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店頭のリサーチはどうすれば良い?(マサ佐藤編)

★今回は深地さんの記事のパクりです(笑)

先日、深地さんがこのサイトで書いて頂いた記事が大きな反響を呼びました。

アパレルEC・店頭のリサーチはどうすれば良い?


実を言いますと、私も過去このサイトで何度かリサーチの記事を書いているのですが(笑)、とくに反響もなかったので、今回は深地さんの記事ネタをパクらせて頂き、「店頭のリサーチはどうすれば良い?」→マサ佐藤編と題して、私がマーチャンダイザー(以下MD)として、店頭のどのような点に着眼してリサーチをしているのか?を、お伝えできればと存じます。

★MDとしてリサーチする際に、心がけていることとは?

先ず、私が店頭(実店舗)をリサーチする上で心がけていることを、以下お伝えしますと。

①販売員の心理になること
②リサーチした日付・気温を記録し、その他気づいた点をメモする
③メンズは月1・レディースは月2で店を見に行く

この3点です。
先ずは①です。現在も殆どの実店舗が店長を中心に店のレイアウトを行っています。当然のことながら、多かれ少なかれ本社の指示はありますが、本社の指示待ちばかりでは実店舗は運営できません。ですので、販売員の心理を読むことで、店舗のリサーチを行います。例えば、客単価の高い商品が意図的に店のVP(売れる場所)に多く出されていれば、この店は目先の売上に焦っていると読むことが出来ます。これが同系列の他の店舗でも同じ傾向であれば、会社自体が目先の売上をとりにいっている→売れていない可能性大。と読むことが出来ますし、特定の店だけが、その傾向であれば、その店の店長の焦りを感じることが出来ます。

次は②です。MDにとって重要なことは?適時・適品を見極める目です。ですので、リサーチの日付は必ず入れるようにしておきます。また、昨今温暖化で以前のような商品投入が通用しない時代になっていますので、気温の記入も大事です。特に着眼してほしいのは、通学・通勤時に影響を与える最低気温です。そして、そのときに気づいたことをメモしていきます。これを1年以上繰り返すと、リサーチを行った組織のMDの全貌が見えてきますので、MD視点で良い点・悪い点を見極め、良い点は自分たちのブランド・ショップにも取りいれることを躊躇してはなりません。


次は③です。私の場合は、メンズであれば月1。レディースでは月2程度しか見に行きません。これは、商品の販売期間の設定を意識してのことです。レディースでさえ、週1で店を見に行っても、あまり意味がありませんし、週1でショップのレイアウトがコロコロ変わっている店は、おそらくMDに問題が多くある筈です(例えば、店が在庫管理の仕事に翻弄され疲弊している等)。しかしながら、セール時は例外でリサーチのペースを上げると色んなことが見えてきます。

★リサーチする際に、店のどのようなところを見ているのか?を具体的に

ここからは、私がリサーチの際、どんなところを見て感じているのか?を、箇条書きでわかりやすくお伝え致します。箇条書きする内容は、以下の項目別にお伝えしていきます。

〇VPと後方の場所を連動して→売りたい商品のリサーチ
〇店の全体感
〇セール時
〇バックヤード関連

〇VPと後方の場所を連動して→売りたい商品のリサーチ

・VPに置かれる商品は、基本売りたい商品。基本は在庫を多く積んでいるといると仮定(以下メンズショップのケース)。
→1か月後もVPにある。SKUも揃っている。→MDとしては成功の可能性大
→1か月後、後方の場所でSKU揃っている→在庫が多く残る可能性大(MD悲惨)
→1か月後、後方の場所でSKU揃っていない→必要な商品足りない(MDとして良いとは言えない)
→1か月後、商品見当たらない。→すぐに売れた(MDとしては失敗だが、来年に使える商品かも?)
等と捉えることができます。しかしながら、1か月後に商品が見当たらないというのは、アパレル小売あるあるで、店から商品を下げられている可能性も高いので(特にレディース)、EC等の状況を確認しておくことも、オススメです。

〇店の全体感

・同系列店舗でVMDの違いが大きい場合は、店側の権限が大きい可能性大。
・同系列店舗で(品揃えが)見やすい売り場の店と(品揃えが)見にくい売り場の差が激しい場合。
→上記の場合、その事業部自体のMDはあまり良いとは言えない。
→上記の場合、(品揃えが)見やすい売り場は、店頭から下げている商品が多い可能性大。
→上記の場合、(品揃えが)見にくい売り場の店は、真面目な性格の店長である可能性大。
・通常はSKU全て出している店が、SKUを間引いて品出ししている場合、在庫過多の可能性大

〇セール時

・先述したように、セール時はマメにリサーチする。
・セール時の臨時バックヤードの商品が一定の期間でもなくならない。
→在庫過多の可能性大(ルミネ等ではよく見かける光景)
・セールとプロパーの売り場の構成がどのように推移するのか?をチェック。
・VPがセールからプロパーへ入れ替わるタイミングはいつなのか?をチェック。
・不自然にセールの売り場構成が少なくなった場合、アウトレット等に商品を回している可能性大。

〇バックヤード関連

・在庫がレジ上・フィッティング上から見える。
→在庫が多い可能性大
→本社・本部が販売員の仕事を軽視して店舗設計している
・土曜日の午前中に大量の納品(土曜日の午前中のリサーチはオススメ)
→MDが販売員を思いやっていない
→本部と店舗で距離感があり、そのことが売上・粗利に影響を与えている?

等が店頭リサーチから見えるわかりやすい点です。他にもお伝えしたい内容が多々あるのですが、文章化するのが難しいので、もっと知りたい方は「マサ佐藤とリサーチ希望!」と連絡ください(冗談ですm(__)m)。店舗のリサーチをすることは、MDとして学ぶこと・反省すること等が多々学べる場でもありますので、定期的に実店舗をリサーチすることをオススメして、今回の記事は終了です。

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