ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

MENU

ファッションビジネス ・リテールMDアドバイス ・マサ佐藤

在庫がないと売上は伸びませんよ!

★”適時”の商品投入が課題な組織が多い

昨今、アパレルの在庫問題がメディア等で多く取り上げられ、「在庫を持つ」ということをリスクである!と感じる組織・人が増えています。また、そのような方々は「受注発注こそがこれからのアパレルの在り方だ!」等という意見を述べますが、注文してからのリードタイムを受けいれてくれるお客様は多数派ではないでしょうし、多くの商品数量が見込めないことから、商品の価格も高くなってしまいます。結局、在庫を持つリスクを負わない限りは、アパレル・ファッション小売業の業績が大きく伸びることはありません。しかし、当然のことながら在庫を闇雲に積み込めば良いというものではなく、お客様の欲しがる商品を欲しがる時期に商品を投入しなければ、多くの在庫を残してしまうことになります。

私がMDアドバイザーという謎な職種?を始めてから、かれこれ9年が経過しましたが、これまで多くのお客様と仕事をさせて頂きました。ありがとうございますm(__)m。
そんなMDアドバイザーとしての知見を重ねる中で、多くのお客様の課題として上がったのが、商品の”適時”投入が出来ていない!という問題です。簡単に言えば、お客様が必要している商品が、お客様の必要としている時期に在庫を持てていない!ということになります。

 

★売上ピークの手前で在庫をピークにすることが理想

では、(お客様が)必要としている時期に必要な商品を揃える為にMDはどういうことを意識したら良いのか?ということを簡単にお伝えしますと。

”売上がピークになる月(週)の手前で、在庫をピークに持ってくる!”

ということです。

例えば、11月から防寒アウターの売上が急激に伸びるならば、10月末までには防寒アウターの在庫金額を積んでおけ!という単純なことが必要となります。


しかしながら、11月に防寒アウターが売れるのであれば、11月に商品を仕入すれば良いではないか?という声があがる筈です。ですが、昨年のように10月後半から急激に気温が下がった場合どうでしょうか?11月商品投入ならば対応出来ませんし、更に納期遅れなどが発生すれば、売上を大きく下げるだけでなく、在庫が多く残ります。

また、11月初旬が気温が高い場合はどうでしょうか?この場合は、気温の推移に注意を払いながら商品をどのタイミングで投入するのがベストなのか?タイミングをはかりながら商品を店頭に投入すれば良いだけのことになります。言い方を変えれば、10月に防寒アウターの商品仕入を多くし、在庫がMaxになっているけれども、11月初旬の店頭には防寒アウターの在庫は多く見えない!(出していない商品もある等)という調整が効くということです。更に言えば、仮にその商品が納期遅れになっても、10月後半で防寒アウターの納期を設定しているのですから、2週間くらい納期が遅れても全く問題ない!という、リスクヘッジになります。

そして、このようなことを事前にMD予算設計しておく!ということが重要です。
上記の防寒アウターの例でいえば、11月の売上予算が高い→10月の仕入予算を大幅に増やし、10月末の在庫をMAXに持っていく!といった、MD予算(売上・粗利・仕入・在庫)を月(週)別にストーリー展開(設計)をすることが重要となります。

★ユニット管理も大事だが、最重要なのはマネー管理

また、昨今MD設計において、標準的な商品の展開数量を設定し、月(週)別の商品投入アイテム・SKU数等のユニット管理を緻密に行っているところが増えました。このこと自体は良いことで、このことを行わないと、店頭から商品が溢れかえってしまい作業ばかりが増えてしまう等、販売の現場に迷惑をかけることも多くなってしまいます。
しかしながら、月(週)別の商品の投入アイテム数を設計すること自体が目的となってしまう。また、店頭を商品を埋めることが目的となってしまい、在庫金額のチェックを怠ってはいけません。月(週)別の商品の投入アイテム数を設計することも重要ですが、それ以上に大事なのは、様の需要が高まり売上がピークになる月(週)の前に、必要な在庫金額を積み込むことこそが、MDとして最も重要なことです。

一つ例を述べますと、店頭が商品で埋まってなくも、大人気の商品1アイテムで必要在庫の金額を満たしていれば、その方が店の売上が伸びる!ということが多々あります(人気商品の入荷日にオープン前から行列が出来る等がこの例)。このことは、私自身も経験しましたし、弊社のお客様にも良くみられる傾向です。ですので、繰り返しますが、売上がピークになる月(週)の手前で、必要な在庫金額を積み込むMD設計が重要となります。

また、このようなことを円滑に行う為には、商品の”納期を制する!”ことが重要となります。そのためには、自分たちの組織のMDスケジュールを作成し、可視化・共有することが重要です。このことは、私の過去記事に記載していますので、下記の記事をご覧くださいm(__)m。

【マサ佐藤の駆け込み寺】納期遅れを回避するには①

最後に、組織の売上・粗利を最大化し、業績を伸ばしたいのらば、在庫(出来れば質の良い在庫)を持つこと重要ですよ!ということを強く訴えて、今回の記事は終了です。
この度は、記事を読んで頂きありがとうございます。次回もよろしくお願いいたします。

新しいサービスをスタートしました。店長育成にご興味のある企業・組織の方は、気軽にお問い合わせください。

「店長・SV向け講義」をスタートしました

MSMD & Co.,Ltd
MSMD & Co.,Ltd Twitter
弊社への問い合わせ・仕事依頼はこちら

この記事をシェアする

RANKING POST

1

2020.07.07

大量生産と過剰供給は別物
2

2020.04.27

EC・通販専業ブランドも標準店舗の概念が必要なのでは?
3

2021.10.29

YouTubeは稼げるのか?!YouTube登録者1,000人のリアルな収益を発表

NEW POST

2024.03.28

自社に合ったダッシュボードの作り方

2024.03.26

ロンTは何故売りづらいのか?

2024.03.22

アパレル販売のキャリアと価値

2024.03.21

売上が小さいとデータ分析は必要無いのか?

2024.03.19

継続品の比率を増やせば、業績が回復するのは本当か?(ワコール編)

CONTACT US

小売ビジネスに関するMD(品揃え政策)アドバイス・サポートを
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

TRADINGPERFORMANCE

取引実績