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アパレルECの支援をしておりますと必ずと言っていいくらいお客様からご質問があるのが「サイトコンテンツの更新」について。
・記事を更新して売上につながるのか?
・どの頻度で更新したら良いのか?
・更新するのに人員が足らないが後回しで良いのか?
などなど。まぁやらない理由出していきますとキリが無いのですが、普通にお客様の課題解決を考えたらやるしか無いとは思っています。これ、社内にMDの概念が浸透しているかどうかによっても大きな差がありそうで、オンライン専業や卸主体のブランドほど重要性をご理解されていない気はしています。そんな訳で本日は、サイトコンテンツ企画とMDがどう連動しているかについてざっくりと解説できればと思います。
(検証方法なら下記記事をご覧ください。)
まずはブランドの根幹となるコンセプトやそこから導き出される毎シーズンの「シーズンテーマ」。また、ブランドを象徴するアイテムである「アイコンアイテム」の確認ですね。当然ながらこれらの根幹となるものに沿ってサイトコンテンツは作り込んでいく必要があります。お客様に「どういったブランドとして認識してもらいたいか?」はとても重要ですし、ここがブレているとお客様に記憶してもらいにくいでしょう。
月ごとに商品はオーダーしているのに「スタイル」が決まっていなかったり、はたまた在庫を厚めに積んである「強化品番」が決まっていない…。というブランドもたまにありますが、それだと「何を売れば良いか?」が明確で無いですから、当然ながらサイトコンテンツも固まらないでしょう。先ほど「アイコンアイテム」を確認していますから、強化品番の中にはそのようなアイテムが含まれているのが普通の流れです。また季節に応じて必要なアイテムは変わっていきますから、それらを踏まえた上でどの月に何を売るかを明確にしてください。
これはECだけでなく、実際の店頭でも同様です。店頭を見ておりますと大体、3つのテーマに分かれていることが多いのですが、そのテーマごとに月ごとに提案スタイルが代わっていきます。そのスタイルの中で定番品・アイコンアイテムをプッシュしたり、売れると予測されるものを厚めに積んだりします。
月ごとの展開計画に紐付き、販促計画も立案されているでしょう。強化品番と位置付けたところで、その在庫を捌くロジックが必要です。では、
・そのアイテムを雑誌に掲載するのか?
・プッシュしたいスタイルの画像を使い広告を出稿するのか?
・そもそもブランド認知を上げる為にコンセプトに紐づいたビジュアルで広告出稿するのか?
などなど。ここの事前に品揃え・展開計画が決まっているなら設定はしやすいですね。
①〜③が決まっていれば、サイトコンテンツの企画はとても簡単です。
例えば、
①:ニットがアイコンのブランドが、
②+③:3月に雑誌コラボアイテムは展開するので、
④+③:
■商品とスタイリングがわかりやすいLPを制作。(コーディネートのスタイルは②で記載した各月のテーマに沿って)
■LP→商品詳細ページへの遷移が増えるので、事前に販売員コーディネートを多数用意し、商品詳細ページにて表示されるようにしておく。商品詳細ページ側にもLPの導線を忘れず。
■連動してリスティング広告出稿。(タイトル・スニペット調整)
+
■雑誌・ブランドのIGアカウントにて販売直前にコラボライブ。(アーカイブ動画に紹介した商品のタグ付け。アーカイブ動画はLPに埋め込んでおく。)
■連動してSNS広告出稿。(LPと同じビジュアルを活用)
■店頭への来店も増えると想定し、Googleビジネスプロフィールの整備をしっかりしておく。(営業時間・最新の外観/内観写真アップロード/投稿にてフェア等のプッシュなど)
■店頭にこの施策のポップを用意。→LPへのQRを設置。
■ニットのケア・保管方法をメルマガ or ブログ等でお知らせ。
と、上記のように簡単にタスクリストが完成しましたね。これを見ると「売上につながるのか?」なんて疑問は、アパレルの現場出身者なら出てこないでしょう。店頭ならこれらの一部を販売員さんが当たり前のようにしてくれていますが、ECでは事前に準備しておかなければ対応できません。お買い物をする際にお客様がどこでどう迷われるか?を想像し、それに対してあらかじめサイトコンテンツで対応しておく、という考えは普通だと思うのですが、何故か自分が売る側に回るとそれらをすっ飛ばし、商品詳細ページがあればそれで十分だと思われることが多々ございます。
中には上記ECサイトのように商品詳細ページにて十分すぎるほど情報量を担保し、1ページでクロージングできそうなショップもありますが、これもサイトコンテンツでどう対応するか考えられた結果ではないかと。(とは言え、こちらのショップのインスタライブはいつも多くの人が閲覧しにきていますが。)
普段よく店頭・WEB両方使っている方はよくご理解されていると思いますが、ここまで頑張って企画・更新したとしても店頭と比較してECは商品が見えにくいです。それだけ直に商品を手に取って見る、試着する、販売員さんの接客を受けるというのはコンテンツ力が高いのです。
個人的な所感ですが、アパレルECにおいては「やり過ぎる」くらいでちょうど良いのではないかと思うのです。ショップによってはあえて買いにくくすることで希少性を高めるケースもありますが、原則はいかにリアルに近い購買体験を提供できるかが目指すところですし、それを実現するための一手段がサイトコンテンツだと思っております。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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