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以前、以下のようなツイートをしたら
商品の品揃えを増やせば、売上が上がる!というのは、大いなる間違いである。品揃えを増やす施策は、商品1点当たりの仕事や考える時間が少なくなる!ということにも繋がりメリット以上のデメリットがある。ということを認識すべきである。
— 佐藤正臣(マサ佐藤) (@msshouhinkeikak) September 6, 2019
反応が、まあまあ良かったので、今回は、”(商品の)品揃えを増やせば、売上が上がるのか?”というテーマで、ブログを書いていこうかと思います。
マーチャンダイザー(以下MD)の仕事は。
”商品の品揃えを考え、実践すること”
このことが仕事になります。
しかしながら、MDの仕事の特性からなのか?多くのMDが現状の品揃えよりも、品揃え数を増やしたがるという傾向が見られます。特に、そのブランド・ショップが下降トレンドに入ると、その傾向は更に強まり、商品の品揃えを増やす傾向にあります。
ですが、売り場面積の増床以外に、小売業でむやみやたらに商品の品揃えを増やしても、売上が現状よりも上昇することは、殆どあり得ない!と言ってもよいでしょう。
商品の品揃えを増やすメリットとしては
”顧客に、多くの商品から欲しいものを探してもらう、宝探しを楽しんでもらう!ここにいけば何か欲しいものがあるかも?”
と思わせるメリットがあります。
例えば、Amazonのサイトに入れば、とりあえず欲しい商品がなんかあるだろう!ということは、まさしくそのことです。
以前ブログでも記載ましたが。
ECの場合。一つの戦略としてロングテール戦略というものがあります。ですが、このブログにも書いてあるように、プラットフォーマーならばいざ知らず、アパレル・ファッション小売業の多くのブランド・ショップがロングテール戦略をとっても、売上が上がらないばかりか、在庫が増加していくだけです。
以下更に、商品の品揃えを増やすデメリットを書いてみると。
・商品1アイテム当たりの発注量が減り、売れ筋商品がすぐになくなる可能性が高い
・商品発注時に商品数量のメリハリがあまりつかない
・商品アイテム数量の増加による、店舗・ECの作業量の増加
・MDの仕事が増え、薄っぺらい考え方で生まれた商品が増える
・事前に決めていたブランド・ショップコンセプトが崩壊していく
等。他にもあるでしょうが、上記のデメリットが考えられ、品揃えを増やすことが売上アップには繋がりにくい!というのが現状ではないでしょうか?
これでも、品揃えを増やすことで売上が増加する!と考えている方々は、下記のようなことを調べてみるとよいと思います。
売上好調時の売上ベスト10の売上構成比と、売上不調時の売上ベスト10の売上構成比の比較です。
おそらくこのことを調べてみると、好調時の方が売上構成比が高く出ている組織が殆どの筈です。
要は、売れているときというのは、必ず少数のヒット商品に支えれれている!ということで、寧ろ、品揃えを増やすこととは矛盾している!ということになります。
この業界では、現状のデータはよく分析できていても、過去データが活かしきれていない業界です。上記のようなことを、即調べるためにも、過去データの整理整頓は常にしておくとよいでしょう。
話を戻すと。売上が不調なときにMDが目指すべきことは、品揃えを増やすことではなく、多くの顧客に支持されるヒット商品を考える!産み出す!ということです。
このことは、過去の私も経験していますし、実際、私のクライアント様でも、このことで劇的に売上を伸ばしたケースがありました。
だからこそ、安易に商品の品揃えを増やす施策を考える前に、一度立ち止まって物事を深く考える。MDにはこのような姿勢が求められる!ということです。
【(株)エムズ商品計画オフィシャルサイト】(株)エムズ商品計画代表取締役。大分県大分市出身。リテールMDアドバイザー。繊研新聞社より「数学嫌いでも算数ならできる筈〜算数で極めるMDへの道」出版。大手アパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、あらゆる分野のマーチャンダイジング改善に従事。唯一の趣味は古着収集。
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