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アウトドアファッションの鉄則

 

僕の友人にAという人がいます。7月にAと源流釣りに行ったのですが、彼ははじめて川の中に落ち、低体温症一歩手前に陥りました。傍で見ていた僕も「あ、これはヤバいやつだ」と思い、すぐに救助を行いましたが、僕の防寒着や雨具全てを貸しても、竿を持つ手がブルブル震え、緊急避難的に焚火を行い、行動食を分けて、何とか難を乗り切りました。

自然を相手にするアウトドアは、本当に危険が潜んでいます。あらゆるメディアで「注意しましょうね」「気を付けましょうね」と言われていても、実際に自分が死の淵に立たされないと、人は学ばないものです。

そこで、本日は「アウトドアファッションの鉄則」と題し、アウトドアにフォーカスした記事を書いていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。

 

 


【キャンプ・ガーデニング・ウォーキング・BBQ等】

この運動強度「Level 1」で最も注意すべき点は”お手軽ゆえに知らない危険”です。キャンプやBBQは誰もが一度は体験したことがあるものですが、これらの手軽な遊びでも、毎年のように死者が出ています。

ここで最も注意したいのは「防寒対策」です。え?真夏でも?と思われるかもしれませんが、自然を舞台にするアウトドアでは天候の急変が必ず付き物です。このような場所では風速1㍍の風で体感温度が1℃下がるとされますので「防寒着」を欠かさずに持つようにしてください。また、標高が100㍍あがるごとに気温は0.6℃下がります。これも頭に入れておきたいことです。

ウィンドシェル(引用:mont-bell

また、「濡れたら着替える」あるいは「濡れてもすぐ乾く服を着ていく」という視点はとても大切です。(後述します)

 


【一般的なスポーツ】

この「Level 2」で最も注意したいのは「汗」の存在です。汗をかくのは良いことですが、衣服に吸収された汗などの水分が冷却されて、低体温症になる危険性があります。低体温症は熱中症などに比べ、あまり語られる機会がありませんが、冬に低体温症で亡くなる人は熱中症よりも多い危険な病です。

そしてこれを防ぐのが「速乾性と通気性」という視点です。

汗をかく場合は、吸収させ、更にそれを逃がす機能を持った素材が求められます。そして、この面において最も優れているのがポリエステルです。一方でナイロンは速乾性には優れますが、吸湿性が低い性質を持つので、アウトドアには向いているとはいえません。

また、コットン(綿)は保温性に優れますが、速乾性に劣りますので、アウトドアのフィールドにおいては使用しないことを推奨します。ちなみに冒頭に書いた僕の友人Aはコットンを着ていたので、いつまでも乾かずに濡れたままでした。

 

 


【登山・源流釣り・クライミング等】

「Level 3」のアウトドアでは「Level 1」とうって変わって、毎日のように死者が出ています。その原因は「遭難」がほとんどですが、この遭難時に注意したいのが、やはり服装で、即死でない限りは防寒対策をすることにより、生存率が一気に高くなります。

その為にも、ハードなアウトドアで心がけたいのが「レイヤリング」(重ね着)の視点です。

アウターレイヤー:雨風など外気から身を守る層。ミドルから放出される汗を透湿させる役割も備える。

ミドルレイヤー:中間着。レイヤリングの調整役で、保温が大きな役割。行動する時にはアウターとなる。

ベースレイヤー:汗を吸い上げ、肌をドライな状態に保つ。

ドライインナー:汗を素早く逃がし、汗冷えから身を守る。個人的には最も重要。

この構造を利用して、汗を逃がしながら行動するということがとても大切なことになります。

 

いずれにしても重要なのは「自然をなめないこと」「事前の準備と下調べを欠かさないこと」です。お洒落なファッションでアウトドアを楽しむと気分もあがりますが、それ以上に「命を守るための」ファッションで、楽しむようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。(ワダアサト)


先日書いた「山梨の源流釣りの世界」も合わせてお読みいただけると幸いです。

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