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こんにちは。関東甲信が梅雨入りをして、グズグズした天気が続いています。湿度が高い日は、コットンではなく化繊の洋服を着ると、ちょっとだけマシになります。
さて、そんな本日は僕の近々に起きた実際のピンチを例にして「契約書」の重要性、そしてそれを結ぶことのメリットを挙げていきます。最後まで宜しくお願いいたします。
2022年、つまり今年の4月頃、とある僕の知り合いA(同級生:友達ではない)から「ロゴデザインとキャラクターデザインを依頼したい」というお話をいただきました。納期は5月最終日、中々辛いスケジュールでしたが、知り合いということもあってお受けすることにしました。
連絡を取り合う中で、当然デザインそのものの話と同時に料金の話にもなりました。その中で、A側は「XY円くらいで」という話になり、昔からお世話になっている人以外では”はじめて”契約書を交わすことなく、仕事をスタートさせました。
そして5月の最終週に納品し、いよいよ口座への入金を待つ段階となったところで、Aが所属する会社の上司Bから「この話はなかったことにしてください」と言われました。主な理由は以下です。
・料金が高すぎる
・そもそもAがそんな依頼をしたことを了承した覚えはない
僕としては、極めて一般的な価格で、何なら相場より低い料金を提示したつもりですが「相場なんて知らない、専門ではないので」とも仰られました。そして最終的に言われたのは、
・契約書を用意していないのはそちらの瑕疵なので、お金は払えない
・何なら弁護士を用意して闘争してもいい
とのことでした。
一か月近くデザインを詰めて、ただ働きかよクソったれ、と僕自身も憤慨していましたが、何より「契約書」を結んでいなかったのは確かに僕のミスだと思いました。加えてもっと腹が立ったのは、納品した4種のデザインをBは確認すらしていない(見てもいない)ということでした。
Bとの電話の中で、僕は「こちらもボランティアでやっているわけではないので、”なかったことに”というのは出来ない」と言いました。要するに、揉めに揉めたということです。
結果として、上記の出来事は、料金を半額にすることでご納得いただき、仕事そのものはきちんと終わらせました。これは決して「有終の美」的なものではなく、恐らく互いに二度と仕事をすることはないレベルの話です。
僕自身、こういった出来事に直面するのははじめてのことでしたので、とかく困惑し、憤慨し、自分に対しても後悔をしました。
僕はこの件で、
と強く決意しました。法的には、口約束の時点で契約が結ばれたとされますが、近い場所に弁護士を持たない僕にとって、そういった断片的な法的知識は泡です。「弁護士を用意して裁判してやろうか?」と言われてしまえば、こちらが勝てるだろうなと思っても、その手間暇を鑑みて、引いてしまうのが現実です。
こういった様々なトラブルを事前に避ける為に存在するのが「契約書」で(これを”予防法務”と呼ぶらしい)、どんなに零細な仕事でも、必ず用意しておくべきだと痛感しました。
「契約書を作成すると、相手に不信感を持っていると思われる」という考え方もあることにはありますが、後で揉めることに比べれば、そんな穿った考えはどうでもいいことです。どれだけ信用している人でも、良い意味で「信用しないこと」はとても大切な視点だと思いました。
大きい会社であれば、様々なルールや知識をそれぞれの人が持っていて、それを共有することができます。一方で、僕の様に一人でやっている人は「法律」ということをある程度知っておく必要があると痛感した出来事でした。
最も身近なのは「著作権・肖像権」に関すること、そして「古物商」「特定商取引法」系の法律です。OMOTE TO URAでは洋服も植物も販売していますから、それに伴う細かい法律を知ることは、絶対に必要です。植物においても(挿し木で)増殖させてはいけないものや、販売してはいけないもの、送る時の法的ルール、こういったものが細々決められているのです。
ビジネスをしていれば、いつかは何らかのトラブルに直面します。その為に、しっかりと自分自身で調べ、法的根拠を持つ契約書をしっかりと交わしておきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)
OMOTE TO URA代表。文化服装学院グローバルビジネスデザイン科卒業。EXHIBITION NEW SHOCK・CULTURE BREAK MARKET主催。
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