の授業が行われている、ということがあります。自分はデザイナーを目指しているが、方や隣の友人は研究者を目指している、みたいなことです。服飾専門学校のデメリットでも書いたことですが、入学した後に「やっぱり料理屋さんになろうかな…」という選択が可能です。

また、経営学部や経済学部、美術学部、文学部、社会学部などからもアパレル産業へ踏み出すことが可能で、多様な選択ができるのも特徴の一つです。服飾専門学校には、割と大真面目に「今晩の夕食をコンビニのキャベツにして服を買う」という、いわば熱狂的服好きが集う傾向にあり、服にのめり込むことが多いです。

 

四年制大学のデメリットは、

・服が縫えるようにはならない

・専門卒の熱狂系には敵わない

などです。簡単に言ってしまえば、服飾専門学校のメリットの逆ということになります。服飾専門学校には、膨大な数のミシンやアイロン、服作りに欠かすことのできない設備が揃っています。Tシャツにプリントをするのも、ニットを編むのも、90年代風の衣装を調べるのも、兎に角容易です。大学にはこれらの知識と設備がありませんから、独学で服を作るしかありません。

また、古着屋で見かけた洋服を、「○○(ブランド)の1987年S/Sコレクションだ」というレベルまで掘り下げるオタクは、服飾専門学校では割とよく見かけました。また、一般的な認知度の高いブランド以外にも、様々なブランドやショップを知っているので、そういう意味における熱狂度は専門学生の方が強いと思います。

 

本人次第?


ですが、結局のところは「本人次第」です。この「本人次第」という言葉は、僕も学校選びをしている中で何度も目にした言葉ですが、突き放すように見えて真実です。「どいつもこいつも本人次第なんちゅう言葉を使いやがって、んなことは分かってんだよ」といつも思っていましたが、これは真実です。

専門学校に在籍しながらも、その他のことを学ぶ機会は自ら創出できますし、退学・休学という選択肢がないわけではありません。大学にいながら、夜間の専門学校に通う人もいるし、独学で服を作り、売る人もいます。

また、自分が将来目指す職種から選ぶというのもありです。例えば「服作りの知識が絶対に必要」であるならば、それを求めることも自然な選択です。それに、「学生」というのは良くも悪くも自由な存在です。名刺を必要としないこの時代は、誰にでも気軽に話を聞くことができます。これは本当にかけがえのないメリットですから、是非利用しまくってほしいと思います。

 

ご存知の方も多いと思いますが、アパレル業界はレッドオーシャンです。私が以前一緒にお仕事をさせていただいた山梨の産地の職人さんも「息子がいても、絶対この業界には入らせない」と仰っていました。ですが、やはり面白く、そして人に夢を見せることのできる仕事でもあります。今はインターネットでなんでも調べられる良き時代ですから、是非、勇気を持った決断をしてほしいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。(ワダアサト)

 


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