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ECで効果が期待できる施策とそうでないものを見極めよう

恒例の対人マンさんとのスペース企画。今回はEC運用にて、

「それって、やっても意味あるんですか?」

という施策について教えて頂きました。そこそこの規模の事業者様ならば、日々支援会社から営業を受けていることでしょう。(我々も支援会社なのですが。。。)筆者もよく、それについてクライアントから相談されるのですが、どれが効果的でどれが効果が無いのか?が判断つかないことも多いでしょう。そんな時の判断基準について色々とお話しましたので、こちらに記載しておきます。

◯ECサイト構築時の提案

これはどちらかというと事業者側から支援会社にお問合せした時に発生するものですね。ECサイトを構築する時に多いでしょうか。お客様にご予算をお伺いする際、「構築費のみ」でお答えされているのかどうかを確認しないとそこで予算を使い切ってしまう事があります。とても気が利く支援会社ならそこまでヒアリングしてくれますし、ECサイトを作っただけでは売れる見込みが無い場合はそれも合わせてお伝えしてくれます。その場合、予算を構築だけで使い切るのではなく、販売計画の立案から集客施策に費用を割くようアドバイスしてくれる事も。

また、そういう支援会社は自社の技術に自信を持っていますから、意味の無い値引きには応じません。あまり食い下がると支援会社からお断りされるケースもあります。(実際に何件も見てきました。)そういう会社は仕事に困っていませんし、無駄に値引きをして既存クライアントに不誠実になるような対応はしません。

逆に、すぐに売れる見込みが無いのに予算の上限まで使い切る・無駄な機能を付け足すような提案をされると要注意です。WEB制作会社が運用面まで担保する必要は無いので問題も無いのですが、それは売上を考えた提案をしてくれないという事の裏返しでもあります。

◯SNS施策の提案

支援会社と言えど全ての業界に精通している訳ではありません。(弊社なんてほぼアパレル・ファッション特化…。)もちろん、経験値が高い支援会社であればカバーできる業界はその分多いでしょう。しかし、得意不得意は当然ながら存在します。そこで重要になるのが、依頼した支援会社にはどの程度、クライアントの業界知識があるか?ですね。これが無いと「よくある・あまり効果が見込めない」提案に偏重しがちです。わかりやすいのが下記でしょうか。

■ SNSでプレゼントキャンペーン
■ インフルエンサーマーケティング
■ハック術(SNSのアルゴリズムを利用したフォロワー増加施策)

誤解の無いようお伝えしておきますと、これらは効果がゼロな訳ではありません。が、市場の相場となる費用を支払う事を考えますと費用対効果がとても悪い。起こり得るのは下記のようなものです。

□ フォロワーは増加するが、自社のターゲット顧客との乖離があり売上が獲得できない
□ 時間が経つにつれて離脱が多く増える
□ アルゴリズムが変わると対応不可

などでしょうか。インフルエンサー自身が支援をするケースで使われやすい施策ですね。確かに業界関係なく実行はできるでしょうし、フォロワーも一時的には増えるかもしれません。しかし、拡散したブランドを好きになってくれる・潜在的なファンかどうか?が不明瞭なまま拡散していますので、売上につながりにくいのです。我々が生業とするファッション業界を例に、インフルエンサーマーケティングを考えてみましょう。

ファッションスタイルはとても細かく細分化されていますが、そのスタイルにマッチしたインフルエンサーをキャスティングできているかどうか?ファッション雑誌ならどのイメージか?横並びのブランドは何か?などを考慮する必要があり、それを判断できる業界知識が必要になります。

プレゼントキャンペーンは過去、筆者も何度か現場で経験しておりますが、キャンペーン終了後に離脱が極端に多く、結局やらなくなったケースが多いです。対人マンさんのお話では、最近はキャンペーン用のアカウントを運用する方が多く、キャンペーン用にフォローや拡散はするがほぼ見ていない、という状況だそうです。(Twitterでお金配りおじさんをよく拡散しているやつですね…。)

◯広告の提案

筆者が一番現場で被害者を目撃しているのが広告ですね。こちらもSNS同様、業界知識が不足し、ターゲティングがずれる事が一番の要因かと思われます。例えばSNS広告なら、配信する先を年齢・性別・地域から興味関心まで細かく設定できますが、特にずれやすいのが「興味関心」です。やはり定性的なものを判断する際に業界知識が不足していると上手くいかないケースが増えますね。

ちなみに広告のパフォーマンスは広告レポート側だけでなく、GA4でも検証可能です。セッションあたりの表示回数やエンゲージメント率、平均エンゲージメント時間などなど。広告経由で効果が低い場合は、ターゲティングがずれている・もしくは広告クリエイティブの当たりが悪い、などが考えられます。

アパレルECで間接効果はどんな時に見るのか?

アパレルECで間接効果はどんな時に見るのか?

(広告効果の検証についてはこちらをご覧ください。)

余談ですが、WEB制作会社がECを構築した後、WEB解析や広告含めた運用・SNSをやりたがるケースが多いですが、付け焼き刃な事が多く、結局は業界知識があるかどうか?が成否を分けやすいです。WEB系の支援・コンサルはクライアントより少しでも知識があるだけで煙に巻きやすく、支援会社の中では技術・知識が弱くともクライアントには気づかれないことも多いです。中長期的に売上が上がらない時に初めて気づくこともありますので、気づいた時には後の祭りな事もあります。そもそも売上は当然、在庫と連動するものですから「MD・在庫コントロール」が売上の肝です。その話をしないで売上アップはあり得ませんのでお気をつけください。

◯どう判断したら良い?

いくつか「効果の無い提案」をお話しましたが、ではそれをどのように判断するのか?ですね。アパレル・ファッションの小売なら、支援会社に下記の経験があるか?をお聞きください。

①リアル店/モール系EC/自社ECの運営の経験があるか?と知識レベル

また在庫コントロールなら、

②生産のノウハウ/MDの経験があるか?と知識レベル

SNSなら、

③プレキャン/インフルエンサーマーケなどの拡散施策が無くなった時にブランドにファンが付いてくるか?

あたりですね。また、これ以外にも、

④過去事例を見せてもらう(たまに自社の実績じゃないものを謳う業者も。ヤバすぎるやろ…。)

⑤横並びの事業者でうまくいっている人に聞く

※なるべく自社と同じサイズの事業者が望ましいです。売上規模が違うと使える予算から課題から全てが変わるので。

このあたりが判断基準になりやすそうですね。⑤は北山さんという偉大なおじさまがお話されていたものをパクり引用しました。

◯誰でもできる「ユーザーを理解する方法」

最後に、明日から誰でもできるユーザー理解の方法を記載しておきます。

①SNSでユーザーを理解するならフォロワーをつぶさに見る

まずはこちら。簡単なようで意外と誰もやりませんが、ユーザーを理解するのに一番手っ取り早いでしょう。自社ブランドをフォローしてくれている方が日々、どのようなものを購入したりフィードにアップしているか?を数十〜数百件確認してみましょう。そこから広告配信の際の興味関心のワードを導き出せることも多々ございます。

②GA4でユーザーエクスプローラーを確認する

GA4の探索レポートのテンプレートにユーザーエクスプローラーという項目があります。こちらはCookie IDごとにユーザーがECサイト内でどのような行動をしたか?が順を追って見れます。購買に至ったユーザーの導線はどうなっているのか?を確認する際に重宝しますし、こちらも数十件見ただけで大体の共通点が見えてきたりします。

あと、誰でもできる売上アップ施策はこちら↓

お客様に煩わしさを感じさせずECからのプッシュを増やそう

とにかくプッシュ回数を増やすのが一番簡単です。闇雲に増やすのではなく、意味があるプッシュにしてください。また気まぐれにスペースやりますので良かったらお聞きください。告知は随時、Xでやりますので!

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