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新規商品と追加商品をわけて予算作成するメリットとは?

★しまむらが期初の商品投入を抑えながら業績をあげている?

先日の繊研新聞の記事で、以下の記事を発見致しました。
増収増益続くしまむら 「気温に左右されない」で成果 優位性維持し単価引き上げ
また上記の記事の中に、以下のような文言がありました。

”残暑で秋物を売る期間が限られ、重衣料の立ち上がりが遅れたが、期初の商品投入をかつての7、8割に抑え、期中に様子を見ながら追加する手法を整えており、天候に対応できるようになった。”

特にこの文言の中で、私が着目した部分は?

”期初の商品投入をかつての7、8割に抑え、期中に様子を見ながら追加する手法を整えており”

気温対応云々ではなくこの部分です。しまむらは、決算資料や店頭の推移から推測すると、商品の販売期間を短く設定しているとと考えられます。今回は詳しい説明は端折りますが、販売期間の設定が短い組織は、販売期間の設定が長い組織よりも平均在庫が少ない場合が多いです。事実、しまむらの在庫回転率はアパレル小売の中でもかなり高い部類です。そのしまむらが、期初の商品投入を7・8割に抑えた上に、売上を伸ばしているということは、より在庫回転率も向上していることでしょう。しかしながら、記事の上っ面だけ捉えて、自分たちも真似してみよう!と試みても、しまむらのようなことが簡単に実現できる筈がありません。ということで、今回は期初の商品投入を抑えながら、これまで以上の売上を目指すには、どのようなことを行えば良いのか?を考えてみます。(以下は、過去私が執筆したしまむらの記事です)

しまむらの部門別売上から見えること

★期初の商品投入を抑えた上で売上をアップさせるには?

期初の商品投入を抑えながら、これまで以上の売上を目指すのに必要なこととは?最初に結論を申しますと。
”MD予算設計の精度を上げ、実践すること!”
このことに尽きます。MD予算設計の関しては、過去に繊研plusで連載を行っておりますので、興味のある方は以下の記事をご覧ください。
算数で極める達人MDへの道《第2講》
更に重要なことを申しますと。
”新規投入商品と追加投入商品の予算を分けて設計すること!”
このことです。(もしし可能であるならば、新規商品と追加商品の売上分析が行える商品分類ルールを設定しておくと良いでしょう。しかしながら、これが中々難しいのが現実ですが。)そして、新規商品と追加商品の予算を分ける為には、一つの条件があります。それは、どういうことかと申しますと。
”販売期間の設定がリードタイム(以下LT)より長いこと!”
このことです。例えば、販売期間の設定が2か月でLT2か月ならば、仮に追加発注をかけたとしても、商品が入荷する日には販売期間の設定を過ぎています。このあたりがすごく悩ましいところで、このようなことから盛んにクイックレスポンス(QR)の実現が叫ばれるわけです。(推測でしかないが、しまむらの場合も商品の販売期間の設定が長めにとってある商品や販売期間延長が可能な商品に限って、記事にあったような対応しているのでは?と見ています)

★新規商品と追加商品の予算を分けて作成してみる

それでは以下、簡単な例をあげて、初回発注商品(以下は新規商品と呼称)と追加発注商品の予算を分ける設計の仕方をお伝えします。今回は、内容をよりわかりやすくするために、金額ベースではなく、数量ベースで例を上げます。また、今回の予算設計は商品A単品予算として話を展開致します。商品Aの設定は以下の通りです。

【商品A】
・販売期間の設定3か月(2月~4月の春物商品)
・商品A売上数量予算2900点
・仕入数量予算は売上数量予算と同じ

この商品を、LT3か月の場合とLT2か月場合で、それぞれMD予算設計してみます。

A LT3か月の場合

LT3か月の場合ですと、商品Aの販売期間の設定が3か月になっていますから、1月31日までに売上予算分の2900点を仕入しておかなければなりません。そのことを加味したMD予算は以下の図の通りです。

B LT2か月の場合

LT2か月の場合ですと、販売期間の設定が3か月になっていますから、2月の売り出しから1週間以内(もっと早いほうが良いが)で、追加発注のジャッジメントをすれば、4月上旬には商品が店頭に納品されます。そのことを加味し、新規商品と追加商品とで分けて予算作成したのが、以下の図になります。

今回の商品Aの売上ピークは春実売期の3月です。LTが2か月かかりますから、2・3月の売上分(2100点)は、初回に発注する必要があります。今回は初回に2500点の仕入を行う予算設計にしました。それでも、のこり400点を4月に追加発注分として予算をつけておけば、初回発注を抑えることが可能です。結果、追加発注を加味した場合の在庫回転日数は、Bの方がAよりも大凡12日ほど良くなっています(マサ佐藤調べ。今回の在庫回転の数字は、あくまで参考程度のものと捉えてくださいm(_ _)m)。

★期中での対応

上記のように新規商品と追加商品の予算を分けた場合、期中での対応はどのようにすればよいのか?と言いますと。商品Aの売上初速スピードがよく、追加発注数量のシミュレーションした結果、予算以上の数量が必要となれば、4月の売上予算を超えることが可能となります。このことで、必要以上の在庫負担を強いられることもなく、売上アップが可能となるわけです。また、商品Aが結果2000点しか売れそうにない_| ̄|○場合は、Aの場合は商品が900点余ってしまいますが、Bの場合は500点余る結果となります。セールで商品をなくすにしても、残り数量が少ない方が断然良いわけですから、このようなことからも、新規商品と追加商品を分解して予算を作成するメリットが大きいということが理解できる筈です。
今回の話は数量ベースで話を進めましたが、実際は売上・粗利・仕入・在庫金額で予算設計を行わなければならりません。しかしながら、理屈は数量ベースと変わりませんので、今回の記事が読者の皆様方のお役に立てれば嬉しく存じます。

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