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以前、このような記事を書いたのですが内容としては、
「当該コーディネートページを経由して購買が発生したセッション」
を絞り込み、そのセッション内でコーデ紹介しているアイテムが売れたのか?を調査するものでした。このあたりが未だに曖昧なまま経由売上を出されている企業様が多く、GA4で細かく計測したり、はたまた厳格なルールの元で計測しているサービスの導入をお勧めしたりと、現場でも水増しが発生しないよう努めております。
メディアの方は正しい数字を報道するために「この経由売り上げというのは、一定時間以上、閲覧されたコーディネートで使用された商品が、同一セッション中に売れた金額ですよね?当然」と聞くと良いと思う pic.twitter.com/A8jYmtscHO
— 野田大介 ショート動画 / LINE Frontliner / あんときのストリート (@KURUZE) October 16, 2023
そんなお話を繊研新聞の連載でも書いたのですが、野田さんのツイートで「そういえば前回の記事はそこまで精緻にデータ取得している訳ではなかった…」と気づいてしまいましたので、第二弾を書いて補足しておこうかと思います。(記事はこちらです→ 「EC」常識の非常識② スタッフ経由売り上げの誤解)
GA4ではセグメント機能のシーケンスを使って、特定のページを経由したユーザーが、◯分以内に特定のアイテムを購入したデータだけを抽出する事が可能になっております。
例えば上記のように、特定ページの経由をステップ1に設定。ステップ2は間接的ステップにした上で期間を30分以内に設定。
手順は「同じセッション内」にしておきます。
ステップ2でpurchase(購入)を選択し、item_nameに当該コーディネートページで紹介されているアイテム名を入力。これでセグメント機能の設定はOKです。
経由売上は前回記事と同様で、ディメンションに「アイテム名」、指標に「アイテムの購入数」「アイテムの収益」を設定すれば当該セグメントで売れたアイテムが抽出されます。
欠点としては、商品を購入する際、まとめ買いが発生すると、関連アイテムでは無いものも含めてデータが出てきますので、あとで差し引くなりする必要があります。そして、問題は按分ですね。当該セッションでどの程度、別のコーディネートを経由したのか?までは簡単に出すことが可能です。
セグメント機能は先ほど作成したものををのまま活用。ディメンションに「ページパス+クエリ文字列」を、指標にセッションを選択。フィルター機能を使って、コーディネートページのページパスのみ抽出します。これで、当該コーディネートを経由して購入したユーザーは、同時にどのコーディネートページを閲覧したか?がわかります。問題は、当該コーディネートと同じ商品を紹介しているページがこのままだと不明なことですね。これは予め調べた上で、表示されているページから除外していくしかありません。そして、最後に残ったページの数だけ、売上を按分するという流れですね。なので、GA4で按分しようと思うとめちゃくちゃ面倒です。(流石に同じ商品を紹介しているページだけを抽出する、という設定はできませんので)
そもそも、コーディネートページごとにGA4の探索で1つずつ設定していくのも相当面倒なので、人的コストを考えたらちゃんと計測してくれるサービスを導入する方が良いでしょう。(ザッピングとかLEEEPとか)
まだコーディネートの更新頻度が低く、経由売上も大きく無い状況でしたらGA4で十分検証は可能なので、探索で月ごとにデータ作成しておき、必要なタイミングで集計期間だけ変えればOK。厳格にルール設定したければ、上記のようにGA4でも可能ではありますので是非一度お試し頂ければと思います。水増しが懸念される場合、この手法ですぐ明るみになりますので、水増し検証用に1ページだけ調査する、などの要望がある際にも重宝します。正しい検証が正しい評価に繋がりますので、検証のルール設定は厳格にして頂ければと幸いです。
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。Twitter(@fukaji38)
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