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改めて仕入予算の設定の基本のお話します。

★ライブコマース好調の会社にお呼ばれした話

先日、ライブコマースで多くの売上を獲得している会社にお呼ばれしたので、お伺いさせていただきました。その会社のライブコマースで紹介する商品は、仕入先との連携が上手で、基本的に在庫を抱えておりません。在庫を抱えずに、売上が拡大できるのであれば、キャッシュフローや利益の面からみても理想的です。しかしながら、すべてのアパレル小売業で受注発注で成り立つのであれば、業界全体の課題で在庫問題も起こらないですが、間違いなく製造側が対応しきれませんし、アパレル小売業にしても、売上規模の拡大を狙うのであれば、在庫なしに多くの売上を獲得することが不可能です。
冒頭の話に戻りますと、私を呼んでくださった会社の社長は、今後の売上目標を達成させる為には、在庫を抱えるリスクも検討しなければならないということで、私に相談の依頼をしたとのことでした。(私自身もとても勉強になりました。ありがとうございますm(__)m)

★改めて仕入予算の考え方の基本をお伝えする

ここで話を少し変え、最近よく質問を受けるのが、仕入予算設計の考え方です。仕入予算の件に関しましては、このサイトや繊研plusさん等他サイトでもたくさん記事にしていますが、今回は改めてこのサイトで仕入予算の基本的な設定の仕方をお伝えいたします。

商品の仕入における基本となるべき考え方は。

「売れる分だけ仕入れる!」このことです。

これがMDにおける5適の一つ、”適量”達成の前提となります。このことが出来ていないと無駄に在庫を抱えてしまいます。ということで、仕入予算の設定において重要なポイントを以下お伝えしますと。

①損益予算
②値入率と粗利率の設定
③残る在庫をどう考えるか?

このことです。では、順を追って説明致します。

①損益予算

私に今のような知識がなかったとき、仕入予算は売上予算の130~150%程度的な考え方で仕入予算を設計していました。

何故、このような仕入予算組みをするのかと言いますと、これは読者の皆様もお分かりの通り、仮にこの考え方で、売れる分だけ仕入れるという考え方で設定すると、売上予算1億円に対して、仕入元売価予算1億円となり、売上予算など達成できるはずもないからです。では、売れる分だけ仕入れる!を実現する仕入予算を設定する際に、何が必要になるのか?と言いますと、損益予算が必要となります。仮に、損益予算が売上1億円。粗利率45%(粗利高4500万)ならば、売上原価予算が5500万円になります。(当然、損益は黒字前提で作られたもの)

ということは?売れる分だけ仕入れるという考え方かえらすると、仕入予算は売上原価予算とイコールで設定する!ということが重要になります。

②値入率と粗利率の設定

次に値入率の設定です。粗利率予算が45%ということは、最低でも45%以上の値入率(55%以下の原価率)でないと、予算を達成することができません。ということで、今回は値入率を55%で設定(原価率45%)します。この設定で仕入元売価予算を計算すると、以下の通りになります。
→5500万円(仕入原価予算)÷(1-55%(値入率)≒1億2222万円(仕入元売価予算)
となります。言い換えれば、2222万円の割引・値引きをあらかじめ想定し、売上予算の122%の仕入元売価予算を設計したということです。では、この想定がどのくらいのOFF率となるのか?と言いますと。


→2222万円(OFFできる額)÷1億2222万円(仕入元売価予算)≒18.1%(OFF率)
となります。このことがブランド・ショップの運営コンセプトになりますし、値入率と粗利率の差が小さければ、セールをあまりしないブランド・ショップ。大きければ、セールをある程度想定しているブランド・ショップということになります。プロパー消化に拘るのならば、値入率と粗利率の差を、予め低く設定する必要があるということです。

③残る在庫をどう考えるか?

しかしながら、①②の手順を踏んでも、やはり在庫が余ってしまうことが殆どです。ですので、この残るであろう在庫をどう考えるのか?このことも重要になります。これまで述べてきた数字を活用すると、上記した組織の消化率が90%だった場合。
→5500万(売上原価)÷90%(消化率)≒6111万円(実際の仕入原価)
→6111万÷5500万=611万(残った在庫金額)
となり、611万円在庫が残ってしまいます。これをどう考えるのか?ということが大事になります。


更に言えば、この611万円を消化できる機能があることも大事です。この残った在庫をほったらかしにしていると、延々と在庫が増えていきます。
また、アウトレット店舗数が多く、大きい金額を残してもアウトレットで消化できる!という組織の場合、低い消化率を設定しても大丈夫ということになるかもしれませんが、プロパー店舗での商品の消化率が低いと、組織全体でみれば粗利の低下を招き、損益が厳しくなる可能性が高まります。また、MD的みても「どうせアウトレットに回すから、在庫を残してもダイジョブ!」等の心理が蔓延すると、その組織が運営するブランド・ショップは、価格不振からくる顧客離れを起こし、売上そのものが低下する可能性が大なので、ある程度の高い消化率を設定する必要があるでしょう。

ということで、改めて基本的な仕入予算設計の考え方を記事に纏めましたが、セール出来ない定番商品や継続展開している商品の仕入予算設定は、ややこしくなりますので、できるだけ商品の販売期間を区切る方が得策です!ということをお伝えして、今日の記事は終了です。
(定番商品に関する仕入の考え方は、下記の記事をご覧ください)

定番商品こそ、売れる分だけ仕入れるという意識を持とう!

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