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vol.20 実録!「こんなショップは嫌だ」

皆さま、こんにちは。秋も深まり、気温がぐっと下がって参りましたね。山梨の山々は紅葉真っ盛りで、とても綺麗ですよ。是非、お越しください。

 

さて、そんな本日は「実録!『こんなショップは嫌だ』」と題しまして、僕がこれまで見てきた実際のショップにおける「嫌だ」ポイントを書いていきたいと思います。勿論、実名は伏せますが、来春から新しい生活を始める方には、是非とも加えてチェックしていただきたいところです。(あくまでもお客様目線ではなく、働く人目線の視点になってしまいますので、ご了承ください)

 

①新人研修で富士登山&キャンプ

②ウェイ系のノリがある

③じっと見つめてくる店員

④資料が雑に重ねられている

⑤休日の朝も仕事の連絡を気にしなければならない

⑥電話が多い

⑦いる意味はないけどいなければならない会議

⑧意見を言えない会社

⑨「見て覚えろ」の謎

⑩社員が店舗に来ない

 

 

①新人研修で富士登山&キャンプ


冒頭から驚くべき「嫌だ」ポイントですが、これは実際に行われていることです。僕は登山と源流釣りを生活の一部にしていますので、よく分かるのですが、ガイドもなく富士登山に行けば人は死ぬことがあります。「団結力を高める」という目標の為に行うこととしては不適切だと思います。

実際にこの研修の様子(これは研修なのか?)を写真で見たことがありますが、きちんとした登山靴やバッグパックも用意されず、入社してからすぐに行うようです。そこに映る新入社員の顔が皆一様に苦笑いで、こりゃキツイだろ~な、とつい笑ってしまいました。

これは、もう、どこどこを改善すれば良い、とかいう話ではないので、もしこういう会社に当たってしまったら(しかも入社後に言われることが多い)諦めるしかないです。そうならないように、今から仕事を探す人には是非チェックしていただきたいところです。

 

②ウェイ系のノリがある


ウェイ系、つまり分かりやすく言うと「体育会系のノリ」です。これはアパレル系企業には本当に多いように思います。

あのL●H系の人達や、YouTuberにありがちなやや青みがかったサングラスをかけ、「夢」だとか「時代を創る」だとか、そういうことを平気で言いながら吞む、あのノリです。最近はコロナ禍の影響であまり聞く機会もありませんが、コロナ以前はよく催されていました。

企業にとって大きな目標を持つことを決して悪いことではありません。またスタッフ間の人間関係は、働く人にとってとても大切です。しかし、今の若い人たちはそういうノリを冷めた目で見ているということも理解してほしいところです。

 

③じっと見つめてくる店員


こちらはお客様目線でのことになりますが、僕は買い物に行って、じっと見つめてくる店員さんが心の底から苦手です。何か、服を畳むなり、PCをいじるなり、そういうことをしていてほしいと思います。以前どこかの企業で「私に声をかけないでくださいバッグ」を導入していましたが、店員さんに見られるが苦手と言う人は、かなり多いのではないでしょうか?

まるでこちらが万引きをするのではないか?と疑われている気分になります。もっと嫌なのは、見つめてくる上に、にったり笑顔の場合です。シンプルに怖いです。

 

④資料が雑に重ねられている


これはテキスタイルを製作したり、繊維製造などのいわゆる「川上」系企業に多い傾向があります。企業としての歴史が古く、あらゆるデータが蓄積しているので、やや仕方ない側面もあるかと思いますが、いつのデータがどこにあるのかということさえあやふやになっている所が多いと感じます。探しても見つからないなら、何の為のデータか分かりません。

せめてファイリングするなりの作業をしてほしいと思います。ただ、そんな時間もないよという会社が多いのも現実です。

 

⑤休日の朝も仕事の連絡を気にしなければならない


これは本当に多いですよね。今日は天気も良いのでさてどこかに出かけよう、と髪の毛をセットしている時に、スマホの画面に仕事の連絡が入る。この面倒くささというか、忌まわしさというか…。

会社を経営する立場、あるいは責任が大きい立場になれば、これはある意味で当然のことですが、そうでない方たちにとってこの連絡は「煩わしい」以外の何物でもありません。時代は令和です。仕事は仕事、プライベートはプライベート。そうやってきっちり分けた方が、普段の仕事にも熱が入ると思うのですが、どうでしょう。

 

⑥電話が多い


ここで言うのは「メール、LINEで済むようなことをわざわざ電話で連絡する」という悪しき伝統が残っている企業を指します。上司から要件も言わず「明日空いてる?」などと電話口で言われた時には、絶望に近い感覚がわいてきます。

正直、地方の古い会社には未だにPCを使わない方もいるので、やや仕方ない側面もあるかと思います。

因みにマサさんとは一度も電話をしたことがありません…(笑)

 

⑦いる意味はないけどいなければならない会議


今年の10月にとある企業さんから、デザインとディレクションのご依頼をいただきました。最初に行われたミーティングの時間が、4時間52分でした。iPhoneでチェックしていたので、時間に狂いはありません。その中で僕が発言したのは二言、三言。同世代の方は一言も発言できませんでした。

結果としてお断りしてしまったので、ここに書くことができますが、マジで時間の無駄でした。いや、僕だってそんな分刻みのスケジュールで動いているほどの人間ではありません。でもこの5時間って、もう皆の集中力だって切れているし、良い意見なんて出るはずがありません。逆に考えれば、座っているだけで給料が発生するんで楽なんですけどね。ちなみに、この会議はあれからノンストップで続いているそうです。冗談です。

 

⑧意見を言えない会社


⑦にも通ずるところがあると思うのですが、これははっきり言って「勿体ない」以外の何物でもありません。僕もこの歳になって気付いたのですが、自分よりも若い人の意見は(もちろん年上の方も)、本当に貴重になることばかりです。それが実現不可能な突飛な発想であっても、上司は耳を傾けるべきです。もっと言えば、そういう意見を言いやすい「環境づくり」をすることがとても大切です。

全員が黙って仕事を進めていくという美学もあっていいと思いますが、人の「意見」は思わぬところで大きな幸運をもたらしてくれることもあります。

 

⑨「見て覚えろ」の謎


今時「見て覚えろ」式企業があるのか、と驚く方もいるかと思いますが、これは刀鍛冶の現場だけではなく、実際にアパレル企業でも行われていることです。まず見て覚えてもらう行為よりも、言って覚えてもらう行為の方が、遥かに合理的で時間もかかりません。

このタイプの上司に当たってしまって、アドバイスや教えを乞うと「甘えるな」などと言われることがありますが、見せただけで仕事ができると思い込み、甘えているのはその上司の方です。まるで赤ちゃんの様に付きっきりであれこれ手ほどきをする必要はないと思いますが、せめて聞かれたら答えるくらいのことをしてもいいのではないでしょうか。

 

⑩社員が店舗に来ない


実店舗は言うまでもなく、そのショップ/ブランドの商品とお客様がダイレクトに接する唯一の場所です。その為データ上/机上では想像できなかった事態が起きる場合があります。例えばお客様の導線がVMD通りにいかない、などです。その際に、それを改善する手立ての多くは「現場」に落ちていることがほとんどです。

MDに関しても同じことが言えます。データはデータとしてみる必要がありますが、実際のお客様の動きはやはり現場でしか分かり得ないものです。ECにおいても何らかの瑕疵やその相違があるのに、実店舗で起きない訳はありません。また本部が実店舗に来ない場合、店員さんとの連携がとれず、相互的な悪循環に陥ることも多々あります。ですから、やはり「自分の目で見て、実際にその環境に触れてみる」ということは、もの凄く大切なことです。是非、偉くなってしまった人にこそ、足を運んでいただきたい場所が実店舗です。

 

僕は26歳です。しかしそれでももっと若い人に言わせれば「いや、お前も古いよ」というところでしょう。勿論、伝統や風習を大切にすることはとても大切なことです。絶対に変えられないポイントもあるでしょう。しかし富士登山はすぐにやめるべきですし、社員(上司と部下)全員で集まり、吞むのもやめるべきです。やめられることだから、です。せっかくの仕事なんですから、楽しく仕事をしたいと思いませんか?最後までお読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)


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