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私が販売の仕事に従事していた90年代後半、常日頃から疑問に感じていたことがありました。それは?
「何故、ショップに出し切れないほど、日々新商品が投入されてくるのか?」
このことです。
当時の私が在籍していたショップは、レディース業態で、夕方になれば必ずショップが込み合って多くの売上を叩き出していました。しかしながら、ショップが混んで忙しかったということもあるのですが、日々多くの新商品が投入されてくるので、閉店後は常に、ショップのレイアウト変更(VMD作業)を余儀なくされました。また土日ともなると、土曜日に入荷した商品が、あっという間に売り切れてしまうことも多々ありました。まあ、このことを本部の方々は、喜んでいましたが(-_-;)。
ですが、すぐに売り切れる商品と同時に、ショップに出し切れない商品も多くありました。このような商品を、ショップでは”2軍・3軍”と呼んで、ショップに展開するタイミングを図ってはいましたが、中には日の目を見ないで、センター倉庫等に返品する商品もありました。確かに、商品の投入アイテム数が多いと、ショップの鮮度が保たれますし(当時はショップのレイアウトが日々変わっていないとダメだ的な考えがあった)、トレンドに敏感なレディースでは当然のことかもしれません。しかしながら、売れ筋商品があっという間になくなり、ショップに展開できない商品があるということに、私自身は釈然としない日々を過ごしていました。
この後、当時在籍した組織で、立ち上がって間もないメンズ業態のMDを任されることになるのですが、当時の私には、今のような知識はありませんでした。しかしながら、メンズの売れ筋商品は、レディースよりも売れる期間が大分長いのでは?という思いが、感覚的にありましたから、商品投入アイテム数を思い切って減らした上で、売れると見込んだ商品には、(当時としては有り得ないくらいに)思い切り数量を張る!このことを実践した結果、一つの大ヒット商品が現れ、メンズ事業の売上を激増させることに成功しました。
因みに、この話を余談をさせて頂くと、この商品が一番売れる時期には、店舗のバックヤードの1/3が、この商品で埋め尽くされ、その商品の売上構成比が25%を超える状態となっていました。
商品の投入アイテム数の設定の基本は、前回の記事でも触れていますが、
①標準店舗における基本的な商品展開数量
②商品の販売期間の設定
このことで決まってきます。
上述した私の経験談を、マーチャンダイザー視点で解説しますと、商品の販売期間を長くすることで、商品の投入アイテムを減らし、商品1アイテム辺りの発注数量平均を増やした!ということになります。また、冒頭に述べた私のレディースの販売員時代の経験は、販売期間を短く設定することで、商品投入アイテム数を増加させる!という論理になります。以下、販売期間を短くするメリット・デメリット。販売期間を長くすることでのメリット・デメリットを、画像で貼っておきますので、興味のある方は、是非確認してみてください。
最後に、この販売期間の設定に関すること(販売終了日も含む)は、ショップやECにて、日々販売の仕事に従事して頂く皆様に知って頂くこと。更に言えば、事前に(内容を)わかりやすく伝えておく!ということは、MDにとって重要な仕事である!と考えています。このことを怠ると、VMD・レイアウト・バックヤード等の整理整頓やECささげ業務等の事前計画が組みにくくなり、販売の仕事の現場が疲弊します。また、販売の現場の日々の仕事が感覚的になってしまいます。このようなことにならない為にも、店長会議や内見会等を利用し、MDは商品の販売期間の説明。その意図をきちんと販売の仕事に従事される皆様方に伝えることが重要だ!ということを訴えて、本日の記事は終了と致します。
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【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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